社会人アメリカンフットボール・Xリーグのワイルドカード(WC)プレーオフ、オール三菱ライオンズとアサヒビールシルバースターの一戦はオール三菱がアサヒビールを破って、ジャパンXボウル(JXB)トーナメント準決勝に進出した。先制したオール三菱が、試合を通じて主導権を握り、危なげなく勝ち切った。
1年前、同じWCの舞台で対戦して以来となった両チームの試合は、スコア以上に、現在の力量差を感じる結果となった。
オール三菱はファーストドライブから、連続でファーストダウンを更新、QB谷口翔真のパスでタッチダウン(TD)を奪った。8プレー80ヤードのドライブだった。次のオフェンスシリーズでも11プレー52ヤードを前進、開始位置が自陣深くだったのでパントで終わったが、オール三菱サイドラインは十分な手ごたえを感じていたに違いない。
アサヒビールは、第2クオーター(Q)にRBジョナ・ホッジスの61ヤードビッグゲインなどで攻め込んで2本のFGを返し、6-7と詰め寄って後半へ折り返した。しかし、結果的にはこの2回のチャンスでTDを取り切れなかったのが響くことになった。
オール三菱のオフェンスで始まった第3Q、QB谷口が、左のアウトサイドから中に切れ込んで59ヤードのロングゲイン、アサヒビールゴール直前まで攻め込む。ここでオール三菱はQBをランが得意な田中蔵馬にスイッチ。田中のランTDでリードを広げた。
勝負を分けたのはオール三菱の次のドライブだった。一度はパントに追い込まれながら、アサヒビールがパントの着地点で不用意に触りフリーボールにしてしまう。リカバーしたオール三菱が、アサヒビールゴール前16ヤードから再びオフェンスとなった。
アサヒビールディフェンス陣は必死の守りで、かろうじてFGに留めた。ゴール前の攻防は、オール三菱7回のプレーで7ヤードゲイン。しかし、時間を4分27秒も使っていた。
第4Q残り4分余りで、アサヒビールはオール三菱K谷澤隼人のFGをブロックして、最後の望みをオフェンスに託した。しかし残り1分49秒エンドゾーンまで23ヤードでフォースダウンギャンブルに失敗し、万事休した。
試合を通じて、オール三菱は、攻守ともにライン戦でアサヒビールを凌駕しており、それがそのまま展開に現れた。
特にオフェンスはインサイドのゾーンブロックが強力で、QB谷口、RB小形亮介の両エースに加え、RB北条淳士が活躍。オール三菱はオフェンス55プレー中47回でランを選択、10人のランナーで227ヤードを記録した。
オール三菱はディフェンスでも、アサヒビールRBホッジスのランを第2クオーターの61ヤード以外、ロスタックル3回、ゲインなし3回と「準完封」。成功率68%を超えたアサヒビールQB安藤和馬のパスも、要所では抑え込んだ。
ホッジスのランを封じられたアサヒビールは他にオフェンスの決め手がなく、レッドゾーン(ゴールまで20ヤード以内)に攻め込んだのは第2クオーターの2回にとどまった。
オール三菱は、この2年間でアサヒビールと4回戦って3勝。1年前は、同じカードで勝利に感情を爆発させた選手たちだが、この日は控えめな喜びに終始した。自分たちのフットボールを信じて、プレーを遂行できたことを物語っていた。
次戦のJXBトーナメント準決勝(11月10日)の相手は、富士通フロンティアーズ。中5日でやってくる最強王者との戦いに、若き獅子たちの眼は向けられていた。
・試合を通じてランが出続けた。
・QBで斎藤(圭)が出場しなかったが
・リードした展開だったので、パサーの斎藤を出さなかったのか
・チーム内で競争が活発化してきたということか
・RBでは北条が良かった
・ディフェンスは
・シルバースターとは、去年は3回やって2勝。今年も勝利で一つ乗り越えた感があるか
・来シーズンから、X1スーパーでやることも決まった。
・チームを変えるため、一番苦労したのは何か
・レギュラーシーズン第4節の東京ガス戦で手痛い逆転負けを喫したが、その後のチームは
・レギュラーシーズン第3節の富士通戦では、第4クオーターに3TDと良いオフェンスができた。
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