アメリカンフットボールの関東大学2部リーグBブロック1次リーグ第1グループは、10月19日に日本大学下高井戸グラウンドで行われ、日大が芝浦工大に48-7で快勝した。試合は第3Q、残り6分2秒の時点でコールドゲームとなった。日大は川端迅(2年=千葉日大一)と石上元輝(4年=日大鶴ヶ丘)の2人のQBを使い分け、バランスの取れた攻撃を展開。SF白井快(3年=日大鶴ヶ丘)によるインターセプトリターンTD(ピック6)、WRで出場したQB小林伸光(3年=佼成学園)の約100ydのTDがこの試合を象徴するプレーとなった。日大は1次リーグを4戦全勝で終え、2次上位リーグへの進出を決めた。【北川直樹】○日本大学・有志の会 48-7●芝浦工業大学(2025年10月19日@日本大学アメリカンフットボールグラウンド) 第1Q:日大が一気に28点を奪う芝浦工大のキックオフで開始した試合は、日大のリターナーWR岩﨑充希(3年=佼成学園)が自陣35yd付近まで戻し、最初のシリーズから主導権を握った。
先発QBの川端を中心にテンポの良い攻撃を展開。WR冨士原優斗(3年=仙台育英)へのパスで1stダウンを獲得すると、敵陣40ydからWR青木峻(4年=駒場学園)へのTDパスを成功させ7-0とした。
芝浦工大の攻撃を3&アウトに抑えた日大は、自陣45yd付近から再び攻撃を開始。川端が冨士原へのパスで前進し、自らのキープでゴール前2ydまで到達すると、RB桑野稜也(1年=日大一)が中央を突破してTD。14-0と引き離した。
続く芝浦工大の攻撃は、日大ディフェンスがパスをインターセプト。SF白井がそのままエンドゾーンまで走り切り、ピック6を記録し21-0。
第1Q終盤にはQB石上交代で登場し、WR余越海皇(3年=岩倉)へのTDパスを決めて28-0で第1Qを終えた。
先制TDのほか勝負強いキャッチが光った青木峻=撮影:北川直樹第2Q:日大がディフェンスの得点で突き放す第2Qも日大の攻勢は続いた。芝浦工大のファンブルをDL西野大輝(3年=日大豊山)がリカバーし、そのままリターンTD。35-0とした。
しかし芝浦工大もここで反撃を見せる。QB早川智也(4年=足立学園)からWR石塚レイ(3年=県立静岡)へのパスが決まり、TD。35-7に。
前半終了間際、日大は自陣から川端が再びオフェンスを指揮。途中、4thダウンギャンブルでフェイクパントからダウンを更新すると、青木、冨士原へのパスで着実に前進。ゴール前1ydまで迫ると、残り12秒で前半3回目のタイムアウトを取得。2ndダウン&ゴールから川端がスニークでタッチダウンを決め、42-7で前半を終えた。
芝浦工大のファンブルを拾い上げエンドゾーンまで走りきった西野大輝=撮影:北川直樹第3Q:QB小林の100yd TDでコールドゲーム成立後半は日大のキックオフで試合再開。芝浦工大は右サイドのオープンプレーで大きくゲインし、敵陣45yd付近まで前進。しかし日大DL會田空都(3年=横浜立野)のサックなどで後退を強いられ、パントに追い込まれる。
日大は自陣10yd付近から攻撃を再開。QB石上がエンドゾーン内でサックされかけたが、パスを投げ捨ててセーフティの危機を回避。
続くプレーで劇的なシーンが生まれる。WR位置に入ったQB小林が石上からのショートパスをキャッチすると、約100ydを独走してタッチダウン。48-7とした。これによりコールドゲーム(前半終了時 35 点差、3Q 終了時 28 点差がついた場合にランニングタイムに移行し、リードしたチームが得点した時点で試合終了)が適用され、第3Q残り6分2秒に試合終了となった。
DLの中心として存在感を見せる會田空都=撮影:北川直樹1次リーグは全勝、総合力示す攻守で2次上位リーグへ進出日大はこれまでの試合同様、QBの川端と石上の特性を活かした2QB制で多彩な攻撃を展開し、芝浦工大を圧倒した。RBは石川、桑野が力強い走りを見せ、WRは青木、冨士原、余越らがバランスよく機能してどのシリーズでもターゲットが分散。層の厚さを示した。
守備陣はDL西野のファンブルリカバーTD、SF白井のインターセプトリターンTDと、ピック6を2つ決めて攻めの守備を体現。DL會田のQBサックなど、ライン戦を起点に優位に進めた。試合を決めた小林の約100ydタッチダウンは、この試合のハイライトとなった。
芝浦工大はQB早川からWR石塚へのタッチダウンパスで意地を見せたが、日大の勢いを止めることはできなかった。
これで日大は1次リーグ第1グループを4戦全勝で終えた。専修大学(37-3)、関東学院大学(55-7)、工学院大学(55-0)戦に続く完勝で、2次上位リーグへの進出を決めた。2次上位リーグの初戦では、1次リーグ第2グループ2位の上智大学と11月15日に富士通スタジアム川崎で対戦する。その後12月13日に一橋大と対戦し、順当に勝ち上がることができれば、2部Bブロック1位として1部BIG8への自動昇格が決まる。
関東学生アメリカンフットボール連盟 順位順列決定方法関東学生アメリカンフットボール連盟 2025年度 星取表
リターン、WRで集中力を見せた岩﨑充希=撮影:北川直樹 

先発としてオフェンスを率いた川端迅=撮影:北川直樹
キャッチ後の走りで距離を稼いだ冨士原優斗=撮影:北川直樹
第1Qに2本目のTDを奪ったルーキー桑野稜也=撮影:北川直樹
2試合連続のピック6を決めた白井快=撮影:北川直樹