close

2021-11-27

【ボクシング】帰ってきた阿部麗也「3度目の正直」で王座奪取を宣言

阿部(左)の左ストレートが渡部を直撃

全ての画像を見る
27 日、東京・後楽園ホールで行われた日本フェザー級最強挑戦者決定戦8回戦は、同級2位の阿部麗也(28歳=KG大和)が1位の渡部大介(30歳=ワタナベ)に3回終了TKO勝ち。来春のチャンピオンカーニバルで王者・丸田陽七太(24歳=森岡)に挑戦する権利を得た。

 3回、互いに間合いをはかる中で、自然に伸びた左ストレート。サウスポーの阿部が「最近、感覚が戻ってきた」と言うこの一発で、勝負は決まった。まともに直撃された渡部の右目が、たちまち腫れ上がる。「焦らず行こう」と阿部が追撃を急がず、どうにかこのラウンドを持ちこたえた渡部だが、インターバルでセコンドが棄権を申し出て、試合は終わった。

 3年前に判定負けした阿部にリベンジを誓う「はじめの一歩トーナメント」優勝者の渡部と、3度目の日本タイトル挑戦に狙いを定める阿部。実力者同士の一番は、渡部が大きな右で飛び込み、阿部がかわす展開で始まった。阿部は「どこかでタイミングが合えば」と心に秘めていた左を2回まで封印。身上の小刻みな上体の動きと幻惑的なステップを駆使して、まずは渡部の攻撃を見極めることに集中した。

 倒せはしなかったが、会心のパンチによる勝利に阿部はご機嫌。試合後は初防衛に成功した丸田とリング上で対面し、「目の前で見て確信した。次は阿部さんがチャンピオンになります」と高らかに宣言した。自らを「天才」と称し、王座奪取を有力視されながらも2019年、2度のタイトル挑戦に失敗。失意を乗り越え、最前線に帰ってきた男は「3度目の正直ですよ」と誓った。

文/藤木邦昭 写真/菊田義久

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事