
プロのスポーツカメラマンのお気に入りショットを披露するこの連載。今回は「カメラ目線トライ」をお届けします。2019年ラグビーワールドカップで感動を呼んだ福岡堅樹のあのシーンを、連続写真ならではの迫力で堪能してください。
撮影◎早浪章弘(大阪支社写真部)
2019年10月13日「ラグビーワールドカップ2019日本大会 予選リーグ・プールA第4戦/日本 28 – 21スコットランド」=横浜国際総合競技場(Canon EOS-1D X MarkⅡ 600mm f/4 1/1600秒 ISO-3200)
空前の盛り上がりを見せた昨年のラグビーワールドカップ。『ラグビーマガジン』でも決勝トーナメント進出を大特集しました。
特に予選突破を決めたグループリーグ4戦目のスコットランド戦は、前半に松島幸太朗、稲垣啓太、福岡堅樹と印象的なトライを連発。表紙には福岡の1本目のトライの後にラピースに抱え上げる場面が採用され、誌面では、前半の稲垣代表初トライのシーンが使われました。これらの写真は「チーム・ラグビーマガジン」として一緒に取材に当たった仲間のカメラマンたちが撮影したものでした。
この試合は取材カメラマンが非常にたくさん訪れていたために、前半と後半で撮影するサイドを移動することができませんでした。そのため、私のポジションは前半がスコットランドの攻撃側、後半に日本の攻撃側と固定されていたのです。前半のジャパンの3トライは反対側のサイドから眺めるだけでした。「ああ、今日は完全に“裏”だったな…残念(泣)」とカメラマンとしてのツキはないとあきらめていました。
しかし、その悲しい思いはすぐに喜びに変わりました。後半開始早々に福岡が魅せてくれたのです! それがここで紹介する一連の写真です。
7枚目に掲載したカットは、ラグビーマガジン特別編集の増刊号でポスターに採用されましたが、その前後もぜひ見ていただきたいと思い、ここに連続写真で紹介します。もちろん、この大会における「私的ベストトライ&ベストショット」です!(撮影者◎早浪章弘)

相手の体とボールの間に右腕をねじ込むようにタックル!

強引にボールを引っこ抜くと、ボールは相手の手から宙へとこぼれた!

落とすとノックオンになってしまうため、果敢に、かつていねいに両手で取りに行き、地面すれすれでがっちりとキャッチ!

低い体勢から、いったん右へと流れ、

左へ急旋回して相手SOラッセルのタックルを空振りさせ、

一気にギアをアップ! おおお! ファインダーの中で目が合った! ここからずっと目が合い続け、

私に真っ直ぐ迫ってくる!

そして、トライ! ありがとう! この調子で東京オリンピックの7人制ラグビーでも我々を魅了してくれ!
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