タイ・バンコクで2月3日(日曜日)に開催された、2回目を迎える「アメージング・タイランド・マラソン・バンコク」を走ってきました。バンコク市内・郊外のホットな観光名所も巡ってきましたので、レースの模様も合わせて3回に分けて紹介していきます。2回目は、「マラソン、無事完走」を祈るにも最適な、バンコク郊外にある特色のある寺院を紹介していきます。 取材・文/高橋幸司 協力/タイ国政府観光庁
タイは、いわずと知れた仏教国であるが、日本人よりもはるかに信仰が深いようだ。各寺院を巡っていると、祈りを捧げる習慣が生活の一部として根付いていることが実感できて、感動すら覚える。通訳の方に聞けば、「1月のお正月、2月の中国旧正月、そして4月のタイのお正月と、タイには『正月』が年に3回あります。それを含めれば、ほぼ毎月のように、年に10回くらいはお参りに行くのではないでしょうか」とのこと。
日本人はどちらかといえば、お寺や仏像には「わび・さび」の風合いを求めるだろうが、タイのそれらは、とにかく大きく、いずれも黄金色できらびやかであるのが第一印象。その中から、バンコク郊外へ足を運んで見てみた、特色のある寺院を紹介してみよう。まずは、首都から西へ車で1時間ほどの、ナコーンパトム県にある「プラ・パトム・チェディ」から。
下の建物部分も含めれば、実に約120mという高さ。天を突くようにきらめく塔の部分だけでも100mはあるという、世界最大ともいわれる仏塔寺院だ。3世紀にインドのアショカ王がインドシナ半島に最初に建てた仏塔といわれるほど歴史は古く、それが「仏教伝来の街」といわれるゆえん。幾度かの改修を経て、現在の形になったという。
プラ・パトム・チェディの仏像は、まるで「それはいけませんよ」とたしなめるかのように、片方の右手を挙げている。通訳の方によれば、これは「お酒を飲み過ぎたり、ウソをついたり、悪いことはしてはいけません」という戒めを表しているという。一方、「ストップ」のポーズのように両手を挙げている仏像もタイにはあるといい、その場合は、「台風よ来るな」というように、大きな災害が降りかからないことを祈る意味合いがあるのだそうだ。もし、タイの寺院を訪れたら、その違いを確かめてみてください。
続いては、バンコクから南西方向へ車で約1時間、「芸術の町」ともいわれるラーチャブリー県にある「ワット・ノーンホイ」。小高い山の上にあり、地元の人たちが熱心にお参りにくる寺院だという。ちなみに、日本では仲の悪い代名詞である、お猿さんと犬がたくさんいて、仲良くお出迎えしてくれる(猿には手に持つものを取られないように、念のためご注意を)。ここの名物は、やはり高さ16mもある大きな観音様である。
ここは山の上の寺院であるため、眺めがとても良いのだが、「あれを見てください。何かに見えませんか」と、通訳の方が指差した方向を見ると…。
何と、遠くに見える山の形が、まるで上を向いて横たわるお釈迦様のよう! 感動して思わず手を合わせてしまった。やはり自然の地形のほうにありがたみを感じるのは、日本人なのだろうか…。
そして、今度はバンコクから東へ車で1時間ほどのチャチューンサオ県にある「ワット・ソートーン」。こちらも大きくて左右対称が美しい、大理石の建物が目に飛び込んでくるが、それ以上に驚くのが人の数だ。
タイでもトップクラスの参拝者数の多さだといい、週末は渋滞になるほどの「特別な場所」なのだそうだ。無病息災を祈りに全国各地から人が集まり、願いがかなったあかつきには、籠に詰めた卵を持ってお礼参りにやってくるという。タイ国民の信心深さを、より実感できる場所ではないだろうか。
さて、「アメージング・タイランド・マラソン・バンコク」のランナー受付とエキスポについて。場所はエアポートレイルリンク(ARL)のマッカサン駅すぐ下のイベントスペースにあり、アクセスが非常に良く、受付もスムーズに進む。タイの少年・少女たちが元気のよい明るい笑顔で迎えてくれるので、レースへ向けて自然とテンションも上がってくるはずだ。
次回は、いよいよ本番のレースの模様を紹介していきます。
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