close

2021-04-28

【BBMカードコラム】#2021-10「2021BBMベースボールカード1stバージョン」/ルーキーカードを楽しもう!

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line
BBMカードの編集担当が自ら手がけたアイテムについて語る連載企画。今回は「2021BBMベースボールカード1stバージョン」です。


田中将大の日本復帰に思うこと
 今年のプロ野球で最大級の注目を集めているのが、8年ぶりに楽天に復帰した田中将大ではないだろうか。入団発表のタイミングは、まさに「1stバージョン」を制作している真っ最中だった。急きょカードラインアップに加えたのだが、キャンプ合流が2月中旬になるとの報道もあったため、進行スケジュールの早かったレギュラーカードは入団発表の写真を使用している。これは結果論だが、久々に背番号18のユニフォームに袖を通し、自信を感じさせる笑みを浮かべながらガッツポーズをしている構図は、日本復帰後の初カードにふさわしい1枚になったと言えるだろう。

 ユニフォーム姿の投球写真は、作業日程に比較的余裕のあったインサートカードの「JAPONISM」に回すことになった。メジャー帰りということもあり、こちらも和風テイストのデザインがより引き立ち、新鮮に感じられる。

 田中がルーキーとして楽天に入団したのは、2007年のことだ。実は、このシーズンには個人的にも思い出がある。前年の秋にカード制作の部署に異動してきて、初めて「1stバージョン」を担当したのが、2007年だったのだ。

 当時はトレーディングカードのこともまるで分らず、カードに詳しい諸先輩や同僚の意見を聞きながら、手探り状態での制作だったのだが、その時にアドバイスをしてもらったのが、コレクションの基本となるレギュラーカードの大切さと、その中でも特にルーキーカードの価値についてだった。いま自分が作っている田中のルーキーカードが数十年後まで残り、その価値は想像もできないくらいになっているかもしれないと思うと、この仕事に対するやりがいを感じたものだ。

 その当時、レギュラーカードを制作するにあたって気をつけたのは、写真を大きく使い、できるだけシンプルなデザインにしたいということ。参考資料として過去のカードバインダーを見ると、前年までのレギュラーカードは少しデザイン的な装飾が過多に感じられたのだ。

 カード構成の面でも、この2007年版の「1stバージョン」から大きく変化させたポイントが二つあった。一つはレギュラーの箔サイン版で、初めて1of1パラレルを採用したこと。そして、二つ目が100枚限定のルーキーパラレルの制作だった。箔サインの1of1パラレルは2013年を最後に作られなくなったが、ルーキーパラレルは仕様を進化させながら、現在まで続いている。


2021年の「1stバージョン」は原点回帰

 そして今年、自分にとって15作目となる「1stバージョン」では、原点回帰を心がけた。新作情報などでも書かせていただいたが、コレクションの基本とも言えるルーキーカードの魅力に立ち返り、重層的な仕掛けを考えたつもりだ。

 ざっと説明させていただくと、まずルーキーカードのパラレル版で、初めて各25枚限定のホロ箔版と1of1を設定してみた。1of1で使用している色箔は、かつてレギュラーカードの箔サイン版で制作していた1of1パラレルと同じスカイブルー箔を使用しているのもこだわった部分だ。100枚限定の特殊銀紙版も、これが初となる格子柄の表面加工パターンを採用した。個人的には、角度によって変化する輝き方を気に入っているのだが、いかがだろうか。さらにレギュラーの箔サインパラレルでも、ルーキーは長らくドラフト1位に限定していたのだが、今年から2位以下の注目ルーキーたちも加えてみた。

 カードファンに人気の直筆サインカードは、クロスサインで早川隆久、伊藤大海、鈴木昭汰ら開幕から活躍中のドラフト1位ルーキーが登場しているのはもちろん、昨年好評をいただいたバイバックサインにもルーキーエディション版を含む、スター選手たちの懐かしいルーキーカードを豊富にラインアップしている。

 今回のバイバックサインは8選手で合計79枚が封入されているが、そのうちルーキーカードは、千賀滉大:2011ルーキーエディション5枚、石川歩:2014ルーキーエディション3枚、2014BBM1stバージョン2枚、銀次:2006ルーキーエディション5枚、2006BBM1stバージョン2枚、中田翔:2008ルーキーエディション3枚、2008日本ハム2枚、T―岡田:2006ルーキーエディション3枚、大野雄大:2011ルーキーエディション3枚、2011BBM1stバージョン2枚、2011プラチナムエイジ2枚、山﨑康晃:2015ルーキーエディション5枚、2015BBM2ndバージョン1枚、2015DeNA2枚、2015ルーキープレミアム2枚、山田哲人:2011ルーキーエディション6枚。合計すると、実に48枚も投入されているのだ。

 特に千賀滉大のルーキーエディションは育成でまだ背番号128だった時代のカードで、かつて無名だった高卒新人が今や日本を代表するエースにまで成長したことを実感できるという意味でも、かなり貴重なものになるはず。今後メジャーに挑戦することにでもなれば、その価値はさらに上がるだろう。

 また、山田哲人の2012BBM1stバージョンのバイバックサインはルーキーカードでこそないが、ルーキーイヤーだった2011年に、ナゴヤドームで行われた中日とのクライマックスシリーズで一軍初出場した際の写真が使用されている。こちらもとても意義深いカードと言えそうだ。

 今年のルーキーたちも開幕前の予想以上に粒ぞろいだ。特にセ・リーグは佐藤輝明、牧秀悟、栗林良吏が開幕から超ハイレベルな新人王争いを演じ、他にも中野拓夢、森浦大輔、大道温貴ら即戦力組が活躍。パ・リーグでも早川隆久、伊藤大海、鈴木昭汰、若林楽人らが主力級の働きを見せている。

 高卒ルーキーにも最速154㌔右腕コンビの山下舜平大&髙橋宏斗、身長2㍍の超大型外野手・秋広優人、ソフトバンクで未来の四番として二軍戦で結果を残している井上朋也ら、逸材が目白押しだ。

 彼らの将来に夢を馳せながら、ルーキーカードを収集する。これこそ、コレクションの醍醐味ではないだろうか。今年の「1stバージョン」は、ルーキーカードを存分にお楽しみください。

07bbm 211tanaka
2007BBMベースボールカード1stバージョン No.211 田中将大

No.103 早川隆久
No.103 早川隆久

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事