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2025-12-12

【陸上】2026 Close UP!T&F 10秒00の清水空跳、U20日本選手権・U18大会二冠の菅野翔唯、ダイヤモンドアスリートNextageの松下碩斗ら活況の男子100m&200m

インターハイで10秒00をマークした清水(右)とU20日本選手権、U18大会二冠獲得の菅野(左)。来季も好勝負に期待(写真/宮原和也)

2025年のトラック&フィールドシーズンが終了。今季、秋以降にも各地から好記録の知らせが届いた。そのなかから、来季に向けて、注目の種目や選手を紹介。“どこよりも早い⁉” 2026年T&Fシーズン展望をお届けする。第四弾は、今夏、高校記録となる10秒00がマークされた100mを始めとする、活況の男子短距離。

清水、菅野をはじめ、来季も活況の男子スプリント

2025年のハイライトシーンは、何といっても、広島インターハイの男子100mだろう。暑熱対策によって準決勝がなくなり、3組タイムレースで実施された決勝。まず1組で、菅野翔唯(東農大二高2年・群馬)が追い風参考(+2.4m)ながら10秒06をマーク。すると3組では、清水空跳(星稜高2年・石川)が10秒00(+1.7)と衝撃の疾走を見せた。16歳5カ月の清水が、18歳未満の世界記録(10秒06)を塗り替える快挙を成し遂げ、桐生祥秀(洛南高・京都、現・日本生命)が持っていたU20日本記録、高校記録を、12年ぶりに0秒01更新した。

清水はこの快走により、9月に行われた東京世界選手権の4×100mリレー代表に。残念ながら出走機会はなかったが、桐生ら日本代表の先輩スプリンターたちと過ごした日々、現地で体感した世界大会の雰囲気、スタンドから観たリレーの決勝の光景、すべてを今後の糧にする。ケガなくシーズンを終えられたことを、高校2年目の収穫に挙げた清水。「来年はアベレージを上げて、一発9秒台を出したい」と、さらなる飛躍を誓う。

菅野はインターハイの翌週に、高校歴代5位タイ、高2歴代3位の10秒22と自己記録を更新。9月のU20日本選手権、10月のU18大会は、清水が不在の決勝ではあったが優勝を果たし、全国二冠を獲得した。今季中の目標だった10秒1台を達成できなかった分、「来年は10秒0台を出して、空跳に何回か勝てるような選手になりたい」と意気込む。


来季も活躍が楽しみな1、2年生スプリンター。左上から時計回りに伴野、松下、井手、矢田、安田、荒谷(写真/宮原和也、黒崎雅久)

2年生世代は、2人に次ぐ選手たちも強力だ。インターハイでは、4位の荒谷匠人(近大東広島高・広島)が高2歴代7位タイの10秒29をマーク。インターハイ6位の安田夢雄生(明桜館高・鹿児島)は、その2週間前に高2歴代11位の10秒33で走った。200mでも、インターハイで優勝した清水に続き、3位の矢田篤志(関大北陽高・大阪)、4位の井手友郎(済美高・愛媛)ら計5人の2年生が入賞。清水は高2歴代5位の20秒79、井手は同歴代9位の20秒86、伴野智星(静岡市立高・静岡)は同歴代10位タイの20秒87を持つ。

 1年生では、国民スポーツ大会の少年Bを10秒35で制した松下碩斗(静岡高・静岡)が注目される。この記録は、清水が昨年出した10秒26に次ぐ高1歴代2位だ。200mでも5月に21秒07と、井手が昨年記録した20秒96に次ぐ高1歴代2位にランクインしている。2年目のシーズンに向け、松下は「清水さんを超えるとか、追いつくところまでいかなくても、近くで背中を追っていけたら。10秒1台か、10秒1を切るくらいまで狙いたい」と目を輝かせる。

来季も群雄割拠の男子スプリント。再び、歴史を変えるシーズンになるか。

文/石井安里 写真/宮原和也、黒崎雅久

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