女子プロレス団体「アイスリボン」のエース、藤本つかさの周辺が何やら騒がしい。1月某日、北海道の社会人プロレス団体「新根室プロレス」の人気者で、3メートルの巨大パンダ、アンドレザ・ジャイアントパンダとの種族の壁を超越した不倫疑惑が取りざたさるという珍事がボッ発。そのうえ、アンドレザの正妻ティンティンがこれに激怒、藤本への制裁を誓うという衝撃的展開に発展した。
アンドレザとの不倫疑惑に関して「違うんです!」と完全否定する藤本だが、愛くるしいビジュアルとは裏腹に負けん気は超強い。ティンティンの怒りが飛び火した藤本も巨大パンダを迎え撃つことを宣言。アイスリボン3・31後楽園ホール大会でティンティンがプロレスデビュー、藤本と一騎打ちをおこなうという斜め上いく一戦が正式決定してしまったのだ。
2018年度の女子プロレス大賞受賞者でもある藤本は巨大パンダを相手にどんなファイトを見せ、どんな形で勝利をもぎ取ろうというのか。あらゆる意味で異次元対決となるティンティン戦。決戦まで10日を切った某日、パンダの気持ちを理解しようとあの手この手の試行錯誤をしていた藤本に話を聞いた。
写真=週刊プロレス=パンダの被り物をして、パンダのケーキにかぶりついた藤本つかさ。アイスリボン3・31後楽園では3メートルの巨大パンダと激突する
――アンドレザ・ジャイアントパンダの妻ティンティンと激突するアイスリボン3・31後楽園ホール大会まで10日を切りましたが、対戦する藤本さんがなにやら語りたいことがあるというから蕨市にあるアイスリボン道場まで来てみたら、なぜパンダの被り物を…?
藤本 いや似合うかなと思って、被って鏡見てた時にちょうどいらっしゃって(苦笑)。
――だからちょっと罰悪そうな、テレた顔してたんですね。
藤本 言わないでください(苦笑)。すべてタイミングなんですよ、人生は何事も。
――急になんですか?
藤本 最近思うんです、いろいろあるなって(遠い目をしながら)。
――いろいろが気になるとこですが、まずはティンティン戦ですよ!
藤本 そうですよ! まず私が疑問なのは、なぜティンティンはあんな怒ってるんだろうなって。それでいろいろ考えたんです。
――まぁ自分のダンナさんが美人すぎるプロレスラーの呼び声高い藤本さんとの不倫疑惑が報道されたら怒って当然だと思いますけどね。
藤本 それは違うんです。ただティンティンが怒ってるのは事実なんで、まずダンナさんが浮気したらどうなるんだろうと。浮気したダンナを怒る気持ちをちょっとイメージしてみたんです。
――結婚を夢見る藤本さんが既婚者の気持ちを考えてみた!
藤本 はい(苦笑)。だけど、わからなかったんです。
――結婚経験ないですもんね。
藤本 あのー、いちいちトゲのある言い方止めてもらえます? まぁいいんですけど。じゃあ次はパンダの気持ちになろうと思って、被り物したらちょうど週プロさんがいらっしゃって。
――なるほど(笑)。被ってみてどうでした?
藤本 …パンダの気持ち、分からなかったんです。
――分からなかった!
藤本 でも、パンダの被り物はなかなか似合ってたなと思いました。
――確かにかわいかったですね、35歳とは思えません。
藤本 (無視して)パンダはかわいく被れたなと。でも、やっぱ気持ちはわからなくて。
――それで今度はパンダのケーキを食べてみたと?
藤本 はい。すごいおいしかったんです。
――味の感想じゃなくて、パンダの気持ちがわかったかどうかを教えてください!
藤本 そうですよね(苦笑)。…でも、やっぱりわからなかったんですよ。パンダのケーキを買った西川口駅前の某スイーツ店の店員さんが愛想悪くて、それが悲しかったなって。それでパンダにもなんかガッカリして。
――それはパンダのせいじゃない気がしますが、いずれにせよ、今年に入ってからパンダに振りまわされっぱなしです。
藤本 ホントですよ!
――一部ではあれだけ露出したんだからオイシイじゃないかという声もありますが?
藤本 なんですか、その一部って?誰? だって藤本つかさって検索するといっしょに不倫というふた文字が出てくるんですよ。それってイメージダウンじゃないですか。
――確かに。
藤本 親友からも「藤本つかさ、不倫疑惑ってニュースを見て泣きそうになった」って連絡がきたし、オーストラリアにいる友だちからも心配して連絡があったし。自宅でテレビをつけたらパンダの不倫相手として私の写真がワイドショーで流れるんですよ。団体のイメージ的にもよくないじゃないですか。
――アイスリボンのキャッチフレーズである「プロレスでハッピー!」と不倫のふた文字はなかなか縁遠い感じがしますね。
藤本 しかもそれが真実だったら私も謝罪するなり、真摯に対応しますけど、違いますから。
――違うんですか?
藤本 違います。
――…ホントですか?
藤本 違う! 違います! 信じてください、私のことを。私のことは信じてくれて大丈夫ですから!
