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大いなる希望を持って駆け上がったリング。限りなき夢がそこから始まるはずだった……。プロデビュー戦でいきなり挫折を味わったものの、そこから不屈の闘志で立ち上がり、ついには世界チャンピオンに登りつめた男。わが日本には、そんな“漢”が５人いる。発売中の『ボクシング・マガジン９月号』では彼らの生の声を掲載。その言葉から、立ち上がり、這い上がった尊さを感じたい。
上写真＝自らを「雑草」と称し、中国のスーパースター、ゾウ・シミン、五十嵐俊幸といった「オリンピック・エリート」を連破した木村 写真＿馬場高志
写真＿ＢＢＭ
引退から王座返り咲きを果たした星野（左）と、不屈の闘志が感動を呼んだセレス小林
星野敬太郎、セレス小林、佐藤洋太、河野公平、そして木村翔（花形）。大志を抱き、勇躍初めてのプロのリングに立った彼らは、しかしガックリと肩を落として去っていった。けれども数年後、彼らは日本の頂点に立ち、さらに世界の頂上へと君臨してみせたのだった。
独特の感性が人を惹きつけた佐藤（左）と、何度も踏みつけられながら飛躍した河野
「１敗の重み」。プロボクシングの世界では、たったの１ポイント差でも勝者と敗者の明暗が、残酷なまでにくっきりと表れる。大いなる前進と、奈落の底に突き落とされるような後退……。ましてや、しょっぱなからの転落は、精神的ダメージが深い。そのままボクシングを嫌いになってしまってもおかしくない。
唯一の現役選手、木村。ふたたび世界王座を手に入れるため、日々努力を重ねている
デビュー戦だけではない。どの地点においても、敗北を喫した者が、立ち上がる姿は美しい。たとえ結果が出なくとも、這いつくばったまま、戦いの場から逃げ出してしまう者よりも、それは崇高な行いである。たとえ、ボクシングを諦めたとしても、別のステージでの戦いはある。そこで勝負に臨むなら、それもまた尊し。
いきなりの挫折から栄冠を手にした男たちの声。それは、すべての人たちへのエールにも聞こえてくる。
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