「レーシングドライバーの能力を一般の方に伝えて交通事故撲滅に貢献したい」“ミスターGT”脇阪寿一～リポビタン for Sports presents「The Deep」～

　2月20日（日）20:00～、スポーツライターの金子達仁氏がパーソナリティーを務めるニッポン放送のリポビタン for Sports presents「The Deep」の第14回放送で、レーシングドライバーの脇阪寿一が出演した。

2015年にスーパーGTを引退したが、現在もドライバー、監督業など精力的に活動している。

「基本的にはレーシングチーム、『スーパーGT』で監督、『TOYOTA GAZOO Racing（トヨタガズー・レーシング）』というモータースポーツ活動と、『GR』というトヨタのスポーツカーブランドのアンバサダーとして広報のような役割を担っています。現場で実際にレースを戦っていた僕が、一般の方に活動、車の楽しさ、素晴らしさを伝えています」

子供の車離れが言われていることの現状についてどう感じているのか。

「憧れる車もなかったことが大きいと思います。僕が子供の頃を思い浮かべると、車にはまず移動の自由がある。暑さや寒さをしのぐことができ、中で音楽を聴ける。親に文句を言われない空間でもあり、彼女と2人きりになれる。いろんな魅力があった。今の時代、子供たちの夢、希望を体感できる場所、コンテンツが増えてきて、そこで車に夢や希望を求めなくてもいい部分が出てきた」

車の魅力を伝えることが重要だという。

「車は100馬力だから、馬100頭分もある。人間の小さな体で、それほど凄いパワーのものをねじ伏せらせる喜びをうまく伝えられたら、子供の車に対する興味がどんどん湧いてくるはず。車が好きな子供たちは今もたくさんいます。そういう子供たちが胸を張って、『俺は車が好きなんだ！』と胸を張って言える世の中になれば、また子供たちが車に帰ってきてくれると思っています」

レーシングドライバーに求められる資質とは？

「何の競技でも一緒ですが、負けたくない気持ちが強いこと。夢を追いかける気持ちが大きいこと。そして一番大切かもしれないのが、トレーニングをしても体が大きくならないこと」

体が大きいことにどれほどデメリットがあるのか。

「僕より10kg軽い僕がいたら、僕の過去の成績すべてを上回れると思う。10kgの違いはかなり大きいです。10kgでコンマ1、２秒違いますから。コンマ2秒は瞬きするくらいの一瞬なんですけど、これを10周続けたら2秒変わります。2秒変わったら天と地ほどの違いです。レースは時間の尺度が皆さんに伝えづらい。0.5秒なんて一瞬ですけど、プロドライバーが同じ車に乗って1周2分くらいのコースで0.5秒違ったら、プロと失業者くらいの違いになります」


スタジオでレーシングカー、ドライバーの魅力を熱く語った脇阪寿一

トレーニングにも神経を使ってきた中で、リカバリーのためにどんなことを意識しているのか？

「たくさん寝ることと、自分の体を知ること。いい成績が出ないとメンタル的に不安になるので、どうしても自分の体を追い込みたくなる。しかし、追い込むことで効率が悪くなると、リカバリーがまったくしなくなる。何事もそうですが、己を知って、いかに効率的に自分を高めることを考えられるか。なかなか難しいことですが、自分はそれを意識して挑んできたつもりです」

2022年、これから叶えたい夢は？

「まずモータースポーツをメジャースポーツにしたい。我々レーシングドライバーの能力は車を安全に目的地に届ける能力です。レースではゴールまで車を安全に運べないと、リタイアとなり、それが続くとクビになる。車を安全に目的地に届ける能力を一般の方々にも伝えることによって、考え方、運転技術の両面において、一般の方の誰もが持つ交通事故に遭う可能性を引き下げ、交通事故撲滅に貢献したいです」

　このほかにもレーシングチーム、レーサーの体、子供がレーシングドライバーを目指す方法について脇阪が語った内容をさらに聞きたい方、今回の放送を逃した方は無料アプリ「radiko」でタイムフリー機能を使えば、放送1週間後まで聴取可能となる。

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リポビタン for Sports presents 「The Deep」
毎週日曜20時～絶賛放送中。
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