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2017-08-03

加瀬一美プロのドリル講座 vol.1

ボウリングとドリルとの出合い

 皆さまはじめして。JPBA43期生の加瀬一美と申します。今回からボウリング・マガジンWEBでドリルについてお話をさせていただきます。
 第1回目は、まず私の自己紹介からしたいと思います。
 ボウリングと出合ったのは20歳のときでした。知り合いを通じて、東京都大田区の大森とうきゅうボウル(現在は閉鎖)のレストランでアルバイトを始め、そこにコーヒーを飲みに来ていたドリラーの高橋功夫さんに勧められてマイボールをつくりました。
 センターではレディースボウリング教室が開催されていて、生徒さんたちはプリンスカップに向けて練習をしていました。
 私もその話を聞いて、プリンスカップに出てみたいと思い、高橋先生に弟子入りして練習を始めました。もともとバレーボールをやっていたので、スポーツにはある程度自信があったのですが、ボウリングは上手くいかない…。結局、プリンスカップ出場に至るまで3年もかかりました。そこでも、スカートで参加している女子選手のなかで、一人長ズボンで出場するなど、ボウリングの試合のことも何も分かっていませんでした。翌年以降、大会の注意事項で、スカート着用と書かれているのは、私のせいだと思います(笑)。
 3年もかかってようやく念願のプリンスカップ出場を果たしたわけですが、それからボウリングへの情熱は高まるばかりでした。プロ入りも先生から勧められ、これはやらなきゃいけないという感覚になったのです。もし、1年目で出場できていたら、それだけで喜んでやめてしまったかもしれません。
 やがて、大森とうきゅうボウルが閉鎖され、先生のプロショップは2000年に東京エースレーン(現在は閉鎖)に移りました。
 私も付いて行き、プラグなどの簡単なお手伝いでアルバイト代をもらっていました。プロボウラーを含む何名かの方が、先生のもとにドリルの修行に来られ、その方々もプロショップを離れて、私一人だけになってしまったころ、先生が「1から教えるからドリルをやりなさい」とおっしゃってくださいました。私は不器用だし、先生のドリルは非常に細かいから、果たしてできるのだろうかと不安でしたが、これはチャンスだと思い、チャレンジしてみることにしました。
 やはり、最初はうまくいきませんでした。ボールに線を真っすぐ引くことすらできないし、ボールの重さなどを量るバランサーでうまくボールを回せずに、左手にアザをつくったりもしました。
 そこで、見かねた先生が私のために「T型ゲージ」を開発してくれたのです。もしかしたら、皆さんがお世話になっているプロショップにも、このT型ゲージあるかもしれませんが、ボールに線を引くこの道具は、先生の発明品なのです。
 よくあるクォーターゲージは不安定で、ボールの形上、絶対に真っすぐには線が引けません。でも「T型ゲージ」はこんな私でもキレイに線が引くことができました。
 ほかにもバランサーに乗せたボールを回しやすくするための装置なども先生の発明品ですし、おかげでドリルの作業はかなりやりやすくなりました。
 捨てるボールを何個もドリルして練習し、先生の指導で知識とスキルは少しずつ上がっていったと思います。
 先生のドリルは、とても細かいとお話しましたが、私もその教えに従い、最も重要にしているのがメジャーです。
 次回は私のメジャーの測り方をご紹介したいと思います。

T型ゲージ

かせ・かずみ/1974年6月23日生まれ。東京都出身。2010年プロ入りの女子43期生。右投げ。チームスペースウォーズ・プロショップ所属

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