3月30日、中国・上海で再起戦を行う前WBO世界フライ級チャンピオンの木村翔(青木)が14日、練習を公開。田中恒成(畑中)に敗れて以来、半年ぶりの試合に向け「新しい木村翔をお見せしたい」と意欲を見せた。
写真上=「これが新たなKOパンチ」と意味ありげなファイティングポーズを見せた木村
顔見せ程度の公開練習が多い中で、この日の木村は有吉将之会長のミットに10ラウンド、激しくパンチを打ち続けた。田中戦後は「2ヵ月くらい何もしなかったから、スタミナが大変だった」と明かしたが、「もう1回やると決めたからには、毎朝しっかり走って」回復に努め、調子を取り戻してきた。
今度の試合では、今までの自分の良さを残しつつ、新しい部分も取り入れることをテーマにしている。具体的にはディフェンスやフットワークなどに力を入れてきたという。攻撃に関してもパンチの角度や軌道を変え、スパーリングでも一発でダウンを奪ったことで「手応えを感じている」と自信を見せた。新たに「開眼」したパンチは2種類ある、とも。
「しっかり強く打てています。ブンブン振り回すようなことは最近なくなってきました。パンチはコンパクトになったと感じています」
相手は元ミニマム級世界ランカーのウィチャー・プライカオ(タイ)。映像はまだ見ていないという。「しっかり怪我なく勝てれば」としながらも「倒して勝ちたい」とKOを期している。その後に狙う世界戦の計画については「チャンスがあれば、団体や階級も問わない。ミニマム級でも」と有吉会長。田中と田口良一(ワタナベ)の一戦はテレビ解説を務めることも決まっており、「また僕も世界戦のリングに上がれるように」と刺激の材料にするつもりだ。ちなみに予想は「6:4で田中」とした。
アディダスのオーダーメイドグローブ(試用品)で練習を公開した
今度の試合から、アディダスの用具提供も決定した。形状や深さ、握り具合など木村自身の要望を取り入れたグローブをカスタマイズ。OPBFの承認を待って、試合でも使用する意向だ。すでにアミル・カーン(イギリス)ら世界トップクラスの選手も、オーダーメイドによるアディダスのグローブを使用中。日本でも木村を先駆けとして、プロから一般まで販売網を広げていく計画だ。
アディダスグローブの「広告塔」も担った木村は「新品でも握りやすさが違う。倒せそうなグローブです。痛そうでもありますけど(笑)」と、新たな「戦闘具」での試し斬りを楽しみにしている。
取材◎藤木邦昭
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