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2017-07-31

“今日の吉村”まとめ わんぱく相撲での敗戦により 人生を狂わされた男の恨み節

 通常、プロレスのリングでは王者への挑戦権を得るためにはそれにふさわしい実績が求められるが、その暗黙の了解を打ち破る特殊なルールもある。それは、DDTマットに存在する「いつでもどこでも挑戦権」(以下、いつどこ挑戦権)。この権利を手にした選手は、同団体の頂点に位置するKO-D無差別級王座に、定められた期間内であれば名称の通りいつでもどこでも挑戦することができるというもの。

 今年5月にその権利を手にしたのが、DDT傘下の若手を中心としたプロジェクト・DNAに所属する吉村直巳。吉村は現王者の竹下幸之介と同じ1995年生まれの22歳で、出身地も同じ大阪府大阪市。小学生時代にはわんぱく相撲で竹下と対戦しており、戦績は3戦3敗。その後、高校2年でプロレス入りした竹下のあとを追いDDTに入門したというほど、わんぱく相撲での敗戦は忘れがたい人生の汚点だった。 

 怨敵・竹下への挑戦権を手にして以来、吉村は連日のように試合後のバックステージやリング上で竹下の前に現れ、わんぱく相撲で敗れた恨みに始まり、真偽の定かでないエピソードも交えながら怨念をまき散らした。その様子はいつしか「今日の吉村」と呼ばれ恒例化。ここでは、5月10日のいつどこ挑戦権獲得から7月23日の権利行使(タイトルマッチ)に至るまで、再三に渡り繰り広げられた“今日の吉村”をまとめてみた。

吉村がいつどこ挑戦権獲得「アイツ(竹下)には借りがあるから。借りが山ほどあるから」/DNA5・10後楽園大会

いつどこ挑戦権を獲得し、挑戦者の証であるアームガードを掲げる吉村

 6人タッグマッチで当時、いつどこ挑戦権を保持していた島谷常寛から勝利し権利を奪取した吉村が、バックステージで竹下への恨みを吐露。

吉村「(いつどこ挑戦権を獲得したが、どう使うか考えは?)あー、いまのチャンピオンな。ちょっとアイツには借りがあるから。借りが山ほどあるから。いまはそれだけにしておくわ。オレはアイツに借りがある。(竹下に借りがある?)はい、そういうことで」

 それに対し、竹下は自身の試合後に以下のコメント。

竹下「(吉村がいつどこ挑戦権を獲得したが)彼もトンパチなところがあるので、もしかしたらバーッと使ってくるかもしれないし。ボクも第2試合(吉村の試合)見てて、きょう使われるんじゃないかなって頭をよぎりましたけど。でもアイツも力があるんで、別に試合したかったら使ってくれてもいいし。(吉村は借りがあると)ああ、わんぱく相撲ね。わんぱく相撲で(吉村に)負けたことがないので、プロレスで負かされるものなら負かせてみろといったところです」

竹下に宣戦布告、わんぱく相撲の恨みを吐露/DDT5・14春日部大会

 竹下が試合後にパートナーの彰人とともにバックステージでコメントしていると、そこへ吉村が乱入。以下、両者のやり取り。

吉村「おい竹下! オマエ、これ(いつどこ挑戦権)が何かわかってるよな?」

竹下「わかってるよ、いつどこや、それ」

吉村「オレがこれを取ったからにはな、オマエに昔の借りを全部…」

竹下「その借りって、なんのこと言ってんのや!?」

吉村「全部オマエに返してやるからな。昔、オレはわんぱく相撲で3回コイツに負けてんねん。そのうちの1回はモンゴルまでコイツを追いかけていったのに、向こうで返り討ちにあってという…ずっと恥をかかされてきとんのや! その借りを、これを使って、オマエの一番嫌なタイミングでこれを使って、そのベルトオレがもらって(借りを)返したるからな。覚えとけよ!」

