米プロフットボール・NFLは、現地9月9日夜(日本時間10日午前)、タンパベイ・バッカニアーズ対ダラス・カウボーイズの1戦で2021年シーズンの幕を開ける。今季のNFLは、7人の新ヘッドコーチ(HC)が誕生した。インテリム(シーズン中の後継職)HC経験を除けば、7人全員がNFLでのHC職は初めてとなる。とはいえ、カレッジの大物マイヤー(ジャガーズ)や、コーチ歴40年を超すカリー(テキサンズ)のような経験豊富なコーチも多い。7人のプロフィールを簡単に紹介する。
OCとして実績、昨年はリバースとオフェンス構築◆フィラデルフィア・イーグルス◆ニック・シリアニHC 1981年6月15日生
マウントユニオン大を卒業して直ぐに母校のDBコーチに就任。インディアナ大を経て、チーフスのコーチとなった。チャージャーズを経て2018年から3シーズンコルツのオフェンスコーディネーターに。昨年はチャージャーズ時代に一緒だったQBリバースと共にオフェンスを構築した。兄マイケルはディビジョン3の大学でHCとして通算156勝を挙げている。
TEとしてプレー、ドルフィンズでインテリム経験も◆デトロイト・ライオンズ◆ダン・キャンベルHC 1976年4月13日生
大学はテキサスA&M。1999年ドラフトでニューヨーク・ジャイアンツに指名され、カウボーイズなど4チームでTEとしてプレーした。2010年からコーチとなりドルフィンズ、セインツを経て今回ライオンズのHCとなった。ドルフィンズ時代の2015年には、ジョー・フィルビンHC解任の後を受け、インテリムHCとして、12ゲームを指揮した(5勝7敗)経験を持つ。
タイタンズで強力オフェンスを構築◆アトランタ・ファルコンズ◆アーサー・スミスHC 1982年5月27日生
ノースカロライナ州立大でOLをプレー。QBフィリップ・リバースとは2年間一緒だった。卒業後、コーチの道を志し、レッドスキンズ、ミシシッピ大を経て2011年にタイタンズのコーチとなった。過去2シーズンはオフェンスコーディネーター。RBデリック・ヘンリー、QBライアン・タネヒルを中心に、昨年はNFLで得点4位、獲得距離2位のオフェンスを組み立てた。
NFL史上最初のムスリムのHC◆ニューヨーク・ジェッツ◆ロバート・サラーHC 1979年1月31日生
デイビジョン2のノーザンミシガン大ではTEとしてプレーした。卒業後コーチの道へ進み、3つのカレッジチームを経て2005年にテキサンズのインターンに。その後シーホークス、ジャガーズを経て49ナーズのディフェンスコーディネーターを3シーズン務めた。2019年には、喪失距離2位、パスディフェンス1位で、スーパーボウルにも出場した。今回の就任で、NFL史上最初のムスリムのHCとなった。
カレッジの超大物、満を持してNFLに挑戦◆ジャクソンビル・ジャガース◆アーバン・マイヤーHC 1964年7月10日生
シンシナティ大を出た後、直ぐにコーチ業に携わり、複数の大学で修業を重ねた。パス中心のスプレッドオフェンスにQBやRBのランをアレンジしたスプレッドオプションの元祖として、アレックス・スミスやティム・ティーボウを育て上げた。フロリダ大、オハイオ州立大で3回全米王者となった大物。NFLのコーチ経験は皆無で、満を持して今回の挑戦となった。
コーチ歴42年、65歳にして人生で初のHC◆ヒューストン・テキサンズ◆デビッド・カリーHC 1955年9月17日生
南部の名門、バンダービルト大で大学史上最初の黒人QBとしてプレーした。卒業後の1978年からコーチ業に入り、43年間で42シーズン、カレッジ7チーム(15シーズン)、NFL6チーム(27シーズン)でサイドラインに立ち続けてきた。過去2シーズンはレイブンズでアシスタントHC兼パッシングゲームコーディネーター。65歳にして、人生で初のHC就任となった。
ラムズでNFL1位のディフェンスを構築◆ロサンゼルス・チャージャーズ◆ブランドン・ステーリーHC 1982年12月10日生
デイトン大、マーシーハースト大を出た後、ノーザンイリノイ大でコーチの道へ。11年間カレッジフットボールで経験を積んだ後に、2017年からNFLのコーチとなった。昨シーズンは、ラムズのディフェンスコーディネーターとして、失点と喪失ヤードでリーグ1位のディフェンスを構築した。コーチ業を始めた頃にホジキンリンパ腫を患い、10年間闘病した。