12月2日、アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」出場をかけた関西学院大学対立命館大学の決戦は、劇的な幕切れで、関学大が勝利した。3年連続の最多52回目の甲子園出場を決めた関学大。3番手QBながらチームをけん引する主将・光藤と、4年を支える自覚を持った3年生WR・阿部の存在が大きかった。
立命大が、RB#7藤岡のタッチダウンランで先制 (キックは失敗で6点)、序盤で勢いをつかんだ。関学大は、第4ダウンパントの隊形からスペシャルプレーを繰り出しゴール前へ迫ったが、フィールドゴールにとどまった。
関学大は第2クオーター(Q)中盤、QB#3奥野耕世がTDを狙ったパスをインターセプトされ、その後もFGトライを失敗。さらに、インターセプトからTDを奪われるなど、ミスがスコアに響き、前半は3-13とリードを許した。
第3Q、FGでリードを広げた立命大に対し、関学大は主将のQB#10光藤航哉がWR#81阿部にTDパスを通し6点差に詰め寄った。しかし、再び奥野がパスをインターセプトされ、FGを決められて10-19と差を広げられた。
第4Q、関学大は8分にRB#26中村がTD、次の攻撃でも奥野がパスを成功させてFG圏内に攻め込み、残り2秒からK#8安藤が24ヤードのFGを成功させて20-19と劇的な逆転勝利となった。
11月18日のリーグ最終戦で活躍したエースRB#34山口、QB#18西野が試合途中で負傷退場。前節で大活躍した奥野も、立命大守備の厳しいプレッシャーに会い、インターセプト3本を奪われた。厳しい状況で、モメンタムを引き戻したのは、主将の光藤だった。
今季、光藤のQBの序列は3番手で、出場機会は少ない。しかし、冷静に「自分が出たときに、全力でペースをつかむ」つもりでいた。WR阿部へTDパスを決め、ランでも好ゲイン、劣勢をひっくり返す大きな力となった。
OLやWRは1本目のQBとの練習が優先される。QBとしての練習は決して十分ではなかったが、それでも光藤は「ビフォアとアフターの練習でしっかりと合わせてきた。不安はなく自信を持ってプレーできた」という。
11月18日のリーグ戦では24点差での勝利。しかし「この2週間、2TD差から逆転することを意識した練習を積んできた」という。結果としてチームは、浮き足立つことなく、冷静に戦うことができたと振り返った。
鳥内監督は「遠投能力が弱いからこういう(3番手という)ことになっているが、あいつはQBとしては、前からできている」と、光藤を評価する。甲子園ボウルに向け「やっと(主将として)光藤が訴えてきたことを、周りの4回生が素直に聞くようになった」と、光藤のもとに結束することを期待している。
関学大WR#81阿部拓朗は、リーグ最終戦につづき、この日も第3QのTDパス、第4Q終盤の24ヤードパスと、重要な局面で勝利に大きく貢献するレシーブを見せた。
WRでは、1年次から絶対的な存在として関学のパス攻撃を支えてきた#85松井理己が最終学年、今季は負傷の影響で十分なプレーができていない。4年の#83小田と阿部が中心となり、「WRで勝つ」ことをユニットの目標に掲げてやってきた。
序盤からインターセプトを喫し、厳しい状況に立たされた2年生奥野が「いつもとちがう表情だった」ため、平常心を持ってのびのびとプレーできるよう、「俺が絶対捕るから、お前はいつも通り落ち着いてやれ」と試合中に声をかけた。「4回生が傷んだときにリーダシップを取らなければならないのは3回生。TEの勝部、RB渡邊、OL村田、松永らとともに、ずっとそれは意識しながらやってきた」という阿部。この日の厳しいシチュエーションでも、気負うことなく楽しみながらプレーできたという。
「プレーの機会が限られている光藤さんが苦しんでやってきたのを近くで見てきた。なんとしても勝って、日本一の主将にしたい」と、甲子園ボウルでの活躍を誓った。
【写真・文/北川直樹】
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