 吉村が去る。

彰人「メチャクチャださいこと言ってたよね。わざわざ借りを返しにモンゴルまでいったのに、負けて帰ったってメチャクチャださくない?」

竹下「まあ事実ですからね。小学校6年生のときにね」

彰人「小6のことをずっと根に!?」

竹下「3年間ずっとボクとわんぱく相撲をやるときに負け続けて、最後モンゴルにいけることになったんですよ。モンゴルに追いかけてきたんですよ。相撲で返せと。でも別にそれでこれ(いつどこ挑戦権)を使ってプロレスで勝って満足できるならそれでもいいと思いますよ。でももしあいつとのタイトルマッチが組まれようものなら、試合の最初にまず相撲を取って」

わんぱく相撲での敗戦で「オレの家庭はバラバラになった」と衝撃告白/DDT5・28後楽園大会

 ヤス・ウラノとのタイトル戦を制し3度目の防衛に成功した竹下がバックステージでコメントしているところへ、またしても吉村が乱入。

吉村「おい竹下ァ! オレはな、オマエに恨みがあるって何回言わしたらわかるねん。オレは小学生の頃、わんぱく相撲で3回も…そのうちの1回はモンゴル行って負けてるんや! オレがオマエに負けたせいで…いや! オマエがオレに勝ったせいで、オレの家庭はバラバラになってんだ」

竹下「家庭がバラバラになった?」

吉村「(遮って)オマエのせい! 全部オマエのせい! 全部オマエのせいや! 全部オマエがオレに勝つから悪いんや! オレがこれ使って、そのベルトをもらってオマエの家庭もバラバラにしてやるからな。覚えとけよ!」

 吉村が去る。 

竹下「(あきれ笑いで)オレの家庭もバラバラにされるのか!」

彰人「なんだアイツ」

竹下「…バラバラにしてしまったとしたら申し訳ないですけど、相撲で負けてなんで家族がバラバラになるんですか?」

彰人「相撲ってアイツにとって人生懸かったことだったのかね」

竹下「もしかしたら、そうだったのかもしれないですね。でも、ボクの家族をバラバラにされたら困るので。要はまだいつどこは使わないってことなんですかね。たぶんもっとボクが弱ってるときに? わかんないですけど、吉村が会場にいるときは気を付けたいと思います」

吉村「学校の先生になんて言われたか知ってるか?『吉村、頼むからもう学校辞めてくれ』と。オレの気持ちわかんのか!」竹下「わからんわ」/DDT6・2新宿大会

 竹下のコメント中に吉村が乱入。

吉村「竹下ァ! オレはな、オマエに恨みがあるって何べん言うたらわかんねん。オレはオマエに小学生の頃、わんぱく相撲で日本で2回、モンゴルで1回負けたせいで…いや、オマエがオレに勝ったせいで、オレの家族はバラバラや。それからオレの生活は哀れや。ケンカ、窃盗は当たり前、そのほかにここでは言われへんようなことも散々やってきた! しかもな、オレは学校の先生になんて言われたか知ってるか?『吉村、頼むからもう学校辞めてくれ』と。オマエ、自分の学校の先生に学校やめてくれと頼まれたオレの気持ちわかんのかよ!」

竹下「わからんわ」

吉村「こうなったのも全部オマエのせいや! 全部オマエがオレに勝つから悪いんや。オレがこのいつどこ使ってそのベルト絶対取ってやるからな! 覚えとけよ!」

竹下「いつ使うんや」

吉村「オマエには言わへんわ、そんなもん! 覚えとけ!」

 吉村が去る。

竹下「なんなんでしょうね、だんだん(わんぱく相撲で)勝たなかったほうがよかったのかなという気持ちになってきました。言葉の力ってすごいなという。でも、わんぱく相撲でボクに負けて、ホントにモンゴルまで来たんですよ。モンゴルでも負けてるんです、アイツ。それで悔しくて、家族は崩壊してしまったみたいですけど、プロレスラーになってくれたのなら、良かったのかなと思う反面、ホントに申し訳ない気持ちというのもじっさい出てきているので。複雑な気持ちなんですけど、アイツ、DNA以外あんま試合ないんで、いつどこも手放すことがない。たぶんアイツ、確実に挑戦してくると思うんですよ。いつなのかなってソワソワするんですけど、でも相撲で借りを返せとボクはまだ言いたいと思います。プロレスはプロレスで、相撲は相撲で勝負」

