毎週水曜発売（一部地域はことなります）の週刊プロレスの内容、見どころを発売1日前の火曜に紹介します。
※今週はお盆進行により通常より1日遅れの木曜発売です。 今週号の表紙は新日本プロレス「G1 CLIMAX」で6年ぶり3度目の優勝を果たした内藤哲也です。6年ぶりに夏の両国国技館でフィナーレをむかえたG1は終盤5大会を全戦追跡。ファイナルトーナメント中心に詳報するほか、巻末言では大張社長に大会総括も聞いています。また本誌発売翌日の18日(金)にはG1総決算号となる増刊号も出るのであわせてお楽しみください。
スターダムは「5★STAR GP」序盤の最中、大阪でビッグマッチを開催。ワールド、ストロング、IWGPのシングル王座は王者が防衛。タッグ王座のゴッデス王座のみ安納サオリ＆なつぽいの新王者が誕生。タイトルマッチ中心にリポートします。
NOAHもシングルリーグ戦「N-1 VICTORY」序盤の後楽園3連戦を追跡。拳王vs稲村、潮崎vs安齊など注目リーグ戦を中心に詳報。拳王の連載コラムでは「重大発表」も！
FREEDOMSは横浜でビッグマッチ開催。新日本から参戦のエル・デスペラードが葛西純とのタッグで壮絶なデスマッチに勝利するなど注目試合を詳報。また東京女子は後楽園2連戦で「東京プリンセスカップ」決勝トーナメントがおこなわれ山下実優が初優勝。
そのほか全日本・保土ヶ谷、DDT後楽園、ドラゲー福岡、大日本・保土ヶ谷、アイスリボン成増、マーベラス後楽園など掲載。お盆進行のため通常より1日遅い木曜発売（一部地域は発売日は異なります）。
新日本8・13両国～G1 CLIMAX優勝決定戦◎内藤哲也vsオカダ・カズチカ「一期一会の結晶」
内藤哲也の底力を見たのは、決勝戦前日の闘いだった。
ウィル・オスプレイとのトーナメント準決勝。レスラーとして最高潮を迎えている相手と対峙し、苦しい闘いになるのは明白。実際にエグく、厳しい攻めを畳みかけられ、何度もマットに倒れ込んだ。
詳しいリポートはP13からに譲るが、試合途中に一時的に意識を飛ばした場面もあったなか、内藤は起死回生の切り返し技を軸に対抗。リーグ戦を通して圧倒的な完成度、クオリティーを誇示してきたオスプレイとの対戦で、なにがもっとも“難敵”かと言えば、勝利の説得力を生み出すことだった。
はたして、内藤はオスプレイの猛攻を受け止めた上で、勝利に値する説得力を見せつけた。決着がついてなお、悲壮感が漂う姿。しかし、観客は心配すると同時に、“恐るべし”感想も抱いたはず。ここぞで内藤が発する求心力は、なんら衰えてはいなかった。
内藤は今リーグ戦、満身創痍の状態だった。G1を控えてのAEW、CMLLへの遠征。メキシコでは7日間で5試合というハードスケジュールで、毎試合のヒザのテーピングも自身でおこなっていた。しかし、日を追うごとにヒザの痛みが増し、帰国時には右ヒザは90度に曲がらず、大きく腫れ上がっていた。
G1開幕が近づいてもヒザの容態は変わらず、治療を重ねて迎えた開幕戦のときが、もっとも状態が悪かったという。重ねて、かつて欠場原因となった右目上斜筋麻痺による見えづらさは慢性的で、プロレスを辞めない限り良くなることはない。
すべてのプロレスラーが、リング上で身を賭している。ボロボロになることが美学ではないし、大きなケガを抱えることなくレスラー人生を全うできるなら、それに越したことはない。
内藤は考えたことがある。もしヒザを傷めず、目を負傷することもなくレスラー人生を歩んでいたら、どうなっていただろう？と。確かにそれは喜ばしいことかもしれないが、一方でいまの自分がいくつものケガを抱え、挫折と苦労の末に成り立っていることもわかっている。歩みのなかで手にしてきたものすべてが、欠かせないピースだった。
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