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2018-05-20

IBM、2試合連続完封で準決勝へ ――パールボウルトーナメント

アメリカンフットボールの「Xリーグ」は、5月19日、富士通スタジアム川崎で、春季東日本社会人選手権「パールボウル」トーナメントの1次リーグ戦2試合を行った。第2試合のIBMビッグブルー―富士ゼロックスミネルヴァAFCは、IBMが富士ゼロックスに完勝した。IBMはCブロックで2勝として、準決勝(6月10日、富士通スタジアム川崎)に進出した。

【IBM vs 富士ゼロックス】第2クオーター7分、IBMのWR鈴木がQB政本からのパスをキャッチしてTD=撮影:Yosei Kozano

IBMビッグブルー○37―0●富士ゼロックスミネルヴァAFC

IBMが力の差を見せて、富士ゼロックスに快勝した。第2クオーター冒頭にQB政本悠紀が2ヤードを走って先制タッチダウン(TD)を奪うと、4分にTEジョン・スタントン、7分にはWR鈴木隆貴にTDパスを決め、突き放した。IBMはその後も佐藤敏基の41ヤードフィールドゴール(FG)などで着々と加点した。ディフェンスも好調で、富士ゼロックスのオフェンスをトータル65ヤード、ファーストダウン3回に抑え、2試合連続で完封勝利を挙げた。

【IBM vs 富士ゼロックス】第1クオーター、左へロールするIBMのQB政本。負傷をした昨年の反省もあり、ランは抑え気味にしているという=撮影:Yosei Kozano

◇QB政本、リーダーの自覚

今季、山田晋三体制から、ケビン・クラフト新HCに引き継がれたIBM。さクラフトがQBとオフェンスコーディネーターを兼ねる中で、負担軽減のためには、もう一人のエースQB政本の活躍が、欠かせない。この日はクラフトの出番はなく、フィールド内の指揮は政本に委ねられた。結果的には快勝だが、課題は見え隠れする。第1クオーターの2度のオフェンスシリーズでは、いずれもテンポよく攻めてエンドゾーンを目の前にしながら、FG失敗とフォースダウンギャンブル失敗に終わった。政本も「パスのボールが浮いていた。スタートダッシュを切れなかったのは反省」という。第2クオーターに自らのランTDで流れをつかむと、そこからスタントン、鈴木とTDパスを重ねた。

【IBM vs 富士ゼロックス】第2クオーター、パスを狙うIBMのQB政本。パス279ヤード3TDとオフェンスをリードした=撮影:Yosei Kozano

そうしたTDパス以上に光ったのが、前半最後のドライブだ。21点リード、残り28秒で回ってきた自陣12ヤードからのオフェンス。通常ならニールダウンで流すところだが、政本は果敢に攻めた。ルーキーのWR近江克仁に45ヤードのロングパスを決めた。強豪・立命館大で主将を務めた近江は直ぐにサイドラインを割って時間を残した。
政本は「タイミング的には、ファーストレシーバーに投げるチャンスを逸していたが、近江は身長もあって、DBと競り合った時のスキルが高い。高いボールを投げたら捕ってくれると思った」という。このロングパスが佐藤のFGにつながった。
IBMに入って3シーズン目。昨春も好調なパフォーマンスを見せていたが、秋のリーグでは開幕のオービック戦での負傷もあって、納得のいかないシーズンとなった。その反省もあって、負傷につながるようなランの回数は減らしていくという。師でもあるクラフトのクオーターバッキングを吸収し、パサーとして長足の進歩を遂げている政本。QBとして自らプレーコールすることも増えており、オフェンスリーダーとしての自覚も出てきた。
 来年に予定されているIFAF(国際アメリカンフットボール連盟)の世界選手権は「自分の中では、大きな目標、大きなチャンスだと思っている」。日本代表のQBの座も、虎視眈々と狙っている。【小座野容斉】

【IBM vs 富士ゼロックス】第2クオーター11分、IBMのQB政本からのロングパスをキャッチし、45ヤードのロングゲインとしたWR近江=撮影:Yosei Kozano

【IBM vs 富士ゼロックス】第2クオーター終了と同時に41ヤードのFGを決めたIBMのK佐藤=撮影:Yosei Kozano

【IBM vs 富士ゼロックス】第1クオーター、IBMのQB政本からのパスを受けたWR白根がファーストダウン=撮影:Yosei Kozano

【IBM vs 富士ゼロックス】IBMのDB高橋が外からブリッツをかけ、QBに迫る。ルーキーの高橋は登録上はWRだが187センチ87キロと大型で面白い存在=撮影:Yosei Kozano

【IBM vs 富士ゼロックス】試合後のハドルでクラフトHCの話を聞くIBMの選手たち=撮影:Yosei Kozano

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