竹下に「初恋の人を奪われた」恨み/DDT6・4新宿大会

 試合後に竹下が花道を引き揚げているときに吉村が登場。竹下をリングに呼び戻し、吉村はわんぱく相撲での敗戦、それを受けて家族がバラバラになったことをあらためて告げる。

 さらに学生時代に自身が好きだった女の子が竹下に惚れていたことを逆恨みのタネとし、「オマエはオレの家族をバラバラにして、初恋の人も奪った。オレはオマエからベルトを奪って、オマエの家族をバラバラにして、オマエの人生をメチャクチャにしてやるからな!」と言い残すと、一人去っていく。リングに残された竹下は「そんで、いつ挑戦すんねん!」と突っ込んだ。

 以下、バックステージでの竹下のコメント。

竹下「(吉村がまたやって来たが?)“今日の吉村”がついにリング上でおこなわれましたけど、ボクはテンションが上がりましたよ。たぶんアイツね、なんかこう二重人格というか、あんなオラオラしてますけど、いつもバックステージしか来ないでしょ。結局、人前に出る根性がないのかなって思ったんですけど、ついに出たでしょ。だから今日、タイトルマッチしないといけないんだって一瞬思いましたよ。でも全然、違いましたけど。ボクのせいで家族がバラバラになって、好きな女の子も吉村じゃなくてボクが好きだったみたいで…たぶんボクはなにも悪くないんですよ。吉村はああ言ってますけど、申し訳ない気持ちはあるけど、でも知ったことかと。ベルトに挑戦してくる日が…でもアイツ、根性ないんで、挑戦してこないでしょ。結局、口だけで。アイツ、(いつどこを)持ったまま終わるんじゃないですかね、結局。そういうのはいままでないでしょ? 意外とそのパターンがあると思うんで。だから、“今日の吉村”をこれからも楽しみにしていきます」

定食屋ヤマヒラの悲劇/DDT6・18松山大会

 メインイベントに出場した竹下が退場しようとしていると、吉村が乱入。

吉村「待てこら! 何回言ったらわかるねん。オレは小学生の頃オマエにわんぱく相撲で日本で2回、モンゴルで1回、オマエがオレに勝ったせいで、家族はバラバラになり、学校辞めてくれと先生に頼まれ、初恋相手のマリちゃん、親友のナオトや信頼してた先生、やさしかった近所のおばあちゃんまでオレの前から姿を消した。もういよいよオレは一人ぼっちや。オレの周り、誰もおらへん。そう思いながらオレは、行きつけの定食屋ヤマヒラに向かった。ヤマヒラは中学生の頃からお世話になってて、オレがなんにも言わんでも、大盛りにしてくれたり、おかずを一品サービスしてくれたり、とにかく腹いっぱい食わせてくれた。そんななかでもオレはチキン南蛮定食が一番好きやった。ヤマヒラのチキン南蛮定食を食べたら、どんなに嫌なことがあっても、ああオレまた頑張ろうって、そう思えた。でも、いざ行ってみたらヤマヒラ潰れとった。ヤマヒラいつなんで潰れたんですか!…周りの店に聞いたら、カキフライ定食を食べた学生が、そのカキに当たって食中毒を起こし、それを警察にチクったから営業停止になったと。じゃあそいつはどこのどいつなんすか!と聞いたら、オマエ、誰や言うたと思う? 咲くや此花高校の竹下幸之介、オマエや!」

竹下「ホントかよ!」

吉村「オマエはなんでヤマヒラでチキン南蛮定食じゃなくてカキフライ食ってんねん! 当たったのもオマエのせいやんけ! オマエはもうオレの周りから人を奪い、居場所を奪った。オレ、こんなひどいヤツ見たことないわ、いままで! なあ? オレはこのいつでもどこでも挑戦権を使って、そのベルトに挑戦してオレが取って、オマエの人生もメチャクチャにしてやるからな。覚えとけよ!」

 吉村は退場。

竹下は「カキで当たったことはあるんですけど…ありがとうございました!」と言って去っていった。

ゼウスとの“いい話”披露、竹下の大事なもの奪う…まずはオープニングコール/DDT6・25後楽園大会

 大会開始前のリングに竹下がオープニングコールをするべく登場するも、直前に告知をおこなっていた吉村が踵を返して竹下のあとを追ってリングへ。鶴見亜門GMが竹下に「集中しよう、大事なオープニングコールだから…」と諭すも、そのマイクを奪った吉村が語り出す。

