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2023-08-01

プロレス界史上唯一の両国国技館7連戦! 1993年の新日本G1は藤波辰爾が優勝!!【週刊プロレス】

サソリ固めを決めた藤波辰爾

日本のプロレス史の第1ページは、力道山&木村政彦組vsシャープ兄弟(ベン&マイク)をメインに蔵前国技館3連戦が刻まれた(旗揚げシリーズではほかに蔵前2大会、旧大阪府立体育会館でビッグマッチが開催されている)。その後も国技館はビッグマッチの定番会場となり、数々の名勝負が生まれた。蔵前から両国に場所は移っても、プロレス界における国技館の位置づけは変わらず。ただ1万人クラスの大会場での連戦は日本プロレス以外、昭和の時代では新日本プロレスが1977年3月31日&4月1日、世代闘争の幕開けとなった1987年8月19&20日に2連戦を開催した程度。「G1クライマックス」初開催となった1990年の3連戦は大きな挑戦でもあった。そして第3回となる1993年は、70年近くに及ぶ日本マット史においても唯一となる両国国技館7連戦が企画された。

会場を両国国技館に絞って開催された1993年の第3回「G1クライマックス」。しかも1万人クラスの大会場で7連戦という前代未聞の企画だった。

外国人選手の参加はなく、新日本本隊、反選手会同盟(のちの平成維震軍)、WAR3軍対抗戦による最強決定トーナメントの趣。しかしWAR総大将である天龍源一郎はエントリーされず。天龍は前年のSWS解散後に新日本との対抗戦に打って出たが、この時点では越中詩郎、長州力(2度)、木村健悟、橋本真也とシングル対決をおこなったのみ。長州との再戦で白星を献上したものの、G1では高みの見物を決めているとの立ち位置だった。

公式戦が組まれたのは2日目から6日目までの5日間。初日はタッグマッチによる3軍対抗戦で、“前夜祭”的な印象。

年頭から天龍を執ように追いかけ、G1優勝の勲章を手に再戦をもくろんでいた橋本だが、1回戦で馳浩に完敗。翌日から欠場して、最終日に組まれていた天龍との一騎打ちに備えた。

ベスト4は新日本勢が独占。1回戦で橋本を破って勢いづいた馳が、2連覇を果たしていた蝶野正洋を秘策“裏STF”で下して決勝に進出。しかし決勝では、直前のシリーズでアキレス腱断裂の重傷を負って欠場した長州力にエールを送る形でサソリ固めを決めた藤波辰爾が優勝。最終日に橋本を返り討ちにした天龍とのシングル対決の切符を手にした。

一方、史上初の両国国技館7連戦とあってG1だけなく話題も豊富だった。前年3月、旗揚げ20周年企画で一夜限りで金本浩二がタイガーマスクに変身。その後もビッグマッチ限定で単発的に虎戦士に変身していたが、好評だったことからメキシコ遠征後に本格的に3代目として売り出すべく、シングル七番勝負が組まれた。

しかし初戦のエディ・ゲレロ戦はクリアしたものの、2戦目のワイルド・ペガサス戦で右肩鎖関節脱臼を悪化させ翌日から欠場。七番勝負の企画は大谷晋二郎が引き継ぎ、獣神サンダー・ライガー、ネグロ・カサス、エル・エンヘンドロ、エル・サムライ、エディ・ゲレロ相手に1勝4敗。結果以上に、ジュニアヘビー級選手として頭角を現すきっかけとなった。

またタッグ戦線では、前年11月、米ミネソタ州ミネアポリスで初合体して以降、無敗の快進撃を続けていたヘルレイザーズ(ホーク・ウォリアー&パワー・ウォリアー)相手の“ストップ・ザ・ヘルレイザーズ”が企画された。

初日から順に、キング・ハク&ザ・バーバリアン、ナスティ・ボーイズ(ブライアン・ノッブス&ジェリー・サッグス)、龍原砲(天龍&阿修羅・原)と大型タッグ屋を迎え撃ったが、4戦目にしてジュラシック・パワーズ(スコット・ノートン&ヘラクレス・ヘルアンデス)に敗れてIWGPタッグ王座から転落。その後2戦を欠場して、最終日にリターンマッチに臨んだが、反則暴走で王座返り咲きはならなかった。

3軍対抗トーナメント、ジュニア七番勝負、大型タッグ大戦争の3本立てで、連日1万人を超える大観衆を集めた「G1クライマックス」。そしてこの年から、「G1クライマックス・スペシャル」は、“真夏の最強決定戦”の結果を踏まえての追撃戦として開催されていった。

橋爪哲也

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週刊プロレスNo.2256 (2023年8月16日号/8月2日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

今週号の表紙は新日本「G1 CLIMAX」中盤の後楽園大会で実現したSANADA戦に敗れたとはいえIWGP王者に肉薄した清宮海斗です。G1は中盤4大会を全戦追跡。オカダvsオスプレイ、棚橋vs後藤、ヒクレオvs辻など注目リーグ戦中心にリポート。NOAHは「N-1 VICTORY」開幕直前ということで展望特集。GHC王者として臨むジェイク・リーほか、全日本の安齊勇馬、ドラゴンゲートの吉岡勇紀ら初出場選手をクローズアップ。試合は金沢大会リポートも掲載。第2回目自主興行の8・4新宿が目前に迫ってきたSareeeが同大会でタッグをカイリ・セインと対談。WWEつながりのある2人がドリームタッグを前に対談でなにを語ったのか!? 注目対談はもうひとつ。こちらも開催目前のGLEAT両国ビッグマッチの展望企画としてT-Hawk&エル・リンダマンのトークも必読です。DDTは両国大会で誕生した2人の新外国人王者にインタビュー。KO-D無差別級王者のクリス・ブルックス、DDTユニバーサル王者のマット・カルドナはチャンピオンとして今後DDTでどんな活躍を見せるのか!? またTAKESHITAとサウナカミーナが6人タッグで激突した後楽園大会も詳報。そのほかスターダム佐久&鴻巣、ドラゲー津島、ZERO1後楽園、東京女子・後楽園、アイスリボン・利府町、大日本・名古屋など掲載。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。約1週間でのお届けとなります。土日祝日の配送がありません。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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