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2021-10-26

【NFL】今季最も地味?なマンデーナイト セインツがディフェンスで勝ち切る 

◇セインツ13-10シーホークス◆ シーホークスの最後の攻撃を止めて盛り上がる、LBデービスらセインツのディフェンス陣=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは現地10月25日(日本時間26日)に、ワシントン州シアトルで第7週のマンデーナイトゲーム、シアトル・シーホークス対ニューオーリンズ・セインツの一戦があり、セインツがロースコアの競り合いを制してシーホークスを破り4勝2敗とした。シーホークスは2勝5敗となった。(写真はすべて Getty Images )

ニューオーリンズ・セインツ○13-10●シアトル・シーホークス
(2021年10月25日、ルーメン・フィールド)

【得点経過】
シーホークス 第1Q 残り10:08 WR D.K.メトカーフ84ヤードTDパス←QBジーノ・スミス (キック成功) 
2プレー84ヤード、0:51 [0-7]

セインツ 第2Q 残り4:23 Kブライアン・ジョンソン21ヤードFG
19プレー86,10:16 [3-7]

セインツ 第2Q 残り0:40 RBアルビン・カマラ 13ヤードTDパス←QBジェイミース・ウィンストン(キック成功) 
 7プレー85ヤード、1:46 [10-7]

シーホークス 第3Q 残り0:14 Kジェイソン・マイヤーズ50ヤードFG
4プレー0ヤード、1:20 [10-10]

セインツ 第4Q 残り1:56 Kジョンソン 33ヤードFG
13プレー42ヤード、4:48 [13-10]

◇セインツ13-10シーホークス◆=photo by Getty Images

攻撃のカマラ、守備のデービスがヒーロー

 先週のタイタンズ対ビルズ戦に代表されるように、今季は、ここまで派手な点の取り合いが多かったマンデーナイトゲーム。対戦チームの合計56点が1試合平均の得点だった。この日はそれが一転し、両チーム合わせても半分に満たない23点という地味な試合となった。

 気温は試合開始時13度。後半は雨が降り続く、シアトルらしい天候の中、両チームのディフェンスが仕事をし続けた。そして、セインツのディフェンスがシーホークスを上回った。セインツは、QBジーノ・スミスに5サックを浴びせ、シーホークスの3rdダウンコンバージョンを3/12、トータルオフェンスを225ヤードに抑えた。

 ここまでの月曜の夜のような、鮮烈なビッグプレー、ドラマチックな展開は、ほとんどなかった。しかし、フットボールとはこういうスポーツ。チームがプレーオフに出られるかどうか、シーズンが成功するかどうかは、ミスを減らし、我慢をしながら、こういう試合を勝ち切れるかどうかにかかっている。

 セインツのヒーローを2人挙げるとすれば、ディフェンスはLBデマリオ・デービス、オフェンスはRBアルビン・カマラだ。

◇セインツ13-10シーホークス◆=photo by Getty Images

 デービスは2サック、10タックル、4タックルフォーロス、1パスディフェンス。ラン・パスを問わずフィールドを走り回り、シーホークスのオフェンスプレーに絡んだ。

 3点を追うシーホークスの最後のオフェンスで、特に働きが光った。2ndダウンでセインツはSマルコム・ジェンキンスの外からのブリッツでQBスミスをサック。シーホークスは8ヤード下がった。3rdダウン18ヤード、デービスが左外からラッシュしてスミスをサック。さらに10ヤードロスさせた。

 4thダウン28ヤード。スミスが半ば破れかぶれで投げたパスを、デービスがしっかりクリアした。もう少しでインターセプトというプレーだった。

 RBカマラは、いつものように、パスレシーブが光った。ラン20回で51ヤード、そしてパスレシーブでは10回128ヤードを稼いだ。QBウィンストンのターゲットになったのが11回。捕球率90%を超えた。前半残り40秒では、TDパスレシーブも決めた。

 カマラはセインツのオフェンス全68プレーの44%に関わり、トータルヤードの59%を獲得した。安定感を欠く場面があったQBウィンストンを助け、オフェンスのジョーカーとして最後まで存在感を示した。
◇セインツ13-10シーホークス◆=photo by Getty Images

ディフェンスが痛い反則を連発

 QBラッセル・ウィルソンを欠くシーホークス。代役のQBスミスは、試合開始早々に、WRメトカーフに84ヤードのロングパスを決めてTDを奪ったが、見せ場はそれだけだった。
 
 頑張っていたディフェンスも、セインツが決勝のフィールドゴール(FG)を決めたドライブでは、3回の反則を犯し合計30ヤードをプレゼントしてしまった。特に、セインツがいったんFGを狙った4thダウン5ヤードの場面でのエンクローチメントが痛かった。セインツはファーストダウンを獲得し、さらに9ヤード前進して再度FGを狙い、成功させた。

 セインツのKジョンソンは、バージニア工科大出身のルーキーで、この日がNFLデビュー戦という22歳。そうでなくとも、プレッシャーのかかる決勝FGが、42ヤードから33ヤードになった。その差は大きかった。

 シーホークスは、2011年以来の3連敗で、2勝5敗。本拠地で0勝3敗は1992年以来の悪いスタートとなった。同地区に、7連勝のカーディナルス、6勝1敗のラムズがいるため、これ以上は負けられない。
◇セインツ13-10シーホークス◆=photo by Getty Images
 スーパーボウル初優勝という大きな業績を持ち、直近の9シーズンで8回プレーオフ出場の名将ピート・キャロルだが、この9月に70歳となり、NFLの現役最年長ヘッドコーチとなった。実績から考えて、直ぐに進退問題が浮上する可能性は小さいが、今後を注視する必要がありそうだ。

◇セインツ13-10シーホークス◆=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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