吉村「うぉーい、竹下~! オレはな、オマエに恨みがあるって何回言わせたらわかんのや! きょう、これで9回目やぞ! ええか、オレは小学生の頃わんぱく相撲で日本で2回、モンゴルで1回、オマエがオレに勝ったせいで! 家族はバラバラになり、初恋相手のマリちゃん、親友のナオヤ、信用してた先生、近所のノブヨおばあちゃん、行きつけの定食屋ヤマヒラまで失った! もうさすがにオレには何もないよ。もう終わりや、オレは。オレの心はやさぐれて、毎日毎日窃盗や。あのとき、オレの前を筋肉ムキムキのいかにも大金の入ったセカンドバッグを持った男が歩いてきた。いままでで一番の大物やと思って、オレはそのバッグを盗んで、全速力でそこを逃げた! もうちょっとで逃げ切れる。そう思ったとき、交差点の向かい側にある男が見えた。オマエ、それ誰かわかるか? 咲くやこの花高校の竹下幸之介、オマエや! オレはその一瞬で怒りで我を忘れて、その場に止まってもうた。それが運のつきやった。

 後ろから追いかけてきた警察につかまってもうたんやけど、オレの人生終わりや、もうあきらめるしかないんかなとそう思ったとき、『おい放してやってくれ。そのバッグ、オレがあげたものや。そいつ放したれ』…後ろから声が聞こえた。振り返ってみたら、そのバッグの持ち主の筋肉ムキムキの男や。その男こそ、KING GYMの代表ゼウスさんやった! そこからゼウスさんについていこうと思って、KING GYMでトレーニングしてプロレスラーを目指して、毎日毎日頑張った。こんな神様みたいな人初めて見たわと、そう思った。それに対してオマエはーーー!! オレの周りからいろんなものを取っていった。こんなひどいヤツいままで見たことないわ、オレは!! ええかオレは、この挑戦権を使ってオマエからベルトを取って、オマエの大事なものを一個一個奪っていったるからな。さっき聞いたぞ。大事な大事なオープニングコール?(場内喝采)きょう手始めに、そのオマエの大事なオープニングコールを、オレが奪ったるわ(ニヤリ)。オマエらいくぞ! DDT、後楽園大会、スタート!」

 場内が暗転するなか、竹下の「ほんでいつ使うねん!」の声が響いた。

竹下のゴールドジム会員証を…/DDT7・2新宿村大会

 メインイベントでマイク・ベイリーを相手にKO-D無差別級4度目の防衛に成功した竹下がリングを降り、会場の出入口から姿を消す寸前、吉村が登場。

吉村「オイ竹下! もういい加減思い出話はなしや。まえ言うたよな? 今度はオレが、オマエの大事なもんを一個ずつ取っていくって。そんでこないだ後楽園ではオマエの大事な大事なオープニングコールを取ったわけや。きょう取ったのはそんなもんじゃねえぞ。おい竹下、オマエこれが何かわかるか?(と何やらカードを出す)」

竹下「そ、それだけは…」

吉村「オイ竹下、これはな、オマエの大事な大事な、ゴールドジムの会員証や!(竹下は苦悩する)これでオマエは、大好きなトレーニングがでけへんな(ニヤニヤ)。悔しくねえか? ザマーミロ!!」

竹下「それだけは返してくれ…」

吉村「悔しいか!? 悔しいか!?(と挑発していると誤って会員証を落としてしまい、すかさず彰人が拾って竹下に返す)…返せよ、返せよ! オマエ、人が落としたもの返さへんって、どういう人間やねん、オマエ! ええ!? と、とりあえずこのいつでもどこでも挑戦権使って、そのベルト、オレが取ったるからな! 覚えとけよ!」

竹下「ありがとうございました!」

間違えて大日本のパワーブロックを窃盗!? 岡林登場、奪い返す/DDT7・9博多大会

 前日の小倉大会では控室にあった竹下の大事なプロテインを盗んだものの、それは竹下のものではなく島谷常寛のものだったという失態を演じてしまった吉村。この日も試合を終えた竹下の前に、両手に何やら重そうなものを持って登場。

