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2021-07-16

【ボクシング】「アーティスティックに倒す!」(佐々木)「チャンスがあれば仕留める」(湯場) 注目の日本ユース戦、明日ゴング!

佐々木(左)と湯場。いずれも日本重量級期待のホープだ

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 好カード連発の“きっかけ”をつくったといっても過言ではない、注目の日本ユース・スーパーライト級タイトルマッチ8回戦が、明日17日、東京都・八王子市富士森体育館で行われる。その計量が16日にあり、チャンピオン佐々木尽(19歳=八王子中屋)がリミット100gアンダーの63.4kg。日本ユース・ライト級王者・湯場海樹(22歳=ワタナベ)が63.3kgでともにクリア。その後のZoom会見で、両者ともその瞬間をいまかいまかと待ちわびている様子だった。

文_本間 暁 写真提供_八王子中屋ボクシングジム

 5月下旬開催予定が、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令により、会場側(墨田区総合体育館)が使用を認めず延期となったこのカード。今回もまた、緊急事態宣言下だが、早くに会場が使用を許可し、選手、関係者、ファンもホッと胸を撫で下ろしたもの。

 この2ヵ月で、武器であるパワーファイトだけでなく、「誘って当てるとかの駆け引き、技術にも磨きをかけた」という佐々木は、終始笑顔を浮かべながら、「アーティスティックなKO勝ちをしたい」と嬉しそうに語った。

「試合前からアドレナリンが出すぎて、本能を抑えるのに苦労するタイプ」と、自身、そして陣営も苦笑いを浮かべる根っからの“戦闘家”。これまでは野性味あふれる感覚を生かして相手を倒しまくってきたが、さらに上を行くには、当然プラスアルファが必要となる。ジムワークでは、華麗なアウトボクシングも披露するなど準備は着々と進んでおり、「今回も、強引にパワーで倒すことは考えていない」と自覚している。

 SNSで「佐々木くんと戦いたい」と発言し、それが“きっかけ”となった湯場もやはり微笑み続けた。2ヵ月の延期にもまったく動じず、「いい準備ができました。明日爆発するために、最後は体を休めることができた」と、にこやかにゴングの瞬間を思い浮かべた。

 昨年3月のタイ修業中に、新型コロナウイルスが一気に蔓延し、帰国がかなわず。思考を転換し、そのまま当地で鍛えに鍛えまくった。ボクシングだけでなく、精神的にもずいぶんと太くたくましくなった。だから、パンチも勢いもあって、誰もが対戦を避けたがる佐々木を、敢えて指名した。「そういうギリギリの戦いに飢えてますから」と、湯場は以前、当然のように語り、「どんな展開でも勝ちたい。1ポイント差でも」と勝利への執念を示した。そしてこの日は「もちろん、チャンスがあれば一気に仕留めたい」とも付け加えた。

ラスベガスデビューもすでに飾っている平岡。明日は会場に出向き、勝者とリングで対峙する予定 写真_本間 暁
ラスベガスデビューもすでに飾っている平岡。明日は会場に出向き、勝者とリングで対峙する予定 写真_本間 暁

 試合延期期間に、事態は急展開した。この試合の勝者は今秋、IBF8位で日本1位の平岡アンディ(23歳=大橋)と日本スーパーライト級王座決定戦に臨むことが発表された。井上尚弥同様、トップランク・プロモーションと契約する無敗(17勝12KO)のサウスポーも、対戦を避ける選手が数多。しかし、佐々木、湯場ともに、この条件を心の底から純粋に喜ぶ。

 だが、「明日、勝つことしか考えていない」(佐々木)、「明日勝たないと始まらないので、明日に全集中」(湯場)と、眼前の敵に血をたぎらせている。

 ダイナミックな佐々木の左フックか、シャープなサウスポー、湯場の左ストレートか。
 試合の模様は前座開始(午後3時)からYouTubeチャンネル『AーSIGN.BOXING』でライブ配信される。

佐々木:10戦10勝(9KO)
湯場:9戦7勝(5KO)2分

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