BBMのプロスポーツカメラマンがこれまでに撮影した膨大なカットの中から、思い出深いものを紹介していく好評連載。今回は日本のサッカー史に欠かせないカズこと三浦知良選手への「無茶ぶり」の数々とお届けします。
撮影・文◎早浪章弘
キング・カズにいったい何をやらせるのだ!?
カズこと三浦知良が京都パープルサンガ(当時、現京都サンガ)やヴィッセル神戸と関西のチームに所属しているころ、当時の『週刊サッカーマガジン』の伊東武彦編集長が考える「無茶ぶり」の撮影を担当しました。京都ではお寺で、神戸では明石焼きを食べさせる、という荒唐無稽(?)の企画にも、カズは「伊東さんもいろいろ考えるね!」と明るく付き合ってくれました。
準備も大変だったのですが、いま振り返れば、なんと素敵な時間だったのだろうと感慨深いのです。
「カズをお寺で撮影するから練習場の近くで探してきて。撮影は明後日だから、よろしく!(ガチャン!)」。伊東編集長から一方的な電話を受け、翌日に慌てて京都府城陽市へ出向いて撮影に協力してくれるお寺を探しました。2カ所で断られてしまったのですが、次のお寺で出会った40歳くらいの住職さんにお願いに行くと「カズさんですか!? どうぞどうぞ!」快諾していただきました。
『週刊サッカーマガジン』1999年10月6日号の表紙を飾ったカットの続きの1枚。いま改めて見返すと、お寺が広くてストロボの光がうまく回っていません。自分の未熟さを痛感させられました…。でも、そこにカズがいるのだから、そんなことどうでもいいか!(いや、よくない)
練習場でのインタビューもありました。このときは代表復帰への意気込みを語ってくれました。「ドーハの悲劇」、1998年フランス・ワールドカップのメンバーに選ばれず、と尋常ではない2度の大きな試練がありましたが、いつも前向きなカズ。彼の生き様が多くの人を魅了するのでしょう。私もそのうちの一人です。
ヴィッセル神戸に移籍したあと、「神戸らしいところで撮影できない?」とまたもや伊東編集長から要望が。六甲山からの夜景をバックに? メリケンパークでポートタワーと一緒に? どちらもカズを連れて行くには無理だろうなあ…と思いながら、とりあえずメリケンパークへ。ホテルの立体駐車場へ入ると目の前にポートタワーが見えるじゃないですか! ここしかない、とインタビューのあとに駐車場へ移動して撮影しました。私がロケハンしたタイミングではきれいに光が当たっていた駐車場の踊り場が、本番ではなんと日陰に…。仕方なくストロボを使用したのですが、赤いポートタワーが暗くなって色が出ませんでした。デジタルカメラのいまであればモニターで確認しながら撮影できるのですが、当時はフィルム、と言い訳させてください(泣)。
ポートタワーでの撮影を終えたあと、三宮の居酒屋風たこ焼き店へ向かいました。こちらは事前に編集長が撮影のお願いしていたので、お客さんがいらっしゃる前に取材することができました。カズはおいしそうに明石焼きを平らげました。10年後に別の取材で訪れたら、掲載されたサッカーマガジンが店先にまだ飾ってあって、超感激!
試合も何度か撮影させてもらいました。私がカズの日本代表ユニホーム姿を撮影できたのは、2000年のハッサン2世国王杯、第2戦のジャマイカ戦でした。
神戸時代のカズ。やっぱりサッカーをしているカズが一番かっこいいです。
同じく神戸時代。絵になりますね。
最初に撮影させてもらったのは、ブラジルのサントスから読売クラブへ移籍した1990年でした。浜松キャンプでの練習試合。後ろにはたくさんの観客が見えます。当時のサッカーマガジンでは「日本サッカーの救世主!」と書かれていました。いまでは考えられないほど低迷期にあった日本サッカーの起爆剤になったことは間違いありません。
当時はフィルム時代。暗くなると高感度フィルムを使用するのですが、粒子が荒れるという特性があるのです。カラー10ページと表紙での使用を予定していたこの取材では、なるべく低感度のポジフィルムで撮影したかったので、シャッタースピードを落として流し撮りに。ヘディングで中に折り返した直後、バッチリ決まりました。
表紙用もしくはカラーグラビアに大きく使用するためのカットとして撮影させてもらいました。バックをぼかすために300mmレンズを使用。はにかんだ表情が良いですね。
読売クラブ入団時は、いまでは当たり前の背番号「11」ではなく、「24」だったんですね。そしてその上の名前、KAZUではなくK.MIURA。インタビューでは「KAZUに変えてもらうよ」と言っていました。
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