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2021-05-06

【プロレス】グレート・ムタが小川直也との異種格闘技戦で毒霧、急所攻撃…やりたい放題! 1997年8月10日

グレート・ムタに敗れて苦悶の表情を浮かべる小川直也

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 1997年8月10日、新日本プロレスナゴヤドーム大会でグレート・ムタが小川直也とシングルマッチで激突した。

 レフェリーはアントニオ猪木。ルールは新日本が「キング・オブ・スポーツ」を証明するためにおこなってきている異種格闘技戦だ。

 猪木がムタをボディーチェック。何事も起こらなかった…と思ったところで、突如としてムタが猪木に毒霧を噴射! 猪木が反射的に張り手で反撃して、小川がその横から突進すると、試合開始のゴングが鳴らされた。

 猪木はコーナー下へ。サブレフェリーのタイガー服部もリングに上がる気配がない。成り行き上、裁く者がいない無法地帯で試合は進むことになる。

 ムタは小川の腰から黒帯を拝借して、それを首に巻きつけた。もちろん反則行為だが、ナゴヤドームには大「落とせ」コールが発生。いかにもプロレス的な攻防で柔道オリンピック銀メダリストが苦しめられている光景は痛快そのものだった。

 しかも、ムタは小川を柔道技の一本背負いでブン投げることにも成功。払い腰、STOで反撃されたが、三角絞めにきたところで毒霧を浴びせる。

 ムタは背中を見せた小川の急所に蹴りを叩き込み、最後は腕ひしぎ十字固めの体勢で指を逆方向に折り曲げた。こちらも本来は反則なのだが、レフェリー不在。セコンドのタイガーキング(佐山聡)がタオルを投入して、6分39秒、ムタのTKO勝ちとなった。

 ムタと小川では役者が違いすぎた。イガグリ頭の高校球児が、隠し球やビーンボールがまかり通る世界に放り込まれたようなものだ。

 猪木が築いてきた異種格闘技戦に対して、ムタは強烈なアンチテーゼを示したのかもしれない。あまりにも無垢な小川がプロレスという毒にまみれた一戦だった。

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