竹下「なに盗んどんじゃオイ!」

吉村「竹下~! オマエ、これが何かわからないか? トレーニングのときに使う、パワーブロックや! オマエいつも試合前、これでトレーニングやってるよな? な? それを、オレきょう奪ったから。これからオマエは試合前に、トレーニングはでけへん。パワーブロックは無理や! 普段のしょーもない体でも見てもらっとけよ~!(と勝ち誇る)」

竹下「ちょっと待て、これ(同日、同会場で大会をおこなっていた)大日本さんのリングやから、それDDTのパワーブロックじゃないから」

すると、ここでパワーブロックを探していた大日本の岡林裕二が現れ、事態を把握。吉村からパワーブロックを奪い、叱って去っていく。

吉村「…とにかく! オマエのオープニングコールを奪った。ゴールドジムの会員証も、プロテインも、パワーブロックも、オレが取った~。これからはな、もっとオマエの大事なものを取ったるしな、これ(いつどこ挑戦権)使って、最終的にはそれ(ベルト)もオレのもんにしたるからな! 覚えとけよ!(と絶叫して去る)」

竹下「…後半戦も、お楽しみください!」

 以下、竹下のバックステージでのコメント。

竹下「(吉村がまた来たが)岡林さんにまで迷惑かけて! アイツはもうどうしようもないヤツだなと思って。ボクのことをひどいヤツひどいヤツいうけどね、アイツ、未遂といえど人のものを窃盗してますからね、何回も。ボクは一回ゴールドジムの会員証を取られたのも、昨日プロテイン取られそうになったのも、ボク、カバン漁られてるということですからね。これは未遂でもいけないでしょう。きょうは岡林さんに迷惑かけて。ボクが、アイツがいつ挑戦してくるのかわかりませんけど、そのときはしっかり更生させたいと思います、不良から。ボクは西成区出身なので、いろんな不良をいっぱい見てきたので。ボクは気合で更生させてきたんで、吉村もしっかり。ボクと同級生なので、22歳らしくしろと。大人の階段を上ってもらいたいと思います。でも、いつ挑戦するのかという。アイツが挑戦しない限りはボクはどうしようもないんで。まあ、まだもうちょいボクのものを取るなら取ってもいいっすよ。もっとちゃんと取れと、人のものを取るなら。まだまだ甘いっすね、詰めが」

今度こそDDTのパワーブロックを盗むも…/DDT7・15横浜大会

 オープニングのリングで竹下が告知をおこなっているところへ吉村が乱入。

吉村「オイ、竹下ぁ~~!! オレは言ったよな? オマエの大事なもんを一個一個奪っていくって。きょう、オレが奪ったものを見たら、オマエもしかしたらショックで倒れるかもしらんけどな。オマエ、そこで待っとけよ。(パワーブロックを持ってきて)竹下、これが何かわかるな!? こないだの博多では、間違えて大日本のやつを持ってきてもうたけど、きょうは! 正真正銘、DDTのパワーブロックや! これでオマエはもう、巡業中にトレーニングはでけへん。大好きなトレーニングができんストレスで、オマエはこれからさんざん苦しんでいけ!」

竹下「これはけっこうホントに困りますね」

吉村「取るもん取ったから帰るわ」

亜門GM「ちょっと吉村、オマエさ、まえからよく出てきて竹下への恨みつらみとか、竹下の大事なものを奪ったりしてるんだけど、そもそもいつどこを使う気はあるのか?」

吉村「そんなん使う気あるに決まってるやろ」

亜門GM「いつ、使うつもりなんだよ?」

吉村「オレはな、コイツに山ほど恨みがあるのや。その恨みを一気に晴らすために、こんな会場じゃないぞ。1万人ぐらいが入るような会場で、コイツ負かしてベルト取って恥をかかせる!」

亜門GM「それって両国で使うってこと?」

吉村「最後まで言わせんなよ」

亜門GM「いや、両国じゃ使えないよ? いつどこの使用期限は両国のまえの大会までだから、ビアガーデンの最終日までには使わないと。それ過ぎたら無効になっちゃうからね」

