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2026-02-21

【大阪マラソン】平林清澄「冬眠期間が明けて」3度目のマラソンでMGC出場権獲得を目標にする理由

平林清澄(ロジスティード)

明日2月22日(日)の9時15分にスタートする大阪マラソン。国学院大3年時に初マラソンで優勝を飾った平林清澄(ロジスティード)が、今回はMGC出場権を目標に2度目の大阪に臨む。招待選手記者会見で明かしたその理由とは?

マラソンにもう1回前向きな気持ちでチャレンジ

大阪マラソン2日前の招待選手記者会見で、平林清澄(ロジスティード)は3回目(※)のマラソンの目標を、「欲張らずにしっかりMGC出場権の獲得」と話した。MGC出場権は日本人6位以内なら2時間09分00秒以内で、7位以下でも2時間06分30秒以内で獲得できる。

大阪は国学院大3年年生だった2年前に、2時間06分18秒で優勝した大会。近年、マラソンで好走する学生選手は多いが、外国勢も抑えて優勝したのは平林くらい。それを考えるとやや控えめな目標設定の仕方だった。

その理由は後ほど説明するが、学生記録と初マラソン日本最高(ともに当時)をマークした24年2月の大阪、東京世界選手権代表入りを狙った25年2月の別府大分毎日マラソン。そして今回と、マラソンに臨む心境はどう異なるのだろうか。

「初マラソンのときはフレッシュな気持ちで、楽しむことが一番大きな目標でした。2回目はマラソンの苦しさもわかっていましたし、学生競技生活4年間の終わりで箱根駅伝に向けてやり切った部分もあり、メンタルを整えるのが難しい部分もあって、代表選考がかかっているなかで負けてしまいました。今回はそこも知った上でまた違うフレッシュな気持ちで、復活だったり、リベンジだったり、マラソンにもう1回前向きな気持ちでチャレンジするところが大きいと思います。メンタルとしては今、すごく良い感じで来ています」

レース展開に関しては2年前と同じように「30kmまでどれだけ余裕を持って走れるか。“気づいたら30km”くらいで行きたいですし、30km以降は冷静に、外国勢や他の日本選手を見ながら、前の方でレースを進められれば」と考えている。

(※)24年8月の北海道マラソン(70位・2時間41分19秒)は、競技として出場していないため平林はマラソン回数に数えていない

国学院大学生のスピード向上も平林のマラソンに

しかしロジスティードに入社した25年シーズンは、前半が思うように走れなかった。

「(今も平林を指導する国学院大の)前田康弘監督からは冬眠って言われました。1人暮らしになって生活環境が変わりましたし、前半シーズンで大きな目標も見つけられなかった」と平林。2月の終わりに左脚腸脛靱帯を痛めたことも影響した。

実業団初戦となった7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会10000mは、雨で気温も例年に比べ高く、28分25秒85でA組5位という結果。2戦目が11月3日の東日本実業団駅伝で、アンカーの7区を任されロジスティード初優勝のテープを切ったが、自身は区間4位と今ひとつだった。

しかし練習は、故障が癒えた後はしっかりと行ってきた。学生時代は「箱根駅伝の練習をマラソンにつなげること」を考えていたが、実業団入り後は「まずマラソン、というところを一番念頭に置いての練習」に変わった。「ジョグの距離だったり、年間を通してマラソンベースで距離を踏むことは意識してきました」。夏は国学院大の学生たちと合宿し、「今年も8月は1000kmをしっかり超えていた」と以前の取材で話していた。

さらに今季は「課題としていたスピード」(前田監督)に成長が見られた。東日本実業団駅伝も区間賞選手と13秒差で、決して悪くはなかったが、11月22日の八王子ロングディスタンス10000mでは27分37秒13と自己記録を大幅に更新した。そしてニューイヤー駅伝では、21.9kmの2区を1時間01分29秒(区間3位)で走破。ハーフマラソン換算59分14秒のスピードを見せた。

前田監督は練習の設定タイムが上がっていることを、スピード向上の一因に挙げる。

「国学院大の学生のレベルも上がっていて、後輩に負けられない、という感じでやってきたらスピードも上がって来た感じです。学生の練習の設定タイムも相当高いんですが、平林もそれと一緒に普通にやります。昔では考えられないくらいですが、彼の得意な持久的なところとミックスされれば面白いと思いますよ」

平林自身も「冬眠期間が明けて、今は良い感じ」と言う。かなり良い状態にあると見てよさそうだ。


大阪マラソン2日前の招待選手記者会見で

MGC出場権を目標とする理由

前田監督はMGC出場権獲得を目標とする理由を、「確実に2時間6分半を切ってMGCを取り、次のベルリン・マラソンでタイムを狙いたい」と話す。

2回目の別大マラソンでは32km付近から先頭を引っ張ったが、36km手前で後れてしまった。「別大のときみたいに勝ち急いで負けてしまったら意味がありません。(大阪も)タイムアタックをして後半失速することは避けたいので、目標はMGC出場権としています」

大学4年時は箱根駅伝も2区区間8位。「プレッシャーもあって体調が良くなかった」(前田監督)という。その状態でも箱根から2カ月弱の大阪ではなく、1カ月後の別大を選択した。前年の大阪で優勝していた平林は、着順を取ることで世界選手権代表入りの可能性が高い状況だったのだ。有力選手参加が大阪、東京ほど多くない別大で、代表入りを狙いに行った。

「無理やり1カ月後の別大に行かせてしまった僕のミスです。状態が悪いなかで上げたことが、後半失速につながりました。そこは申し訳なかった。今回は2年前と同じ流れの大阪に行って、流れを取り戻して海外レースでアタックすることがプランです」

成功と失敗、2回のマラソン経験を踏まえて、必要以上に力まないようなメンタルで臨もうとしている。持久的な練習は「日々の中でちょっとずつ」増えているし、スピードは練習でも試合でも上がっている。2年前と同じように、平林が大阪マラソンの主役を演じる可能性もありそうだ。

文・写真/寺田辰朗 写真/BBM

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