取材・構成/下薗昌記
写真/宮原和也
クルピ サッカーは多くの人に喜びを与えるスポーツです。喜びのためには当然、勝利を目指さなければいけません。私はゴールを守るためだけに選手をピッチに送り出すことはありません。しかし、サッカーは2つの要素で成り立っているとも思っています。攻撃も守備もどちらもできなければいけません。バスケットボールもバレーボールも同じです。
クルピ どちらかを選べと言われたら、前者を選びます。ただし、私は『フッテボウ・レズウタード』も嫌いではありません。ブラジルのサッカー界において、試合に勝てない監督は生きていけないからです。ブラジルでは守備的な戦いをする監督が揶揄されることもありますが、技術面で劣るチームが勝機を見出すための正当な戦い方でもあるからです。いい選手がそろっていないクラブが、サンパウロやサントス、フラメンゴのようなビッグクラブに対して攻撃的に挑もうとしたら、大敗を喫してしまうでしょう。だからこそ監督は所属選手の質に応じた戦い方を選ぶべきなのです。
クルピ 選手から感じ取るフィーリングを大事にしています。ただし、「いい選手」と感じるときに「若手」と「ベテラン」を区別してはいません。「いいプレーをしている」と感じた選手をピッチに送り出しているだけです。ですから、才能を持っている若手が、私が今まで率いたクラブにいてくれたという幸運にも恵まれたと思っています。
クルピ ボールの蹴り方やプレー・スタイルの細かな部分まで、自分の目でしっかり観察することです。練習で目をつけた選手が、次に紅白戦などでどんなプレーを見せ、どんな成長を見せるかなどを観察します。キープの仕方や、パス、キックなどすべてをしっかり見るようにしています。
クルピ 私は5回練習するよりも、1回公式戦を経験させるほうが選手を伸ばせると思っています。ブラジルには「練習は練習、試合は試合」という言い回しがありますが、若手は試合の中で伸びていくものです。公式戦を経験することは大切なのです。
クルピ 日本独特の文化が関係しているのかもしれません。日本ではすべての面において過程が重視されているように感じます。ベテランへのリスペクトもあります。しかしサッカーにおいては、ベテランだからと言って必要以上にリスペクトしなくてもいいのです。もちろん、経験のある選手への敬意は必要ですが、もし若手がベテランよりもいいプレーをしているのであれば若手をピッチに送り出すべきです。
クルピ 選手の特長をしっかり見ることに尽きます。ただし、特長については選手個々によって違います。私自身もブラジルで指導していたときに「この選手は伸びる」と思って起用した選手が伸びず、見極め違いだった経験があります。若手はそれぞれに個性があるからこそ、指導者は我慢して起用することが必要なのです。日本の若手とブラジルの若手を指導する際に感じる違いは特にありません。いずれにせよ、若手に関しては常に特長に目を向けるのです。
クルピ 欠点はフィニッシュです。筋力的な部分も関係していると思いますが、それ以上にシュート技術の低さが問題です。シュートのときにまず、「自分がどうフィニッシュしたいのか」をイメージし、実際にプレーに移せなければいけませんが、多くの選手がそれをできていません。
例えば、シュートを打つ前には「コースをしっかり狙うか、強烈なシュートを打つか」を選択すると思いますが、瞬時にいい判断を下せなければいけません。現在、私がガンバ大阪で指導する中で選手たちに強調している点でもあります。その中でもケイト(中村敬斗)は、私が若手を見る上で重視している「天賦の才」を持っている選手です。非常に強くて正確なシュートを蹴れるのが彼の特長ですし、「ゴールを決めたい」という強い気持ちを持った選手です。
クルピ まさにそう思います。日本はもっと筋力的な部分を上げ、フィニッシュの精度も磨かなければいけません。ボール回しに関しては日本のサッカー界も高いクオリティーを持っていると思いますが、フィニッシュに関してはさらなる改善が必要です。
クルピ 私のような年齢(65歳)に達すると、今後のプランを考えるのではなく、日々の過ごし方を現実的に考えなくてはいけません。やはり、ガンバ大阪でタイトルを獲得することです。「監督としての履歴書」において、日本でのタイトルが最も必要なものだと思っています。
クルピ サッカーの指導者を志す人というよりは、私の『アミーゴ(友人)』としてアドバイスを送りたいと思います。すべてのことを自分の頭で考えて決断してほしいと思います。「他人がどう思うか」を気にする必要はありません。成功しようと失敗しようと他人の責任にすることなく、自分で下した決断に対して自分で責任を負ってほしいのです。それが私から皆さんへ送る言葉です。
レヴィー・クルピ(LEVIR CULPI)/ 1953年2月28日生まれ、ブラジル出身。現役時代はセンターバックとしてプレー。現役から退いたあと、監督としてブラジルの名門インテルナシオナル、クルゼイロ、サンパウロ、アトレチコ・ミネイロ、サントス、フルミネンセなどを率いた。セレッソ大阪では97年と2007年途中から11年、そして12年途中から13年まで指揮を執った。18年にガンバ大阪の監督に就任した
2024-03-25
【令和6年夏場所予想番付】
2024-03-25
チケット売上28億円の祭典WWE「レッスルマニア」について武藤敬司、イヨ・スカイ、倖田來未、レイザーラモンが語る「日本だけちゃう。こんなに盛り上がってないの」【週刊プロレス】
2024-03-22
【BBMカードプレゼント】BBMcards 公式X15,500フォロワー様記念プレゼント!
2024-03-25
【アイスホッケー】「アイスホッケーを続ける」ということ。
2023-07-24
ランニングマガジン・クリール年間定期購読キャンペーン
2024-04-01
ベースボール・マガジン社の人工芝一覧、導入実績、問い合わせ先 [ベーマガターフ]
2024-03-25
【令和6年夏場所予想番付】
2024-03-25
チケット売上28億円の祭典WWE「レッスルマニア」について武藤敬司、イヨ・スカイ、倖田來未、レイザーラモンが語る「日本だけちゃう。こんなに盛り上がってないの」【週刊プロレス】
2024-03-22
【BBMカードプレゼント】BBMcards 公式X15,500フォロワー様記念プレゼント!
2024-03-25
【アイスホッケー】「アイスホッケーを続ける」ということ。
2023-07-24
ランニングマガジン・クリール年間定期購読キャンペーン
2024-04-01
ベースボール・マガジン社の人工芝一覧、導入実績、問い合わせ先 [ベーマガターフ]