close

2018-12-14

【ボクシング】格の違い見せつけて── 吉野修一郎、3回戦慄の左フックで5連続KO V3!

上写真=初回は封印した右ストレートを、吉野(右)は2回から使いだす。すると一気に試合は動く。最後は強烈な左フックのカウンターで挑戦者をキャンバスに落下させた 写真_佐藤伸亮

13日、東京・後楽園ホールで行われた日本ライト級タイトルマッチ10回戦は、チャンピオンの吉野修一郎(27歳=三迫)が、挑戦者10位の小林和優(35歳=RK蒲田)を左ジャブ、右ストレートで圧倒。3回、追い込まれた小林が攻め入るところへ左フック一閃。倒れた小林を見て、レフェリーが即座にストップした。タイムは1分37秒。吉野は5連続KO勝利を飾るとともに、3度目の防衛に成功した。

吉野が鮮やかに左フックを打ち抜くと、小林は糸が切れた人形のように真下に落下し、そのまま大の字になった。戦慄のKO劇。「手応えありました」と、その終幕とはおよそ似合わない爽やかな笑顔で、吉野はワンパンチを振り返った。

 強すぎて対戦者が現れない。「小林選手側が、ようやく名乗り上げてくれた」と三迫貴志会長。
10勝6KO7敗1分の35歳はこれが初挑戦。チャレンジする勇気と、実際に試合中も逃げ回らずに右アッパーカット、左右フックで応戦するが、吉野はものの見事に両グローブでこれを止めていった。

 初回こそ左一本で間合いを測った吉野は、2回に入ると右を解禁し、この回終盤には右2発で小林をグラつかせた。そして3回、右フックでボディを叩き、左フックを顔面にヒットさせる対角攻撃で小林を驚かせ、冒頭の一撃へとつなげた。

 日本タイトルマッチ4試合を含め、これで5連続KO勝利。さらにデビュー以来の連勝を9(7KO)と伸ばした吉野。次戦はチャンピオンカーニバルで、1位のアクセル住吉(関門JAPAN)を迎える。

「自分では意識していませんが、ファンのみなさんがKOを望んでいるので、それに応えたい」と吉野はニッコリ。世界の頂点は、パウンド・フォー・パウンド(体重を同一と仮定して戦ったとき、誰がいちばん強いかを予想する)ナンバーワンと呼ばれ続けるWBAスーパー&WBO世界ライト級チャンピオン、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)だ。

「ラスボスですよね」と、ロマチェンコをゲームの最後に登場するボスにたとえておどけるが、山は険しく高いからこそ、登り甲斐がある。
「何はともあれ、吉野に必要なのは経験」と三迫会長。いまの日本王座を守りながら、徐々にステップアップさせていく考えを示した。

文_本間 暁

会心の勝利が続き、吉野も三迫会長も笑顔がはちきれんばかり 写真_佐藤伸亮

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事