――私のことは?
藤本 (無視して)ただここまで話がこじれてしまった以上、リングで決着をつけるのが手っ取り早いかなと思うし、向こうもプロレスデビューを決断したわけじゃないですか。
――ティンティンのデビュー戦になりました。
藤本 去年の年末にマーベラスのMariaちゃんのデビュー戦をさせていただいて、そのあとティンティンのデビュー戦をすることになるとは思わなかったですよ。デビュー戦の相手をするって光栄なことなんですよ。週プロの選手名鑑のデビュー戦の項目を見ても対戦相手として一生残るわけじゃないですか。だからうれしいんですけど、今回は単純なデビュー戦じゃない。なんなら遺恨清算みたいな感じになってるじゃないですか。そもそもレスラーデビューする必要なかった人…じゃなくてパンダだったかもしれないじゃないですか。
――とはいえもうデビューは決まりました。相手は2メートル50センチ、300キロという規格外の巨体です。
藤本 確かにここまで大きな相手と試合したことはさすがにないです。私がどうあがいても身長も体重も絶対かなわない相手です。だから私はそこでは競わない。
――と言うと?
藤本 言っても、私、プロレスでは先輩ですから。なんなら11年選手です。スピードだったり、集中力だったり、あとは…なんだろうな(苦笑)。
――意外と出てこないですね(笑)。
藤本 技の精度は私のほうが絶対上ですし、プロレスラーとしての経験もありますから。
――それらをもってすれば、パンダにも勝てると?
藤本 勝ちます(ドヤッ)。
――ずいぶん自信たっぷりですね。ちなみにフィニッシュはどんなイメージですか?
藤本 それは豊田さん直伝のジャパニーズ・オーシャン・サイクロンスープレックス(以下JOSSH)でドーン!と。
――相手は巨大パンダです。持ち上がるとは思えませんが?
藤本 持ち上げます!
――過去にJOSHHをかけたことがある大きな選手って誰ですか?
藤本 豊田さんですかね。
――引退年度の豊田さんのプロフィルを見ると、168センチ、70キロになってます。
藤本 それかハム子さん(150センチ、70キロ)。
――なるほど。ちなみに藤本さんが受け継いだJOSSHがSNS上で話題になってるの、ご存知ですか?
藤本 承知しております。豊田さんのツイートは通知がくるように設定してるので。
――技の開発者であり、藤本さんの師匠である豊田さんが「ジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスは私が大切に使っていたオリジナルの技です。藤本つかさ、日高郁人に伝承し大切に使ってくれてます。 この二人に敬意を表する意味で他の選手には勝手に使ってもらいたくないのです。それだけ思い入れのある技だとご理解下さい」とメッセージを送ったら、賛否両論の大激論になりました。
藤本 豊田さんから直伝された技ですし、それはもう大事にしてます。あの技を豊田さんに決めるということに、私はどれだけの年月がかかったか。
――技を教わった後も、豊田さんにはなかなか決められずにいましたからね。
藤本 はい。何度トライしても決まらずで。ずっと決めてやろうって思って仕掛けたこともあったんですけど、全部未遂に終わってたので。やっと決めることができたのが2017年11月の豊田さん引退試合。豊田さんに決めることができて、正式に受け継がせてもらった技なんです。
――そういう意味では、やっぱり誰よりもあの技に思い入れがあると?
藤本 誰よりもという競争もしてないです。私は尊敬する豊田さんの技をここぞという大一番に使って勝ちたい。それだけです。現役の私が使うことによって豊田さんが女子プロレス界に今も生き続ける。だからこそパンダとの一騎打ちは豊田さんの技で勝ちたいですね!
――なるほど。皆さんいろんな意見があるのは当然だと思うんですけど、しかし、なんでみんなSNSだとあんなに偉そうになるんですかね。あれ不思議ですよね?
藤本 SNSって文字だけが一人歩きしてしまって、どんどん焦点がズレていくのも良くないですよね。…とにかく私は豊田さんから受け継いだサイクロンでパンダに勝ってみせます! ここでいかないと私がこの日に伝えたいことが伝わらないと思うので。
――伝えたいこと?
藤本 はい。あの技ってホントに深い意味がある技なんですよ。相手の手をクロスするじゃないですか。技を決めて、横になると∞の形になる。パンダに勝って、私はICE×∞(アイスリボンのシングル王座)も諦めてないよっていうこともアピールしたいし、(技をかける過程にある)手と手をつなぐという行為に関しても、伝えたいことが込められてますし。
――それはどんな思いですか?
藤本 伝えたい思い、いっぱいあるんですよ…いや、あった、かな。過去形。やっぱり人間ってちゃんと伝えないとダメなんですよね(遠い目をする)。
――さっきからちょいちょい遠い目をするの、やめてください!
藤本 アハハ! あー、面白い、はぁ(と言ってまた遠い目をする)。まぁそれは置いといて、ティンティンだけじゃなくて、アンドレザ・ジャイアントパンダの来場も決まったんです。
――不倫疑惑の当人が! 藤本さんが来場を呼びかけてましたが、正式決定したんですね。
藤本 はい、3・31後楽園に来ることが決まったみたいなんで。
――息子のラジャ君は来るんですか?
