前WBO世界フライ級チャンピオン木村翔(青木)は5月26日、中国・江西省撫州市でWBA世界ライトフライ級王者カルロス・カニサレス(ベネズエラ)に挑戦する。14日、都内のレストランで発表された。カニサレスは2度目の防衛戦、木村が勝てば1階級下げての2階級制覇となる。
田中恒成(畑中)に敗れ、王座を失ってから8ヵ月。木村がベルト奪回のチャンスをつかんだ。試合地は3月の再起戦に続いて中国で、今度は1階級下、ライトフライ級での挑戦だ。
WBA同級には京口紘人(ワタナベ)がスーパー王者に君臨するが、木村は「日本人対決にはあまり興味ないです」と言い「とにかくベルトを巻きたいから階級も団体も選ばずに決めました」とカニサレス戦決定の事情を説明した。
気になるウェイトについては「もともとライトフライでやっていたので不安はない。元の階級に戻すイメージです」と木村。フライ級では1週間で一気に落としていたが、今は食事面から見直し、栄養士のアドバイスを受けて、しっかり食べながら練習後には52キロ台まで落ちているという。
挑む王者カニサレスは、日本にもお馴染みの無敗の強豪だ。2016年に当時の王者・田口良一(ワタナベ)に挑みドロー。18年、小西伶弥(真正)との決定戦でダウンを奪い判定勝ちで王座に就いた。その後、中国のホープ、ルー・ビンに最終回TKO勝ちし、初防衛に成功している。
「すごいアグレッシブでパンチもあり、足も使える強いチャンピオン」と木村はカニサレスを評するが、「打ち合っても負ける気がしないし、足を使われても追い込める。どっちで来ても問題ない」と絶対の自信を見せる。
4月には恒例のタイ合宿を行い、猛暑の中、体の大きい相手とのスパーリングや4分15ラウンドのミットなどでスタミナ、メンタルを鍛え上げた。「俺の方が絶対に練習してる」という思いも自信につながっている。
「全力で倒しにいきます。そういう気持ちをチャンピオンのときは忘れかけていた。今、挑戦者の立場になって、ゾウ・シミン戦のときを思い出しています」
当日は中国の国営スポーツ局CCTVでの生中継も決定。人気の高いサッカー国内リーグやバドミントンの国際大会の中継時間をずらしたということからも、木村への関心の高さがうかがい知れる。我が道を行く、木村翔の新たな挑戦に注目したい。
取材◉藤木邦昭
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