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2022-11-01

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個人技にもチームプレーにも活かせる映像分析 アナライザーインタビュー②

栃木ゴールデンブレーブスでは「teamnote CAM」の導入によって、選手の練習への意識の変化が生まれている


試合に勝利するため、あるいはパフォーマンスを向上させるためのプレー分析は、競技・レベル・年代を問わずに行われている。その1つである映像を用いた分析は、現場でどのように活用されているのだろうか。その実態や展望について、エイジェック傘下の野球チームでアナライザーを務める木山琢登氏に聞いた。。

映像分析で、個人スキルもチームプレーも伸ばしていける

――現在チームでは、どのようなシーンで「teamnote CAM」を活用されることが多いのでしょうか。

木山 個人のスキル向上がメインです。男子チームでは主にピッチャーが使っています。あとは、自主練習の際にトスバッティングで使いたいという選手もいますね。女子チームは、ピッチングでも使用するのですが、今はバッティングで用いることが多いでしょうか。



木山琢登  きやま・たくと/筑波大学大学院野球コーチング論研究室を修了し、2022年4月に株式会社エイジェックスポーツマネジメント入社。事業運営部スクールアカデ ミーチーム アナライザー。エイジェック傘下の男子・ 女子硬式野球部、およびBCリーグ・栃木ゴールデ ンブレーブスの 3 チームで、映像を活用した情報収 集やデータ提供のサポートを行う。 


――映像分析による選手の変化は何か感じられますか。

木山 特に、「teamnote CAM」の遅延再生機能を用いて即時フィードバックすれば、嫌でも自分を客観的に見られますし、指導によってどのように変わったのかが、ひと目でわかります。そのため、最初は自分の体がどう動いているかという感覚がよくわからなかった選手も、「今のはよかったかもしれない」ということが少しずつわかるようになってきていると感じます。

――今後「teamnote CAM」を活用してみたいと考えているシーンはありますか。

木山 バントシフトや2塁への牽制プレー、あるいは複数人がタイミングを合わせなければならないセットプレーでしょうか。そういった状況下でのプレーのよし悪しをすぐに映像で確認できると、「今のプレーはショートがちょっと遅れたね」「こういうふうに動いたほうがよかったのではないか」という具合に、特にオフシーズンのプレーをつくり上げていく段階で、チーム力の向上に役立てることができるのではないかと考えています。

――その場合には視点、つまりカメラの設置場所も変わってきますか。

木山 「teamnote CAM」はカメラとタブレットを無線(Wi-Fi)で直接接続できるので、スタンドから全体が見渡せるようなアングルで撮影し、キャッチャーの後ろ辺りにモニターを設置して、プレーの切れ間に全員で確認するという使い方ができればと考えています。



▲1〜7秒間の遅延再生機能は任意で設定が可能。 感覚を忘れないうちに、その場でプレーを振り返ることができる 

鉄は熱いうちに打て!

――「teamnote CAM」は連携製品の活用で、異なる2つの角度からの映像を1つのモニター画面で並べて再生することも可能です。

木山 チームでは、即時フィードバックを目的として「teamnote CAM」を導入していることもあり、現状は動画を蓄積していません。ただ、多視点を同時に見てフィードバックしていくことも必要です。バッティングにしてもピッチングにしても、一方向からの映像だけではわからないことがあるので、ぜひ使ってみたいですね。

――やはり即時フィードバックできるのは大きいですか。

木山 現場では即時フィードバックできるのが一番です。私は、撮影した動画はその日のうちにフィードバックすると決めていて、できるだけ夕食後のタイミングで選手が映像を見られるようにするのですが、練習中の感覚は、映像を見る頃には抜けています。そこで、プレー直後の感覚が残った状態で振り返ることと、練習後のフィードバック映像とをセットにして選手に伝えることが、振り返りに重宝します。



「teamnote CAM」を使用した選手の声



◎赤木聡介選手(投手)



「投げたときに『ここが違う』という感覚が自分のなかに出てきたとき、その場で映像を確認することできると、『やっぱり。じゃあ次の1球はこうやって投げてみよう』と考えた上で次の投球ができるのがいいですね。1球1球しっかりと確認した上で投げたほうが、練習の効率もいいと思います。投げたときの感覚がよく、映像で見てもよいフォームで投げられていれば、その投球を続けていけばよいのですから。

学生時代は、とにかく投げ込んで体に染み込ませるという練習スタイルでした。しかしながら、それだとケガにつながりやすく、疲労も蓄積しやすい。今回は20球ほどしか投げていませんが、“投げたら確認して、また投げる”の繰り返しによって、球数を重ねずともよい練習になりました。

淡々と投げているだけでは意味がありません。やはり理想のイメージを実際のフォームに落とし込んでいくことが大切です。その点、映像があれば修正もしやすいですし、今後も継続して使用していきたいです」

◎齋藤鳳人選手(投手)



「自分は投球フォームで、前にツッコミやすい傾向があるので、試合に向けた練習の段階で、その感覚が残っているうちに自分で映像を見ながら確認できるのはとてもうれしいですね。

自分は映像を見たいタイプなので、見られるときにはたくさん見てしまうのですが、最近は、メインはあくまでも自分の感覚で、映像はそれが合っているかを確認するためのサポートツールという考え方に変わりました。というのも、その日にチェックするポイントは1つ、多くても2つに絞り、テーマをもって映像を見ないと、結果的に全体のフォームを崩してしまう危険性があると感じることがあるからです。

また、投げ込みは試合の体力をつくるために必要な練習ですが、フォームづくりやその日の練習テーマによっては肩の消耗もあるので、効果的に映像を活用していきたいですね。特に比較して再生できる機能は、今後積極的に使っていきたい機能です」

◎小倉由靖選手(外野手)



「今まで練習で動画を見たいときは、自分のスマホを誰かに渡して動画を撮ってもらい、それを1回1回確認するという方法をとっていました。もしくは、シーズン中に調子が悪くなってきたときも映像を見たいので、帰りの移動のバスの中で応援.TVの中継映像を見て、自分のフォームを確認していました。それが練習中に映像で確認できるとなると、不調からいち早く抜けるのにとても助かると思います。

自分は、力強く振ることを今の時期の1番のテーマにして練習しているのですが、それだとどうしてもフォームの崩れにつながりやすいので、自分が思い描いている動きができているのかを、この遅延再生の映像で確認したいですね。

 基本をコーチから学んだら、あとはそれを自分の感覚で練習していくようにしているので、その“感覚”と実際の“動き”を知ることができる映像の活用は、とても有効だと思います。今回、チームに導入されると聞いたので、練習で映像を積極的に活用していきたいです」


ルートインBCリーグに所属する栃木ゴールデンブレーブスでも、今季から「teamnote CAM」を導入。選手のプレー向上の一助を担う

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