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2018-05-30

マスタードを浴びた W‐1クルーザー王者 吉岡世起の心の叫び

 WRESTLE-1 5・13春日部大会にて、試合を終えたW-1クルーザーディビジョン王者・吉岡世起を、6・13後楽園で同王座への挑戦を控える児玉裕輔が襲撃。吉岡をKO状態に追い込むと、持参したマスタードを“立ち小便”のような格好で吉岡の顔面に浴びせかけるという前代未聞の卑劣な行為に出た。これは昨年9月の王座戴冠以来、「刺激」を求め続けてきた王者への皮肉だった。

 吉岡が児玉の襲撃を受けるのは、タイトル挑戦をアピールされた5・6後楽園に続いて2度目ということもあり、王者の怒りは想像に難くないが、怒りの矛先は児玉だけに向けたものではなかった。

 無差別級で争われるW‐1チャンピオンシップに比べ、“軽量級”に位置するクルーザー王座が団体内で思うように存在感を発揮できていないジレンマ、そしてリング上の闘いとは本来関係のない過激な発言や裏切り行為などのスタンドプレーばかりが脚光を浴びる風潮への反感…。タイトル戦決定後、初の前哨戦がおこなわれた5・27土浦大会の試合前に話を聞いた。

5・13春日部大会で吉岡にマスタードを浴びせた児玉

なかったことにされた主張
「カズさん、近藤さんに来てほしかった」

――昨年9月のクルーザーディビジョン戴冠から「刺激」を求めてきたが、ここまでの約9カ月の防衛ロードは思い描いていたものと比べてどう?
吉岡 刺激という点では、自分の団体以外からの刺激は結構あったと思うので、そこはよかったと思いますね。他団体の選手が名乗りを挙げてくるのは、このベルトがほしいということなんでうれしいことなので。ただ、中の人間に関してはちょっと、物足りない感じがします。挑んできたのはACEの頓所(隼)とクルーザーフェスで優勝したアレハンドロぐらいなんで。物足りない感じがしますね。

――もっとクルーザー戦線を盛り上げられるはずだった?
吉岡 そうですね。挑戦表明する人が、一人ずつじゃなくてもよかったんじゃないかなと。挑戦したいという人が何人もいて、挑戦者決定戦をやるぐらい。まあ、そういう意味ではクルーザーフェス(2月~3月に開催されたクルーザー級8選手によるトーナメント)っていうものはありましたけど。中の人間が、ずっと言ってるカズ(・ハヤシ)さんが来なかったり、近藤(修司)さんもクルーザーのくくりなのかどうかわからないですけど、来てほしかったっていうのもありますし、それこそ今度やる児玉裕輔も、もっと早くリアクションがあってもよかったのかなと思います。

――では、だいぶ理想とは開きがあった?
吉岡 中の人間に関してはそうですね。外の人ばかり来てという感じです。

――王者として他団体やカズ社長、近藤副社長ら周囲への投げかけはだいぶしていた印象だが、近藤からは「NEW ERA(吉岡が所属していた若手選手によるユニット、現在は解散)は主張がない」とひとくくりに批判された。自身の主張がなかったことにされているが。
吉岡 ボクの投げかけたことに関してはなんのアンサーもなかったですからね(苦笑)。向こう側からなんのアンサーもないままNEW ERAを批判されるっていう。あれ? オレに対する答えは?っていう感じでしたね(苦笑)。(自身のコメントを)見てたのか見てなかったのか知らないですけど。

――イライラがたまっているのでは?
吉岡 そうですね。そこに関しては、やっぱり全盛期の、まだ全然動けるカズ・ハヤシ、近藤修司とかを超えないと意味がないとボクは思ってるんで。そこをちゃんと超えたいんですけど、なかなか2人とシングルやることもないんで。プレーヤーとしてまだ全然できるわけじゃないんですか。経営者であるかもしれないですけど、その前に一プレーヤーだとボクは思ってるんで。

刺激への飢えを訴え続ける吉岡

「過激なことを言わなければいけないの? みんなが裏切ったり批判したりばっかりし出したら、どうなっちゃうの?」

――無差別級の話題に飲まれてクルーザー戦線の話題が埋もれているような印象もある。
吉岡 そうですね。なんなんですかね。これはなんでこんなに…やっぱり結構思うのは、過激なことを言えば取り上げられる感じじゃないですか? 過激なことを言わなければいけないの?と。じゃあ、それが取り上げられるからって、みんなが裏切ったり批判したりばっかりし出したら、どうなっちゃうの?って思うんですよ。それはなんか違う気がするんですよね。無差別の闘いで過激なことばっかやってましたけど、ボクはあんな感じになりたくなかった。それだけにはなりたくなかったんで。

――今日(5・27土浦大会)はメインイベントで6・13後楽園に向けた無差別&クルーザーのダブル前哨戦が組まれているが。
吉岡 久々かな、メインは。クルーザーの前哨戦で、無差別の前哨戦を食ってやろうと思ってます。征矢(学)さんとクマ(羆嵐)の争いも見てますけど、ボクはリング外の過激な発言よりもリング内で見せたいので。試合で、ボクと児玉裕輔の闘いで、無差別を食う。クルーザーが目立つ試合をしたいと思います。ボクが直接、児玉裕輔から取って、クルーザーは熱いぞというのを無差別の人間にもわからせてやります。

――5・13春日部大会では児玉から襲撃を受けマスタードを顔面にかけられた。あれも、ある意味でクルーザーに注目を集める結果になったのでは?
吉岡 あれ、注目を集めました? ボクもいまいちよくわからないですけど(苦笑)。ボクが求めていたのは、そういう刺激ではないので。何がしたかったのかわからないけど、ただ、ボクを苛立たせるには十分でしたね。いろんなことに対するいら立ちを、マスタードのいら立ちに乗っけて児玉裕輔にぶつけますよ。

5・27土浦大会、タッグマッチで児玉と対峙した吉岡

その宣言通り、吉岡が児玉から正攻法で3カウントを奪ってみせた5・27土浦大会の模様は5月30日(水)発売の「週刊プロレス6月13日号(No.1959)」(定価530円)に掲載。また、週刊プロレスmobile(月額324円)では同大会の試合詳細、バックステージコメントを掲載中↓↓↓

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