吉村「…わかってるわ、そんなこと! ビアガーデンの最終日、8月3日か?」

亜門GM「5日」

吉村「5日か! 5日までの間で、コイツの一番嫌がるタイミングで、この挑戦権使ってベルト取ったるからな~!」

 両国大会での挑戦が不可能だと知って我を忘れたのか、吉村はパワーブロックを忘れて去っていき、あっさりと竹下が奪還した。

竹下の母・恵子さんを奪う/DDT7・16大阪大会

 メインイベントでの激闘を制し地元に錦を飾った竹下が退場していると、花道奥から吉村が登場。

吉村「おい竹下~さすがにきょうはないと思ったか? きょうは、オマエにとってもオレにとっても地元の大阪や。…オマエ、えらいしんどそうやな? そんな状態できょうオレが取ってきたオマエにとっての大事な大事なモン見たら、オマエもいよいよぶっ倒れちまうぞ。とにかくいまからオレがそれを持ってくるから、まっとけ」

 吉村はいったんバックステージへと下がり、竹下の母・恵子さんを連れてくる。最初は嫌がっていた恵子さんだが会場から「ケイコ」コールが起きるとノリノリ。

吉村「どうや、これでオマエはもう帰っても、おかんの飯は食われへんし、腕相撲もできへんな~。まあでも、試合してまあまあ疲れてるから、取るもん取ったし帰るわ」

 恵子さんとともにコールのなか去っていく吉村。

竹下「ノリノリやんけ! そんでいつ挑戦するのや。恵子は取られましたけど、このベルトは守り切るんで応援よろしくお願いします!」

母・恵子さんからのLINEで竹下に危機感?/7・18記者会見

 7・23後楽園大会に向けた記者会見で、同大会でのKO-D無差別級選手権を控える王者・竹下と挑戦者・石井慧介がコメント。その中で、吉村についての話題に。

竹下「吉村はボクの大切なものを奪っていくっていって、いろいろ失敗してましたけど。先日の大阪大会ではうちのお母さん、恵子取られてますんで。これはボクは黙ってられないです。何が許せないって、試合も岸和田愚連隊を相手にしてきつかったしすごい経験になったけど、会場がどのときよりも声を出す瞬間っていうのは『恵子』コール。これは許せないですね。おかんから帰りのバスの中でLINEが入って、『興奮して一睡もできひんわぁ』って。これはレスラーとしては負けられないですよ。(お母さんはその日ちゃんと家に帰った?)それは知りません。とにかく興奮して一睡もできなかったらしいです。そりゃあれだけ府立第二であんなに自分の名前をコールされることもないですから。それは嬉しいでしょ」

石井「“今日の吉村直巳”に関しては、悔しいけどチェックしちゃってます。あれ面白いですよね。ただ、その吉村が今、一生懸命竹下に嫌がらせとかして標的を定めてますけど、その竹下に挑戦することは吉村にはないので。自分に(王者が)代わった瞬間から慌てて、大事なものとか調べに調べて盗みに来ればいいんじゃないですか」

吉村、ついにいつどこ挑戦権行使!/DDT7・23後楽園大会

 メインイベントで石井慧介を下しKO-D無差別級5度目の防衛に成功した竹下のもとに、吉村がコスチューム姿で乱入。竹下にラリアットをぶっ放した吉村は「おい竹下! きょうがオマエの命日や!」と叫ぶ。

 亜門GMの「きょうは何を奪いに来たんだ!」の問い掛けに「きょうはオマエの大事な大事な、このベルトを取りに来たー!」と吉村。亜門GMは焦りながらも「使うんだな! 使うんだな!」と確認を取り、タイトルマッチのゴングが鳴らされた。

試合結果

◎緊急決定試合いつでもどこでも挑戦権使用~KO-D無差別級選手権試合(60分1本勝負)
<王者>○竹下幸之介(11分0秒、片エビ固め)吉村直巳●<挑戦者>
※ラリアット。第61代王者が6度目の防衛に成功

ついに権利を行使した吉村はタイトルマッチのリングでどんな闘いを見せたのか? 試合詳細、バックステージコメントは以下のサイトを参照。

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