写真上=初の世界挑戦に意気込む井上岳志
写真◎ボクシング・マガジン
WBO世界スーパーウェルター級チャンピオンのハイメ・ムンギア(メキシコ)に同級3位の井上岳志(ワールドスポーツ)が挑むタイトルマッチ12回戦は1月26日、アメリカ・テキサス州ヒューストンで行われる。5日、所属ジムが発表した。
井上は4月、野中悠樹(井岡弘樹)とのIBF2位決定戦に勝って以来、1位ジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)との挑戦者決定戦に備えていたが、当初8月に予定された試合は相手側の都合でずるずると延期。この間にムンギア側からの話を受け、狙いをIBFからシフトした。長く待たされた井上だが、「この間に練習で得られたものも大きい」と前向きに捉えている。
ムンギアは31戦全勝(26KO)のパーフェクトレコードを誇る22歳。メキシコ中量級では“カネロ”アルバレスを継ぐスター候補と期待される強打のチャンピオンで、すでに3度の防衛に成功している。しかし、井上に臆する様子はない。「スーパーウェルター級となるとチャンピオンは化物ぞろいだし、世界タイトルマッチとはそういうものだと思っている」と覚悟を決めている。
身長も井上の173cmに対し、ムンギアは183cmと大きく上回るだけに、井上は接近戦に活路を見出している。「今までの(ムンギアの)相手は近づこうとしてアッパーをもらって倒されている。もっと近づいてインファイトに持ち込み、距離を潰して押し込んでいきたい」と、相手の長いリーチを逆に利用する考えだ。
自らのスタイルを「やってみないとわからないやりにくさがある」という井上。齊田竜也会長が「女郎蜘蛛」と呼ぶ、くっついて相手のスタミナを削り取っていくスタイルは、荒々しさも併せ持つムンギアを苦しめることができるか。
32歳までに世界チャンピオンになることを目標にしてきた井上が、3年早く迎えたビッグチャンス。「これが最後だと思って臨む」と決意を示し、「女郎蜘蛛みたいにまとわりついてやりますよ」と不敵に笑った。
取材◎藤木邦昭
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