上写真=海外での貴重な勝利を挙げ、してやったりの表情のチーム岩佐
2月16日(現地時間)、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのマイクロソフトシアターで行われたIBF世界スーパーバンタム級次期挑戦者決定戦で、元王者で現3位の岩佐亮佑(セレス)が5位のセサール・フアレス(メキシコ)を10回終了負傷判定2-0(95対95、97対93、98対92)で破り、6ヵ月前まで自身が保持したタイトルを奪還するチャンスを手に入れた。
タフファイターとして鳴らすフアレスの猛烈アタックにどう対応するか、序盤こそ迷いがみえた岩佐だったが、中盤に入るころには「打ち合いに行くと」戦法を定めた。ぶんぶんと大きなパンチを振ってひたすら前に出るメキシカンにコーナーに押し込まれる場面はあるものの、ボディワークで避けながらこつこつと、前チャンピオンは細かくパンチを出してフアレスの力を削っていく。
7回、早い段階で切れていたフアレスの右目ぶたの傷が悪化し、ドクターチェックが入った。「流血で前がよく見えなくなった」というメキシカンに、岩佐は多彩な左をヒット。10回にワンツーで相手の血まみれの右目を叩き、終盤の打ち合いにも打ち勝った。するとこのラウンド終了後、フアレスの負傷に対し続行不可能の裁定が下される。偶然のバッティングによるもので、採点が集計され、岩佐の勝利がコールされた。
「相手のプレッシャーは思った以上で、頭も低く、ストレートが打ちにくかったけど、今日はここで(作戦の)修正ができたのがよかった。今日は肚が決まってたんで。打ち合おうと。自分の方がランキングは上位なのでもっと圧倒すべき試合ですが、とりあえず王座挑戦の権利は得たので。こんなに圧力が強い相手もほかにいないと思うんで、先につながる勝利です」
ちょうど半年前の2度目の防衛戦で、TJ・ドヘニー(アイルランド)にIBF王座を奪われた。攻め時を躊躇するままの戦いに悔いを残し、再起を決意。今回は「覚悟の感じられる試合をする」と、ロサンゼルスに乗り込んでいた。現王者ドヘニーはWBA正規チャンピオンのダニエル・ローマン(アメリカ)と統一戦を行うことが濃厚で、岩佐はその勝者に挑戦することになりそうだ。
岩佐は29戦26勝(16KO)3敗。フアレスは30戦23勝(17KO)7敗。
文&写真_宮田有理子
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