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2019-02-28

レスリング・ロス&ソウル五輪銀メダリスト 太田章さんが「元気の秘訣」を語る

大病知らずの元気の秘密とは何か?

 ロサンゼルス&ソウル・オリンピックで2大会連続銀メダルに輝いた太田章(おおた・あきら)さんは、日本レスリング界の重量級に新境地を開いたパイオニアだ。そんな太田さんは現在61歳。これまで大病をしたことがない。大病知らずの元気の秘訣とはいったい何なのだろうか? 全国書店で発売中のアクティブシニア向け健康雑誌『健康一番「けんいち」』Vol.19(特集「慢性腎臓病」)に掲載している太田さんの体験記「私の養生訓」のなかから一部分を紹介する。
(太田章さんのプロフィール)
1957年4月8日、秋田県生まれ。秋田商業高校時代からレスリングを始め、早稲田大学在学中に全日本大学選手権3連覇。80年から全日本選手権で計8回優勝(5連覇を含む)するなど無類の強さを発揮。80年のモスクワ五輪では代表に選ばれるも、日本を含む東側諸国のボイコットで参加できず。84年のロサンゼルス五輪でのフリースタイル90㎏級で銀メダル獲得。重量級初の日本人メダリストとなった。88年のソウル五輪も同級で2大会連続銀メダルに輝く。92年のバルセロナ五輪でも代表となる。99年には世界ベテランズ選手権97㎏級で金メダル獲得。早稲田大学スポーツ科学部教授。現在、早稲田大学の早稲田キャンパス(東京)と所沢キャンパス(埼玉)で、社会人相手にレスリングやフィットネス、体力づくり等の指導をしている。

五輪でプレッシャーを感じたことはない

 私はもともと、ストレスをストレスと感じない(思わない)、悪いほうに考えない、楽天的な性格のようです。深く悩むことはあまりしません。じつはオリンピックのときも、プレッシャーを感じたことはありません。
 私の在学中、早稲田大学のレスリング部は弱く、監督もコーチもいませんでしたが、練習環境を嘆いたことはありません。自分たちで練習したり、出稽古に行って腕を磨きました。
 84年にロサンゼルス・オリンピックに出場。当時、重量級は全く期待されておらず、「これまで誰も取ったことないんだから、何色だろうがメダルを取ればいいじゃないか」と思って闘ったら、銀メダルが取れた。
 88年のソウル大会で周囲からは「ソウルでもメダルを取らないと恥ずかしい」なんていう声も聞こえてきたけど、「2回連続で取った人間はいないんだから、何か取れればいいじゃないか」と思ってやったら、また銀が取れた。このときは準決勝でアバラの肋軟骨を剥離骨折したのですが、それくらいのケガはレスリング選手には日常茶飯事だったので決勝棄権するなんていう発想はなかった。「このケガでメダル取れたらもうけもの」くらいの気持ちで臨んで、決勝で完敗はしましたが銀メダルは手に入れました。

ストレスをためないこと。適度にいい汗をかくこと。

 私は現在、早稲田大学で、学生ではない社会人の方たちのために「社会人のための楽しいレスリング教室」という公開講座を開いています。
 参加者の年齢は40代、50代の人も多く、最高齢は72歳の男性です。その方は毎週1回(90分)の授業のために、わざわざ群馬から新幹線に乗って通ってこられます。その情熱には頭が下がります。
 以前には、60歳から参加して74歳まで14年間通い続けておられた女性の方もいました。
 皆さん、いくら年をとってもいい汗をかきたいという気持ちをもっておられるようで、教えている61歳の私にも逆に励みになります。
 参加者の方たちもそうだと思いますが、私自身も適度に体を動かして、いい汗をかくのはとても気持ちがいいです。ストレスも吹き飛びます。
 今回この取材を受けるに当たって、薬剤師をしている妻に「俺の健康の秘訣は何だろう?」とたずねたら、「いいことはストレスをためないことかな」と言っていました。意識してやっているわけでないのですが、ストレスをためない生き方をしているのが結果的に功を奏しているのかもしれません。

テレビを見ながら股関節ストレッチ

 毎日気の向いたときに家で簡単に行えるストレッチがあります。これは、社会人レスリング教室で準備運動の一環として行っているもの。股関節周りのインナーマッスルを刺激して、足腰を強くしたり、体を柔軟にするのに役立ちます。私自身もテレビを見ながら、この股関節周りを伸ばすストレッチをします。

股関節ストレッチ

 ストレッチのやり方や、大病知らずの太田さんが脳梗塞を疑われ入院した興味深いエピソード、ストレス発散法、家庭での食事法などは、雑誌『けんいち』掲載の記事をぜひ読んでみてください。

太田章さんの養生訓を掲載している雑誌『けんいち』情報

■雑誌名:『健康生活マガジン「健康一番」けんいち』Vol.19
■特集:「慢性腎臓病 ~気づく!見つける!進ませない! 検査・腎養生・運動・透析・腎臓移植」
■116ページ
■定価:本体824円+税
■発行:株式会社ベースボール・マガジン社
■発売日:2019年2月25日。現在、全国の書店で発売中。お近くの書店でお求めになるか、ベースボール・マガジン社・受注センターにご注文ください。ベースボール・マガジン社・受注センター☎0120‐911‐410(月~金曜10時~12時、13時~16時。祝祭日は除く)。ベースボール・マガジン社のホームページ(http://www.sportsclick.jp/bookcart/)からもお求めいただけます。

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