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2017-11-13

オービック会心ディフェンス ノジマ相模原悪夢の9ターンオーバー

Xリーグは11月11日、横浜スタジアムでジャパンXボウル(JXB)トーナメントの準々決勝3試合を行った。第1試合のノジマ相模原ライズ(レギュラーシーズン3位)対オービックシーガルズ(同6位)の一戦は、オービックがディフェンス陣の活躍で、41-22でノジマ相模原に快勝した。オービックは11月26日の準決勝(富士通スタジアム川崎)で、第2試合でエレコム神戸ファイニーズを降した富士通フロンティアーズと対戦する。

【オービック vs ノジマ相模原】第1クオーター、オービックのDEジャクソンがノジマ相模原のQBガードナーに襲い掛かる

オービック〇41-22●ノジマ相模原

レギュラーシーズンでは第2節に対戦し、オービックが14-0で勝利しながら内容的には互角だった両者。オービックのディフェンスが、ノジマ相模原を圧倒し、思わぬ展開となった。先制したのはオービック。第1クオーター3分、QB菅原俊からラテラルパスを受けたRB地村知樹が右サイドラインを走りあがったWR西村有斗にパスを投じて70ヤードのタッチダウン(TD)を決めた。この後、ノジマ相模原にとって悪夢のような時間帯が始まる。5回のオフェンスシリーズでパスインターセプト3回、ファンブルロスト2回とすべて攻撃権を失った。オービックは、5回中4回を得点に結びつけ、27-0と一方的にリードした。ノジマ相模原は第2クオーター10分にQBデビン・ガードナーのランでTDを奪うと、前半の残り2秒でオービックのエンドゾーン前2ヤードまで迫ったが、外へのピッチプレーをオービックに止められて20点のビハインドで後半へ折り返した。

ノジマ相模原は第3クオーター5分、ガードナーのパスでTDを挙げ(ポイントアフタータッチダウンは失敗)、14点差としたが、同9分、オービックはQB菅原がWR西村へTDパスを決めて再びリードを広げた。さらにオービックは、ノジマ相模原のキックオフリターンでファンブルリカバー。直後のオフェンスで菅原⇒WR木下典明⇒WR萩山竜馬というスペシャルプレーでパスTDを挙げ、残り14分弱で28点差とした。緊張の糸が切れたノジマ相模原ガードナーはインターセプトを繰り返し、第4クオーターに1TDとセーフティーを挙げたにとどまった。

ノジマ相模原が喫したターンオーバーは、キックオフリターン時も含めれば合計9回。最悪のゲームでシーズンエンドとなった。

(取材・撮影/小座野容斉)

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【オービック vs ノジマ相模原】第2クオーター、ノジマ相模原のランを、オービックディフェンスがファンブルさせリカバー、笑顔のDB下水流

◇オービック・古庄直樹ヘッドコーチ

・この結果は

ナイスゲームだった。みんながしっかり、正面から勝負に行って、スタート、ヒット、フィニッシュで勝った。

・第2クオーターの4分までに27-0とリードしたが

正直に言って、うまく行きすぎているところもあったが、決してラッキーで貰っていたというわけではなく、ディフェンスがエクスキューションした結果としてボールを奪った。それを、オフェンスが準備してきたプレーを出して得点に結び付けた。点を取っても毎シリーズリセットして次にいった。

・スペシャルプレーが二度も決まった

よく決めてくれた。準備していてもそれが使えない試合もあるので。準備していたものが決まると選手もより自信をもってその後のプレーに臨める。

・先制のTDは

スペシャルは、早めに出して行こうと思っていた。パスを投げたRBの地村は良い選手。なんでもできる。根性もある。ルーキーがなかなかプレーオフでこういうプレーを決められるものではないが、(自分の役割を)喜んで、試合前から練習をしていた。ノジマ相模原も、パスよりもランを警戒していたのではないか。パスをキャッチした(西村)有斗も、よく寄って捕ってくれた。しかも最後まで持っていてくれたのは大きい。負傷していて、前の試合から復帰したが、ようやく本領を発揮してくれた。

・ディフェンスはみな活躍したが、2QBサック、1インターセプトとケビン・ジャクソンが特にすごかった

やはり、あのスイッチは試合の日にいきなり入るわけではない。リーグ戦の終盤くらいからあの状態で、練習のダミーチームに入るときもああいう感じでやってくれていた。今日はもう「KJやるな」と、僕らは分かっていた。気負っているのではなく、自分のやることを理解して全力を出していた。

・ガードナーがタックルされて倒れ込みながらパスを投げることが多いが、対策はしたのか

彼に気持ちよくプレーさせると、どこのチームのディフェンスでもしんどい。DLがインターセプトを意識するというよりは、どれだけプレッシャーをかけられるかだと思っていた。ただ、あそこまで倒れないのは、練習ではなかなか対策できない。タックルされてあの体勢になったら、普通は倒れる。

・ただ、それを逆手にとってインターセプトした

ああいうパスはそうは続けられない。(通されても)変わらずにプレッシャーをかけ続けるしかない。

・前回の対戦が雨の中、要所を守り切って勝った。今日は天気が良かったが

雨になるとディフェンスゲームとよくいわれるが、ディフェンスのメンバーも晴天の方が好きだ。雨のゲームじゃないのは本当に久しぶり。今季のライズ、パナソニック、富士通との対戦は大雨だった。そういう意味でも、リーグ戦はいい負荷をかけてもらって鍛えられてここまで来たと思う。ただ、この2週間、この勝利で気持ち良くなってしまわずに次の決戦に臨みたい。

・リーグ戦で3敗したが、切り換えは

今季は、開幕のIBM戦で負けて、次はライズ。落ち込む暇もなかった。そこで強さを発揮できるのが「俺たちの強さだ」と言い続けて、乗り越えてきた。3敗してまだチャンスがあるというのは感謝しかない。以前のリーグ戦方式だったら、今ここにいない。

・今季は負けたゲームであっても古庄さんらしさは出ていたのではないか

負けると悔しいし、すっきりしない。ただ今季は負けても悲観するようなゲームはなかった。チームとしては進んでいると思っていた。期待以上のものが出ていたりもした。今日もしんどい時間帯があったが、しっかり戦えていた。前半の最後の場面でも三宅が止めてくれた。

・あの場面の外のピッチプレーは予想はしていたか

予想はしていたが、だいたいその通りにはならない。ただ、皆が自分の役割に集中できているからあそこは止められた。

・今日は今季一番の試合か?

結果的にはそうだと思う。負けた後の試合というのが、一番チーム力が出る。ここでしっかり力を出せたというのが自信になる。

・東京ドームへ行きたいですね

もちろん

・(過去数年、ライスボウルの解説をしていたので)放送席はどうですか?

(笑いながら)下(のフィールド)にいさせてください。

【オービック vs ノジマ相模原】第1クオーター3分、オービックのスペシャルプレーでRB地村からのパスを受けたWR西村が先制TD

【オービック vs ノジマ相模原】第2クオーター1分、オービックのRB李が54ヤードを走ってTD

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