藤本 どうなんでしょう? 来るみたいなことは聞きましたけど。でも、来てほしいですよね。来て、自分の両親にいま何が起きているのか、しっかりと見てもらいたい。
――両親の修羅場を見せられる子どもって情操教育上、良くない気もしますが…。
藤本 修羅場なのかどうなのか。でも、それすらも見たほうがいいと思うんですよ。子どもって親のこと敏感に察知しますから。逆にいま自分のお父さんとお母さんは微妙なのかなって思うなら、ちゃんと知った方がいいんです。という私は両親がケンカしてるのを見たことがないんですけどね。親がそう心がけてたのかもしれないけど。おかげで争い事に無縁な性格になりました。レスラーになるまでは。親の酸いも甘いも知った方がいいんですよ。子供は!
――独身で子どももいない藤本さんがそれを語りますか…。
藤本 うるさい!(苦笑)誰かのため、何かのために闘う人って強いんです。守るものがあったり、私みたいに伝えたいことがあったりとか。そういう人って強いと思うんです。そういう人が試合をすることで感情が揺さぶられるんです。それはパンダも一緒。だから子ども、ラジャ君にも見てほしい。
――わかったような、わからないような…。そもそも何を伝えたいんですか?
藤本 伝えたいことはあるんです。何を伝えたいか、誰に伝えたいか。それは当日まで言わないというか、なんというかごめんなさい。
――最後になって歯切れ悪いですね。
藤本 1人なら言ってもいいんですけど…約束したので言わない。3月31日、ティンティンに勝ってから、それは明らかにします!
――もったいつけますね…。
藤本 人間は選んだ方の人生から選ばなかった方の人生を眺めて、後悔したり安堵したりする生き物なのです。それはパンダも然り。とにかく後楽園で!
「アイスリボンマーチ2019」
★3月31日(日)東京・後楽園ホール(11:30)
⑦ICE×∞選手権試合(30分1本勝負)
<王者>雪妃真矢vsつくし<挑戦者>
※第29代王者初防衛戦
⑥インターナショナルリボンタッグ次期挑戦者決定3WAYタッグマッチ(時間無制限1本勝負)
星ハム子&宮城もちvs松本都&真琴vsテキーラ沙弥&世志琥
⑤ティンティンデビュー戦(20分1本勝負)
藤本つかさvsティンティン
④ハードコアリボン・タッグマッチ(20分1本勝負)
世羅りさ&藤田あかねvs柊くるみ&有田ひめか
③シングルマッチ(20分1本勝負)
ジュリアvs高瀬みゆき
②タッグマッチ(20分1本勝負)
弓李&本間多恵vsトトロさつき&松屋うの
①6人タッグマッチ(20分1本勝負)
星いぶき&朝陽&神童ミコトvs鈴季すず&星月芽依&Maria(時間無制限1本勝負)
〔入場料金〕
最前列…完売
特別RS…6000円
RS…5000円
指定席A…4000円
指定席B…3000円
レディースシート…3000円
※当日券は各1000円増しとなる
購入・問い合わせはアイスリボン公式ホームページにて
http://iceribbon.com/
2024-12-03
上野由岐子によるピッチングクリニック 「ウエノラボ2024supported by ミズノ」開催!
2024-12-03
【サッカー】子供の自主性を重んじる指導を貫いた、FCアミーゴの指導方針をU-15チーム監督に直撃
2024-12-02
【新作情報】「BBMベースボールカードプレミアム[グローリー]2024」シリーズ史上過去最多の直筆サインカードを投入!
2024-12-03
【連載 泣き笑いどすこい劇場】第28回「意地」その1
2024-12-01
【アメフト】甲子園ボウルは、法政大VS立命館大の東西頂上決戦に
2024-12-02
【アイスホッケー】五輪最終予選、日本0勝3敗。 ⑦大津晃介(栃木日光アイスバックス)
2024-04-01
ベースボール・マガジン社の人工芝一覧、導入実績、問い合わせ先 [ベーマガターフ]
2024-12-03
上野由岐子によるピッチングクリニック 「ウエノラボ2024supported by ミズノ」開催!
2024-12-03
【サッカー】子供の自主性を重んじる指導を貫いた、FCアミーゴの指導方針をU-15チーム監督に直撃
2024-12-02
【新作情報】「BBMベースボールカードプレミアム[グローリー]2024」シリーズ史上過去最多の直筆サインカードを投入!
2024-12-03
【連載 泣き笑いどすこい劇場】第28回「意地」その1
2024-12-01
【アメフト】甲子園ボウルは、法政大VS立命館大の東西頂上決戦に
2024-12-02
【アイスホッケー】五輪最終予選、日本0勝3敗。 ⑦大津晃介(栃木日光アイスバックス)
2024-04-01
ベースボール・マガジン社の人工芝一覧、導入実績、問い合わせ先 [ベーマガターフ]