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2018-08-06

全国高校柔道大会 (インターハイ) 【女子団体戦展望】 強力布陣の夙川学院を追う帝京、敬愛、桐蔭学園。 創志学園、埼玉栄、名張、富士学苑なども有力

※春の高校選手権を制した夙川学院。夏も総合力の高さで頂点を目指す
Photo/近代柔道

三重県のサオリーナ(津市産業・スポーツセンター)で開催されるインターハイ柔道競技。男子に続き、大会3日目の8月10日からは女子でも熱戦が展開される。ここでは春の高校選手権と同じく、数々の好試合が予想される団体戦の展望をお届けしよう。

 創志学園は今春の高校選手権3位で、桐蔭学園と沖縄尚学が同8強。この他にも埼玉栄や、このインターハイに向けて強化を進めてきた名張と多士済々の顔ぶれがトーナメントの左上に陣取る。

 創志学園と桐蔭学園は同じゾーンでのつぶし合いに。創志学園は古賀ひより、浦明澄、桐蔭学園は朝飛真実、野澤知莉が主力だが、体格的には桐蔭学園が上回り、接戦になるとやや有利か。

 埼玉栄は全体的に決して大きくなく、名張と16強戦で顔を合わせると苦戦を強いられるかもしれない。ここを勝ちきった名張が8強に進みそうだ。その後の名張-桐蔭学園は、地力の差で桐蔭学園にアドバンテージがあるだろう。

 8強進出が堅く、さらには4強入りも濃厚なのが高校選手権優勝の夙川学院。阿部詩が不在とはいえ、国際級の金知秀を軸に長谷川瑞紀、高校選手権個人無差別3位の吉峰芙母絵が重量級で控える。メンバー全員が強化選手で、質的に高いチーム。新田が夙川学院と同じゾーンで当たり、善戦は期待されるが夙川学院に分がある。

 富士学苑と帝京、ダークホース的な存在の藤枝順心が4強を争うのが右上のヤマ。8強を決めるゾーンの中では富士学苑が比較的、組み合わせに恵まれており準々決勝に上がるだろう。もう一つの8強は藤枝順心-帝京の勝者になるだろうが、髙橋瑠璃という絶対的なエースを擁する帝京が有利。次に富士学苑との4強を懸けた戦いになるわけだが、総合的に見て帝京が優勢で4強を確保しそうだ。

 そして右下のヤマの焦点は、2回戦で実現しそうな大成-敬愛。接戦になること間違いなしだ。大成は後藤邦仁監督になって初めてのインターハイ。金鷲旗では2位になり、インターハイに向けて勢いをつけた。対する敬愛は金鷲旗3位で、元気な1年生が主体のチーム。高校ではニューフェースでも実績のある選手もおり、好試合が期待できる。仮りに敬愛が抜け出した場合は、大型の広陵と戦うことになるが、粒ぞろいの敬愛が接戦をものにする公算が大きい。

 熊本西から盛岡南までのゾーンは実力伯仲。どこが勝ち上がるかは当日のコンディション次第だ。しかし、どこが歩を進めてきても、8強戦は敬愛が勝利して4強に進むと思われる。

 以上のようにシミュレーションすると、準決勝は桐蔭学園-夙川学院。帝京-敬愛ということになる。穴がない夙川学院は苦戦するとしても総合力で桐蔭学園を上回り、決勝へ進出するだろう。また、帝京は高校選手権2位の自信もあり、大森生純、熊木悠花、髙橋と層が厚い。準決勝を突破する確率は高いはずだ。

 決勝の夙川学院-帝京は今春と同じカード。そのときは中堅・金の「技あり」勝ちで逆転した状況を大将・吉峰が守り、①-1の内容で夙川学院が勝った。今大会も激しい戦いになりそうだが、修羅場をくぐってきた夙川学院が僅少差でも栄冠に輝きそうだ。ただし優勝の鍵は、髙橋に自由に柔道させないことだろう。

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