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2025-12-04

【しゅりんぷ池田のカード春秋】FUSION 2025(第7回)親子で代打弾

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「記録の殿堂」にふさわしい記録がなかなか生まれず、やきもきしていた9月中旬に一挙に4枚のカードを追加する好記録が生まれました。9月14日の巨人戦で度会隆輝(DeNA)が代打本塁打を放ったのです。同選手は父・博文氏もヤクルトでプレーした親子選手としても知られていますが、その博文氏も現役時代に代打本塁打を放っており、親子で代打本塁打を放った3組目の父子となったのでした。

No.85 度会隆輝(De)
No.85 度会隆輝(De)

No.86 度会博文(ヤ)
No.86 度会博文(ヤ)

1組目は堀井数男(南海)と堀井和人(南海)で、2組目は野村克也(南海他)とカツノリ(ヤクルト他)だったそうなのです。堀井数男は戦後、鶴岡一人監督が率いた南海で五番打者を務めた強打者でした。その子息・和人は法大で山中正竹、江本孟紀、黒田正宏らと同期で3度の優勝を経験して、70年にドラフト7位で南海入り。現役時代は代走要員が主で、それほど成績を残したわけではありませんが、引退後に南海・ダイエー・近鉄・オリックスと長くスカウトを務められました。

2組目の野村克也は早くから南海の主軸を担ったこともあり、初めて代打本塁打を放ったのはプロ21年目の74年5月のことでした。同選手はロッテ時代の78年にも1本、西武時代の80年に2本代打本塁打と計4本の代打弾を記録していました。その子息・カツノリが代打本塁打を放ったのは97年8月のことで、これがプロ初本塁打でもありました。同選手は阪神在籍時の00年に2本、翌01年に1本の代打本塁打を放ち、父親と同じ4本の代打弾を記録したのですが、この4本が現役時代に放った本塁打のすべてでもありました。

No.87 カツノリ(ヤ)
No.87 カツノリ(ヤ)

No.88 野村克也(南)
No.88 野村克也(南)

プロ2年目の今季、1年目の3本塁打から倍増の6本塁打を放った度会隆輝。秋季トレーニングでは三塁に挑戦しているようですが、来季はレギュラーに定着して自慢の長打力を発揮してもらいたいものです。



当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が2024年4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。

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