上のメイン写真=インターハイで初優勝を果たした山梨学院高校
写真/松村真行
8月13日、『平成30年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技男子』(以下、インターハイ)の決勝が三重県の「三重交通G スポーツの杜 鈴鹿(メイン)」で行なわれた。決勝に残ったのは神奈川県の桐光学園高校と山梨県の山梨学院高校。両校とも初優勝を目指し、決勝に臨んだ(山梨学院は2009年度<当時の校名は山梨学院大学附属高校>の『第88回全国高校サッカー選手権大会』で全国大会での優勝を経験)。
山梨学院は21分に桐光学園の西川潤にゴールを決められたものの、後半ロスタイムの70+5分に宮崎純真のゴールで追いつき延長戦に持ち込む。そして、延長前半の75分には相手のオウンゴールを誘い、逆転に成功した。山梨学院はその後、桐光学園の反撃を堅い守備でしのいで2-1で勝利し、インターハイ初優勝を成し遂げた。
<『平成30年度全国高等学校総合体育大会 サッカー競技 男子』決勝>
山梨学院高校(山梨県)2-1 桐光学園高校(神奈川県)
得点者=西川潤(21分、桐光学園)、
宮崎純真(70+5分、山梨学院)、オウンゴール(75分、山梨学院)
<山梨学院高校 今大会の成績>
1回戦:5-0 対前原高校(沖縄県)
2回戦:1-0 対市立船橋高校(千葉県)
3回戦:2-2(PK3-0) 対高川学園高校(山口県)
準々決勝:3-2 対日章学園高校(宮崎県)
準決勝:1-1(PK3-1) 対東山高校(京都府)
決勝:2-1 対桐光学園高校(神奈川県)
<優勝監督コメント>
安部一雄・監督(山梨学院高校)
「(山梨学院高校が1点をリードされた後半、)桐光学園高校は徐々に足が止まってきてハイボールを蹴られるのを嫌ったのか下がってきました。そのときに『間延びした状態』をつくることができ、試合終盤になってようやくボールを拾えるようになりました。相手が出て来たところでボールを奪ったらスペースをシンプルに狙うことを徹底しました。
私たちは運動量に関しては自信があります。タレントがいない分、運動量で負けてはいけません。後半は試合残り時間が10分を切ったら『パワープレー』として(センターバックの)大石(悠介)を上げることを考えていました。(カウンターに転じた際、)高い位置にいた大石がサイドで粘ってくれたのが大きかったです。それに、(同点ゴールを決めた宮崎)純真は試合を決めてくれる選手なので足がつりそうでしたが代えることはできませんでした。
勝因は、チームに粘り強さが出てきて、気持ちが「前へ、前へ」といくようになったことです。(取り組んできたことの)成果を実感しています。
(安部監督はかつてJリーグ・クラブ<川崎フロンターレ>の育成組織で指導していたが)私の理想としては、ボール保持率を高めて主導権を握るサッカーを目指しています。しかし、自分が「目指すサッカー」と「勝利」を天秤にかけたとき、今大会は「勝利」を優先しました。私たちにはまだプレー精度が足りませんので、これからは精度を高め、「目指すサッカー」と「勝利」の両方を突き詰めていきたいです。今回のような戦い方だけでは冬(『全国高校サッカー選手権大会』)は勝てません。ボール保持率を高めることを突き詰め、勝利にもこだわりながら指導していきたいと思います」
(取材協力/安藤隆人)
<『平成30年度全国高等学校総合体育大会 サッカー競技 男子』トーナメント結果>
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