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2024-11-05

【しゅりんぷ池田のカード春秋】プロ野球90周年カード(第4回)「若大将」と「ぶんぶん丸」

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プロ野球90周年カード」の「ニックネーム・キャッチフレーズ」カードについて語る4回目。原辰徳のニックネーム“若大将”も随分長く使われていますね。この若大将がいつから使われ始めたか定かでないのですが、プロ入り時から使われ始めたとすると、もう40年以上使われていることになります。

NC07 若大将:原 辰徳(巨人)
NC07 若大将:原 辰徳(巨人)

“若大将”は文字通り若い大将なわけですが、原は引退後に3季17年に渡って監督を務め(巨人の歴代監督の中でも最長)9度の優勝、3度の日本一を果たす堂々たる“総大将”のはずですが、ニックネームはいまだに“若大将”のままで、最近ではやや自虐的に“永遠の若大将”とも呼ばれています。これは中西太が亡くなるまで“怪童”と呼ばれ続けたのに似たケースなのかもしれません。

池山隆寛の“ぶんぶん丸”もなつかしいですね。池山がヤクルトでショートの定位置を奪ったのが関根潤三監督時代の87年のこと。実は筆者は池山と同じ65年生まれなのですが、「同い年の選手が早くもプロでレギュラーになったんだな」と焦りを感じたものでした。池山は同年初の2ケタ13本塁打を放つものの112三振を喫し、同年から6年連続100三振をマークする一方で翌88年から5年連続で30本塁打以上を放ちます。一発か三振か、バットをブンブン振り回す池山に付いたニックネームが“ブンブン丸”でした。

NC08 ぶんぶん丸:池山隆寛(ヤクルト)
NC08 ぶんぶん丸:池山隆寛(ヤクルト)

そんな池山とクリーンアップを形成し、“イケトラコンビ”とも呼ばれ人気を博した相棒の広澤克実は入団した85年から8年連続100三振と、好々爺然として関根監督の下、若き主砲が奔放にプレーし、明るい未来を感じさせたものでした。実際、90年から野村克也監督が就任し、4度の優勝と3度の日本一を成し遂げる黄金時代が到来したのでした。


当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が先日の4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。

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