上写真=渡辺均会長(左)、梅津トレーナーと会見に臨んだ田口は、順調にきていることを強調した
16日(土)、岐阜メモリアルセンター で愛ドームでWBO世界フライ級チャンピオン田中恒成(23歳=畑中)に挑む同級4位で、元WBA&IBF世界ライトフライ級王者・田口良一(32歳=ワタナベ)が練習を公開。クラスを上げたことによる「ウェイトの下げ幅が少ないため、練習に集中できた」ことを力説。新たにコンビを組んだ梅津宏治トレーナーとの二人三脚での“田中攻略”を誓った。
声の小ささに心配してしまいそうになるが、田口はいつもこんな感じ。ライトフライ級(~48.9kg)からフライ級(~50.8kg)に階級を上げ、「普段の体重は変わらないけれど、減量する量が違う」と、嬉しそうに語る。現在は「リミットから2kgオーバー」といい、試合4日前で比較すれば、「ライトフライ級のときは4kgオーバー」だったそうだから、それは全然違う。
シャドーボクシングは、ゆったりと始めてじょじょにスピードを上げていくものだが、お世辞にも速いとは言い難い。だが、現役続行を決めてから組んだ元日本フェザー級王者の梅津トレーナーとのミット打ちになると、生き生きとし出した。
「自分は打ち合いしか考えていないので、打ち合う時間が多くなるんだろうと思う」と田口は言うが、梅津トレーナーが繰り出す左右フックをガード、あるいはウィービングでかわしてリターンを繰り返す。もちろん、ただの殴り合いを演じるつもりはない。
新たに組んだ梅津トレーナーとのコンビネーションも見ものだ
そのほかでは、プレスをかけて、梅津トレーナ―をロープへ押し込み、連打するパターンを繰り返していたのが印象的だった。「ジャブと踏み込みが良くなっていると感じるし、そこがカギになる。田中選手に足を使われても大丈夫」と自信をボソリ。チャンピオンをロープに釘づけにすることができれば、ペースは握れるだろう。
「今回、勝てば2階級制覇になりますが、それよりも田中恒成という強い選手に勝ちたい。キャリアの中で、モチベーションの高さは最大です」(田口)
本番でより力を発揮するのが田口の持ち味。梅津トレーナーも「本番に強い田口に期待したい」と話した
国内史上初、統一王座の防衛戦に敗れて昨年陥落した田口だが、「あのときは不甲斐なかった。でも、今回は強い田口をみなさんに見せたい」と自信ありげ。あと4日に迫った“運命の対決”を、首を長くして待っている様子だった。
文&写真_本間 暁
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