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2024-11-11

【サッカー】サッカーにおける状況判断の重要性 三笘薫を育てた川崎F U-18の指導法 その1「状況判断とは」

高円宮杯U-18 サッカープレミアリーグに所属している川崎フロンターレU-18(Photo:土屋雅史)

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|相手をちゃんと見ることと自分が考えたプレーを成立させる技術があることが、ポイントになる

サッカーにおいて、判断が重要であることは言わずもがなである。指導のエキスパートたちは、目に見えない判断をどのように教えているのかを探る特集。川崎フロンターレのアカデミーは、三好康児、三笘薫など、のちの日本代表を多数輩出しているが、U-18チームでは、状況判断の指導において、どのようなアプローチがなされているのだろうか? 2020年から監督を務めている長橋康弘に、5つのテーマ別に、話を聞いた。この回では『①状況判断』について、本誌より引用する。
(引用:『サッカークリニック 2024年12月号』 【特集】図解つき!サッカーの優れた状況判断PART1:川崎フロンターレU-18より)

取材・構成/土屋雅史

|最善の選択肢は周りを常に見ていないとわからない

―状況判断について、どのように考えますか?

長橋 基本的には、その状況に見合ったプレーをすることが大事です。サッカーは相手ありきのスポーツなので、相手をちゃんと見ることと自分が考えたプレーを成立させる技術があることが、ポイントになります。

30メートル先のチャンスをチャンスとして捉えられる技術がなければ、選手はそこを見ようとしません。見たとしても、判断をキャンセルしますし、見えた残像を残しておこうとは思わないでしょう。育成年代においては、そのポイントのところを強く言わないと、やれることを増やしていこうとする選手が出てこなくなります。

三笘薫(ブライトン=イングランド)が良い例になるかもしれません。サイドでの「1対1」から、ニアゾーンやポケットをとりに行くと、あのランニングが相手のカバーを連れてくるわけで、そうなると、周りの状況判断が変わってきます。すべては、ボールを持った人間がどれくらいできるかで変わるんです。選手たちには、そこを見極めることにプラスして、今の状況で何をすべきかを考えながら、それに見合ったプレーをしていこうと常々言っています。


所属するブライトン(イングランド)で、決定的な仕事を何度もやってのけている三笘薫(左端)。川崎フロンターレアカデミー出身の左ウイングは、クラブでも日本代表でも、エース級の存在になっている(Photo:Getty Images)

―状況判断という言葉自体は、少しあいまいです。

長橋 「状況判断とは何か?」と改めて聞かれると、理解の仕方が難しいですね。1-0で勝っていて、試合時間が残り5分になったら、選ぶプレーがそれまでと変わってきますし、何を良い判断とするかについても、そのときの状況次第です。状況判断に長けた選手を育てたくても、周りが見えていないことには、最善のプレーを選べません。最善の選択肢は周りを常に見ていないとわからないので、見ることがやはり大事なんだと思います。

(次回『サッカーにおける状況判断の重要性 三笘薫を育てた川崎F U-18の指導法 その2「攻撃とは」』へと続く)


-NAVIGATOR- 長橋康弘[川崎フロンターレU-18 監督](Photo:土屋雅史)

PROFILE
長橋康弘(ながはし・やすひろ)
1975年8月2日生まれ、静岡県出身。94年に、静岡北高校から清水エスパルスに加入した。97年に川崎フロンターレに移籍し、2006年に引退。翌シーズンから川崎Fで指導を始め、U-12チームのコーチやU-18チームのコーチなどを歴任した。18年からはU-15チームの監督を務めたあと、20年にU-18チームの監督に就任。日本サッカー協会公認A級コーチライセンスを持つ

『【フロンターレ式状況判断】テーマ別に見るJクラブユースの状況判断の磨き方』を掲載した「サッカークリニック2024年12月号」は
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