
1月10日、株式会社明治とフランス・パスツール研究所は、乳酸菌OLL1073R-1株を用いた共同研究により、同乳酸菌が産生する独自の多糖体(EPS)が、様々なT細胞において免疫活性化物質であるインターフェロンγ(IFN-γ)の分泌を促進することを見出したと発表した。
同日開催されたメディア向けセミナーでは理化学研究所の大野博司氏、パスツール研究所教授のジェラール・エベール博士が説明を行った。
乳酸菌OLL1073R-1株について、これまでの研究から自然免疫に関わるナチュラルキラー細胞(NK細胞)に対して活性化作用を持つことが確認されている。今回発表された共同研究結果によると、乳酸菌OLL1073R-1株の有効成分とされてきた同乳酸菌が産生する独自のEPSが、免疫活性化物質であるIFN-γの分泌をCD4Tαβ細胞、CD8Tαβ細胞などさまざまなT細胞で促進することがわかったという。
EPSとは、乳酸菌をはじめとする細菌やキノコなどの真菌の一部が細胞外に作り出す、繊維質に類似した構造の物質のこと。一部の多糖では、免疫調節能をはじめとする生理機能を有することが知られている。実験によって乳酸菌OLL1073R-1株が生み出すEPSが、獲得免疫において中心的な役割を果たす免疫細胞の一種であるT細胞で作用し、IFN-γの生成が促進されることが示されたという。
今回の研究により、乳酸菌OLL1073R-1株が従来から知られていたNK細胞への効果に留まらず、獲得免疫に関わるT細胞にも作用していることが示され、免疫に対して広い働きを持つことが示された。この幅広い作用が、これまでの研究で確認されている、風邪罹患リスク低減作用、唾液中の抗菌・抗ウイルス活性を持つ物質であるIgAの分泌促進作用などの健康に関する作用に結びついている可能性が期待される。
学術の最先端ではこのような研究が日々行われ、ラボでは私たちの生活をより良いものにする可能性についての調査が行われている。昨今、「腸内フローラ」は健康のキーワードとして知られるようになった。研究を重ねることで乳酸菌が持つ、まだ私達が知らない効果を知ることができるかもしれない。
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