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2025-12-09

「絶対にひっくり返せる自信がある」HEAT-UPのTAMURA、秦野、裕希斗が12・15後楽園へ意気込み

開放感のある新道場で選手たちと

 川崎の地元密着団体として活動しながら、世界展開を目指すHEAT-UP。大一番となる12・15後楽園大会を前に、代表のTAMURA☆GENE☆、若き王者の秦野友貴、タッグ王座初挑戦が決まった裕希斗の3選手が、先月に移転したばかりの新道場で意気込みを語った。(取材・戸井猛道)

――新道場オープンおめでとうございます。今回の移転はどのような経緯だったのでしょうか?

TAMURA ありがとうございます。川崎市多摩区の稲田堤で7年間やってきたんですけど、更新なしの10年契約の物件だったので、残り3年になった頃から新道場を探し始めて。我々がやりたいことはプロの育成と同時に、一般の人たちにフィットネスとしてのプロレスを知ってもらうことなので、駅から通える距離で、騒音に問題がなく、天井が高いこと。この3つの条件が必要なんですが、それに合う物件を紹介していただいて、ここしかないなと。

――新しい道場の方はいかがですか?

TAMURA 天井が高くなったことでトップロープからの技も練習できるようになりましたし、前より敷地は狭いんですけど開放感があって広く感じますね。麻生区のよみうりランド前駅から徒歩7分、百合ヶ丘から徒歩8分くらい。

秦野 一度道場マッチをやりましたけど、音の返り方もよくて迫力がありますし、最初は殺風景だった中に赤い階段が鮮やかな差し色みたいに入ってて、その見た目も気に入ってますね。

TAMURA あれは僕が塗ったんですよ! 元々は灰色だったのを「赤に塗ろう!」って言ったらみんなに「え?」って言われたんですけど、HEAT-UPカラーで道場の象徴になったので(笑)。

――プロレスで一般向けのクラスをおこなっている団体としては、HEAT-UPは国内屈指の側面があります。

裕希斗 HEAT-UPのクラスは、プロレスと格闘技の両方をやってて。クラス生は70人くらいいるんですけど、実際のリングを使える時間が長いというのは他ではなかなかないと思うので。それで遠くから道場に通ってくれている方たちもいますね。実際に今のHEAT-UPでプロとして活躍してる選手も、僕とTAMURAさん以外はほぼ全員クラス出身です。

――後楽園大会も目前に迫ってきましたが、今回は大会名が「聖地集結2025~俺たちの夢島~」となっていますね。

TAMURA 今年は名古屋で毎月やって、山口で2回、大阪も3年ぶりにやったりと地方進出に力を入れた1年で、それを集結させたような大会になります。地方の選手たちにとって東京の後楽園ホールは夢の舞台ですけど、僕らとつながったことでその夢を実現させていこうと。その夢の集結がコンセプトですね。

――裕希斗選手はホワイト森山選手とのタッグで、ユニバーサル王座初挑戦となります。

裕希斗 格闘技をやってたときも1度だけベルトに絡ませていただきましたけど、HEAT-UPではベルト自体が初挑戦で。HEAT-UPの前身の「STYLE-E」のときにスタッフとして見ていたホワイト森山選手と組んで、大家慶次郎&趙雲"骨"子龍の2人が相手というのは、ちょっと不思議な感覚ですね。でも森山さんとは格闘技で四半世紀ずっと一緒に練習してきた仲で、一番信頼している選手なので。彼と一緒に挑戦できるというのは僕にとって夢のようなことでもあるので。あとは2人でベルトを取るだけです。

――TAMURA選手は鈴木みのる&佐藤光留選手との対戦になりました。

TAMURA 鈴木みのるさんとは9年ぶりですね。HEAT-UPで初めてとどろきアリーナでビッグマッチをやったとき、メインで闘ってボコボコにされた。でも、僕もこの9年間なんとか生き残ってきたので、どこまで追いついてるのかを見せたい。光留さんもみのるさんももともと「UWF」の家系というか、私も田村潔司さんの元で生まれ育ってUの血は多少なりとも流れてるので。お二人はすごく尊敬してますけど、超えなきゃいけない壁として突破していきたいなと。

――パートナーのマーティー・スカル選手についてはいかがですか?

TAMURA マーティーとは8月のとどろきアリーナでシングルで闘ったんですけど、本当に世界の壁を感じたというか、そこを目指して世界のトップクラスに入り込みたいなと。そのためにはマーティーからいろんなものを吸収していくのが近道だと思うので、僕はポルトガルのベルトも持ってますけど、今回のタッグはまた世界進出の他の一歩だと思っています。

――秦野選手はユニバーサル王座の3度目の防衛戦になりますが、同世代との闘いを掲げられました。

秦野 このベルトはTAMURAさんがずっと持ってて、兼平大介さんや定アキラさんに渡ったけど、なかなか下の世代に降りてこなかった。それを僕が取ったことで、まずは下の世代に下ろして突破口を開けたいというのがあって。もちろん上の世代に噛みついて追い越していきたいという気持ちもあるんですけど、一度僕らの世界でしのぎを削るってのをやりたくて。あとはベルトを懸けた闘いでしか成長できないことがあるというのを実感したので、参戦してもらってる他団体の若手の方たちとも一緒に成長していきたいなと。

――その中で、今回大阪のボンバー奥野選手を選ばれたのはなぜだったのでしょうか?

秦野 今年に入って「大阪vs名古屋vs川崎」を続けてて、紫焔のボンバーさんとは名古屋の若手育成企画でお会いして。すごく元気があって大きくて強くて、プロレスラーらしいプロレスラーだなって思ってたんですけど、若手世代の中で最初にボンバーさんが頭角を現して、「ストップ・ザ・ボンバー」という感じでみんな挑んでいってたんですけど、そのときに僕の番が来るかなってところで当たらずに終わってしまったのが悔しくて。

今年の夏の「若鯱リーグ」ではじめてボンバーさんとシングルをやったんですけど、定さんのタイトルに挑戦するかどうかっていう結構大事なタイミングだったのに負けてしまった。それで僕がベルトを取った後、わざわざ名古屋から新百合大会に1人で乗り込んできてくれたので。ビックリもしましたけど、僕の中で一番リベンジしたい一人でもあったので、やっとまた当たれるなと。しかもボンバーさんなら、正面からぶつかり合ってくれるというのは確約されている、そういう選手なので。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

TAMURA みんなの夢が集まった大会になると思いますけど、僕も45歳になって、また新しい夢ができたので。ここで初めて言いますけど「WWEに並ぶ団体を作りたい」なと。言うだけなら自由ですから。そのためにも、この試合でワールドインパクトを残して、来年につなげたいと思います。

裕希斗 プロレスラーとして正式にデビューしてからは1年少しですけど、ぜひ僕がベルトを巻く姿を見に来てもらいたいですね!

秦野  今回の大会にはビッグネームの選手も参戦しますけど、その中で決して有名ではない秦野友貴とボンバー奥野がメインを飾る、この矛盾と面白さを見ていただきたいですね。絶対にひっくり返せるという自信があるので。ボンバー選手には心してかかってきてほしいなと思いますし、安心して楽しみに見にきていただきたいと思います。

BBM

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