関西学生リーグもいよいよ大詰めとなり、今週、11月19日、大阪・万博記念競技場で関西学院大と立命館大の全勝校同士が対戦する。この大一番を関西アメリカンフットボールコーチズアソシエーションの茨木克治会長に展望していただいた。
前節までのチームスタッツ(得点、失点)は、ほとんど差がない。しかし、両チームの戦い方には、大きな違いが見受けられる。パスは、お家芸であり今季も優秀なWRを多数擁しながらも関学大は、ランに重きを置いた。結果、エースRB山口祐介(横浜栄・3年)と変わらないラッシングヤードをQB/RB西野航輝(箕面自由学園・3年)と光藤航哉(同志社国際・3年)で稼ぎ出した。
一方、立命の挑み方は、変わらない。QB西山雄斗(立命館宇治・4年)がゲームの序盤からパスの精度を高めるかのようにロングパスを投げているが、主軸はランである。4年が主力のオフェンスラインが毎プレイ完成度を確認するかのようにブロックを繰り返した。その結果、RB立川玄明(大産大附・1年)と永見優諭貴(明石商・4年)が西村欠場の穴を十分に補った。
両チームともディフェンスは、国内トップクラスだ。それだけにイージーなスコアは許さない。オフェンスがいかにディフェンスを崩すかが、勝敗を左右することになるだろう。
関学大オフェンスは、今季磨いたラン、特にデザインされたQBキープにどのような空中戦を加味してくるのかが、立命大の強力ディフェンスを突き破るカギになる。これまでの6試合は、ランを中心に試合を組み立てることができたが、この試合だけは、陣地回復のためにWRへのパスが必須だ。
関西大の前半ラストプレイで見せた2ポイントコンバージョン、QB光藤からWR 前田泰一(関大一・4年)にヒットしたパスは見事だった。立命館大ディフェンスラインのプレッシャーを受ける状況でも、有効となるパスを準備していることだろう。
立命オフェンスは、スキルポジションも充実している。しかし「ランを出さない事には!」が米倉監督の口ぐせである。オフェンスラインが速くてうまい関学大のDL/LBをコントロールできるかが、勝敗のカギを握る。
特にセンター永福大悟(立命館宇治・1年)に注目している。開幕戦からスターターを務めており、ルーキーとは思えない働きをしている。関大戦から本格復帰したRB西村七斗(大産大附・4年)が、本来の存在感を発揮できるか? 関学大守備のベストアスリート SF小椋拓海(箕面自由学学園・4年)との1対1の勝負があれば面白い。
キッキングゲームは、今春54ヤードのFGを決めたK多田羅翔吾(立命館宇治・3年)のいる立命大の優位を予想する。
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