close

2022-04-29

【ボクシング】“ヘビー級の星”但馬が56秒TKOでデビュー

56秒の速攻劇で初陣を飾った但馬。次戦は8月14日に予定される

全ての画像を見る
アマチュア5冠の但馬ブランドン・ミツロ(27歳=3150)が29日、大阪市のメルパルク大阪でヘビー級8回戦を行い、韓国ヘビー級3位のキム・サンホ(38歳=韓国)に1回56秒TKO勝ちでプロ初陣を飾った。

 プロテストから2年、実戦となると2018年の国体以来、4年ぶりのリング。この間に計画されたデビュー戦は、コロナ禍やケガでことごとく流れてきた。ようやくベールを脱いだ「ヘビー級の星」は、1分足らずで試合を終わらせた。

 2日前に亀田興毅会長の手引きでアントニオ猪木さんのもとを訪れ、「闘魂をもらった」と但馬。この日は猪木さんの「1、2、3、ダーッ!」にちなんでウェートを123キロにしたというが、相手のキムとの体重差は、実に29キロ。プロ12戦のキャリアがあるキムだが、パワーの違いは明らかで、勝負にならなかった。サウスポー、キムのボディ連打を軽く受け流した但馬は、すぐさま猛攻に移ると豪快な左右のフックでロープに釘付け。キムが防戦一方になると、レフェリーがあっさり試合を止めた。

「ちょっと力んでしまった」と振り返った但馬だが、念願のデビュー戦を公約どおりの1ラウンド決着で終えて「幸せです」と笑顔。ベストの体重は102キロだと言い、本来の持ち味であるスピードや攻防技術は「次の試合で見てほしい」と話した。亀田会長は、但馬の第2戦を8月14日、エディオンアリーナ大阪第一競技場で予定。相手は外国人となりそうだが、日本王座決定戦として行う意向を示した。

 長年悩まされ、一時は歩くことさえできなかったという但馬の腰痛も、亀田会長らのサポートで8割方、快方に向かっているという。「ミツロはまだ体を作っている段階。長い目で見て育てたい」という亀田会長と「40歳までやろうと思っている」という但馬。「簡単じゃないことは分かっているが、自分ならできると信じている」。遥かなるヘビー級への挑戦は、いま始まったばかりだ。

宮崎亮は再起2連勝

低い姿勢から右で攻め込む宮崎(右)

低い姿勢から右で攻め込む宮崎(右)

 セミファイナルのフライ級8回戦では、元WBA世界ミニマム級チャンピオンの宮崎亮(33歳=3150)が、日本ミニマム級3位の榮拓海(28歳=折尾)に3ー0の判定勝ちで再起2連勝をマークした。

 昨年12月、5年ぶりの再起戦で快勝した宮崎。この日は日本ランカーの榮に無難な勝利を収めたが、内容には不満の表情を浮かべた。立ち上がりは斜め下から突き上げる左ジャブ、アッパー、右オーバーハンドと多彩なパンチを披露したが、次第にペースダウン。5回には左ボディから右をアゴに打ち込んでよろめかせたが、榮の力強い抵抗もあって、残りのラウンドは安全運転に徹した。判定は78対74が一人と77対75が二人だった。

 今回は減量の方法を変えたことが裏目に出て「足が動かなかった」と宮崎。8月14日に予定される次戦では「ほんまに仕上げます」と約束した。

文/藤木邦昭 写真/太田裕史

タグ:

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事