アメリカンフットボール・Xリーグの富士通フロンティアーズは4月1日、今年の新加入選手・スタッフを発表した。新しく富士通の戦力となるのは、OL町野友哉(京都大学)、安東純一(立命館大学)、DL宮川泰介(日本大学)ら選手・マネージャー計9人。富士通はXリーグでは数少ない企業チームのため、9人は富士通本社やグループ会社に入社し社員として働きながらの活動となる。
町野は197センチ130キロの大型ラインで、ポジションは左タックル(LT)。サイズに恵まれているだけでなくバランスも良く、京大では2年から先発となり、4年時の2018年には大学世界選手権日本代表にも選ばれた。昨年は5年生として大学に残りながら、海外での選手活動を視野に、米国の新興プロリーグXFLや、NFL国際コンバインにも挑戦した。今年はカナダのCFLグローバルコンバインにも招待されている。
宮川は182センチ105キロ。日大2年のときに、甲子園ボウルで優勝、ライスボウルでは富士通と対戦し、ディフェンスの主力として活躍した。しかし、2018年5月の関西学院大との定期戦で犯した悪質な反則により、関東学生連盟から出場資格停止処分を受け、いったん選手活動から退いた。この間、謝罪会見などを通じて一貫して自分の非を認め続け、学連の処分も解かれて、アメフット部には同年秋に復帰した。2019年には、副将も務めたが、東京地検立川支部が不起訴処分(2019年11月)とするまで、約1年半試合には出場しなかった。
富士通は、他チームとは違い、攻守のラインに米国人選手がいない。サイズと運動能力を兼ね備えた2人は、将来はチームの主力となることが期待されている。
OL安東は1昨年の立命大主将。身長183センチはOLとしては決して大きくはなかったが、ハートの強さと戦術理解でLTも務めた。大学2年以降、甲子園ボウル出場を関学大に常に阻まれてきた悔しさを、次の舞台で晴らす時だ。
DB髙岡拓稔(早大)は富士通のフラッグフットボール「FFFC」の出身。FFFCでは小学校6年生時に日本一にもなった。早大では父の高岡勝監督の指揮の元、甲子園ボウルにも2年連続で出場、昨季はディフェンスリーダーを務めた。富士通のチームに戻るのは中学校以来で、本人だけでなく、長年フラッグフットボールの普及に尽力してきた富士通にとっても、うれしい加入となった。【小座野容斉】

ダウンフィールドブロックで、巨体にもかかわらず軽快な走りを見せる京大時代の町野=撮影:小座野容斉

日大4年時の最終戦、ヒットした桜美林QB亀山に手を差し伸べ助け起こす日大DE宮川=撮影:小座野容斉
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