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2019-02-17

関西学院大学ファイターズ 部旗に込められた思い

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アメリカンフットボールの日本選手権、ライスボウルは、52-17で社会人王者の富士通が勝利した。厳しい試合結果の一方で、学生王者の関学を支えたストーリーを耳にした。それは、選手入場時に使われる、部旗にまつわるものだ。

関学は、甲子園ボウル以降のボウルゲームで、毎試合違う部員が選手入場の騎手を務める。選手だけではなく、主務も含めた幹部の誰かが持つことになっているという。甲子園ボウルでは副将の横澤良太が、ライスボウルでは、主務の安西雄平が旗手を務めた。

s2018年シーズンの最終戦かつ集大成となるライスボウルで、関学大の旗手を務めた、主務安西雄平(撮影:北川直樹)

旗手の人選にチームとしての決まりはないそうだが、主将の光藤航哉がシーズンを通して掲げてきた目標、「全員で勝つ」を体現するために、ライスボウルでは試合に出ることのない主務の安西が旗手を務めることになった。

主務の安西が旗手を務めることは、その場で決まったという(撮影:北川直樹)

現在関学には、選手・スタッフを含めた全部員の保護者が加入する後援会がある。活動は日々の練習や試合のサポートをはじめ、合宿の差し入れなど多岐にわたるが、その中に折り鶴の作成を取り仕切る係がある。折り鶴は保護者間で手分けして折られ、千羽鶴となる。

折り鶴の数は、縁起が良いとされる、ゾロ目の1,111羽。チームカラーの青・黄・白に色分けされた折り鶴には、選手の安全祈願と日本一、そして次の代も1月3日にシーズンを終えられるようにという願いが込められている。集まった折り鶴は、神社での祈祷を受けてから、部に届けられるという。

ライスボウルの1月3日、たくさんの思いをのせた千羽鶴は、部旗の先端に括られた。選手とスタッフ、そして保護者の気持ちが一丸となり、社会人王者に果敢に挑むファイターズを後押しした。

思いのこもった部旗の下、一致団結したファイターズに、学生王者の真髄を垣間見た。

【写真・文/北川直樹】

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