スポーツカード・マガジンの過去の名記事をアーカイブ化していくこのコーナー、
今回は始球式カードの軌跡を追ったこの記事を公開していきます。
ちょうど今年も2ndバージョンの発売のタイミングとあって、始球式カードが話題になる頃。
この人気カードがどのようにして生まれたか、
また過去にはどんなカードが登場していたのか、
この記事で振り返ってみたいと思います。
BBM2ndバージョンの名物サブセットとなっている始球式カードは、
いまやそれだけで一ジャンルと言っていいほどの人気を誇る。
2012年以来、ホロ加工を施したパラレル版が制作されてきたが、
2016年はなんと直筆サイン版が初登場!
しかも、あの紅白でおなじみの大物歌手・小林幸子さんまで含まれているということで、
8月の発売を前にコレクターからのアツイ視線が注がれている。
ここでは、その始球式カードの進化の軌跡を振り返りながら、
はやる気持ちを“そのとき”まで抑えていただきたい。
(スポーツカード・マガジン2016年9月号より。一部、加筆・補足)
BBM2ndバージョンのサブセットとして、初めて始球式カードがラインアップされた2004年、一番若いカードナンバーとなったのは「打撃の神様」「V9監督」の川上哲治氏だった。4種のうち3種までがプロ野球界の功労者、そして残る1種もラグビーの大畑大介選手と、あくまで「スポーツカード」の概念のなかに収まる人選で、のちの名物企画は静かにスタートを切った。
しかし、2倍の8種に増えた翌05年、ボールドッグのミッキーやタレントの小倉優子さんなどのカード化も実現。現在へとつながる変化を生んだ。さらに、一気に15種となった06年、野球好きで知られる萩本欽一氏をはじめ、レイザーラモンHG、アンガールズとお笑いタレントが席巻するなか、カードファンの話題をさらったのは胸元が大胆に開いた衣装で力強い投球を見せたグラビアアイドルのほしのあきさん。10年たった今でも「始球式カード史に残る1枚」と人気が高い。
大相撲の横綱・白鵬関は、06年に続き08年にも史上初となる2回目の始球式カード化。その年「始球式カードデビュー」を飾ったタレント・南明奈さんは、11年、12年と実に3回を重ねる常連となり、これは2016年、貞子に並ばれるまで単独の“最多登板”記録だった。
だいたい10種程度に落ち着いていた2ndバージョンの始球式カードが、06年以来となる15種を数えた12年には、ノンシリアルながらホロ加工を施したパラレル版が登場。翌13年、長嶋茂雄、松井秀喜両氏と安倍晋三首相が並んだ国民栄誉賞表彰式カードも含めて史上最多の17種となるなど、始球式カード人気の高まりを受け、同年のスポーツカード・マガジン11月号では、始球式カードが初めて付録カードに採用されている。
14年には、それまでレギュラーカードからの通し番号だったのを「FP」から始まる独立したカードナンバーに変更。また、コレクションを華やいだものにすべく、15年の12種中10種がそうだったように、近年、女性の割合が高くなってきた傾向がある。そんななかで、2016年にはついに、コレクターから要望の多かった直筆サインパラレルが実現。留まることを知らない始球式カードの進化から、今後も目が離せそうにない。
(「その2」につづきます)
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