オービックシーガルズのQBイカイカ・ウーズィー(中央)。左はベテランの菅原俊、右はダニエル・リンズ攻撃コーディネーター=2017年4月15日、撮影:小座野容斉
イカイカ・ウーズィー。昨シーズン前半までハワイ大学レインボーウォーリアーズの先発QBとしてプレーしていた24歳の米国人だ。と言っても、バリバリのスター選手というわけではない。QBとしての通算成績はパス4233ヤード、24タッチダウン(TD)。被インターセプト(INT)が28本とTDを上回り、パス成功率も通算で49.4%と5割を下回っている。出場機会が最も多かったのは2014年、2年生のシーズンで、パス2535ヤード13TD13INTだった。率直に言ってムラの多い成績のQBだった。
昨シーズンは、ニック・ロロビッチヘッドコーチ(HC)に、開幕前の8月に4人の候補の中から先発QBに指名されながら、ウーズィーのパス成功率は5割に届かず6TDで6INTと相変わらず不安定だった。チームもミシガン大に3-63で屈辱的な完敗を喫するなど、1勝3敗と波に乗れなかった。
米カレッジフットボールは、10月からカンファレンス内対戦が始まる。大方の大学にとって、ここからの勝敗が最も大切となる。自身がハワイ大のエースQBだったロロビッチHCの決断は早かった。10月1日のネバダ大戦を前にウーズィーを先発から降ろし、2年生のドル・ブラウンを起用した。ブラウンは期待に応えてパスで好成績を残し、チームも巻き返して、5シーズン続いた負け越しから脱し(7勝7敗)ボウルゲームにも出場した。ウーズィーは降格後、パスを投げることはなく、ランプレーでの限定的な起用にとどまった。最後のシーズンは失意で終えたと言ってよい。
ハワイ大学は、マウンテンウェストカンファレンス(MWC)に所属するNCAAのFBS(Div.1A)の中堅校だ。1999年に就任したジューン・ジョーンズHCの下で強力なハイスコアオフェンスを作り上げた。NFLファルコンズのHCだったジョーンズは「ラン&シュートオフェンスの達人」として知られ、ハワイ大は、ティミー・チャン、コルト・ブレナンなどの好パサーを輩出した。チームもMWC内では勝ち続け、2007年のシーズンには12戦全勝で、大学史上初めて4大ボウルの一つ、シュガーボウルに出場した。しかし名門ジョージア大に大敗し、ジョーンズはサザンメソジスト大学に転職した。
ウーズィーが入学した2012年シーズンから、ハワイ大はノーム・チャウHCが率いることになった。チャウは、かってブリガムヤング大を皮切りに、ノースカロライナ州立大や、南カリフォルニア大でQBコーチやオフェンスコーディネーターを歴任、スティーブ・ヤング、フィリップ・リバース、カーソン・パーマーといった、NFLの歴史に名を遺すパスの名手が教え子にいる。QB育成の名人として、NFLファンの間でも有名な存在だった。そのチャウが、ハワイ大のオフェンスを変える。ジョーンズがチームを去った後も続けていたラン&シュートをすっぱり諦め、プロスタイルのオフェンスを導入したのだった。しかしそれが裏目に出た。チームは3勝9敗、1勝11敗、4勝9敗と負け越しシーズンを続け、4年目の2015年に、ライバルだった空軍士官学校に7-58で大敗し、2勝7敗となったところで、チャウが解雇された。
ウーズィーは、レッドシャツ(練習生)も含めハワイ大に5年間所属し、4シーズンをプレーした。チャウHCの下で4年、ロロビッチHCの下で1年。その間、チームが不振を極めたこともあり、攻撃コーディネーターが4度も変わったという。ウーズィーの不安定なパス成績にはそんな事情もあった。(続く)
【写真・文:小座野容斉】
◎Xリーグの新加入米国人QB(その2)
◎「素材育成」ウーズィー、「再チャレンジ」アンダーソン、「実績なし」ニズナック・・・雑草QBの明日は
https://www.facebook.com/americanfootball.magazine/photos/a.737949686337907.1073741828.737768276356048/1035647616568111/
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