史上初めての関西勢同士の対戦となった全日本大学アメリカンフットボール選手権決勝「第80回毎日甲子園ボウル」は、12月14日に阪神甲子園球場に2万4000人の観衆を集めて行われ、前回王者の立命館大(関西2位)が関学大(関西1位)を38―14で破り、2年連続10回目の優勝を果たした。【文/編集部、写真/佐藤誠】
試合の立ち上がり、関学大はいきなりオンサイドキックを選択した。これを立命館大のT E青木蓮がキャッチ、立命館大は相手陣49ヤードの好位置から最初のシリーズをスタートさせた。
立命館大のQ B竹田剛は、このチャンスにW R大島秀太やR B漆原大晟にパスをヒット、相手陣15ヤードに迫ると、最後はWR仙石大が、パスを受けると倒れ込むようにしてエンドゾーンにボールを運んだ。
【アメフト】甲子園ボウル 1Q QB竹田剛から15ヤード先制TDパスをレシーブする立命館大WR仙石大 写真:佐藤誠
2分41秒で7−0とリードした立命館大は、続く関学大のシリーズをロスタックルなどでパントに追い込む。自陣16ヤードからの2度目の攻撃シリーズをQ B竹田のスニークやR B漆原のピッチスイープなどで先進し、最後はQ B竹田がリードブロッカーを巧みに使ったエンドゾーンに飛び込み14―0とリードを広げた。
【アメフト】甲子園ボウル パスで2TD、ランでも2TDの立命館大QB竹田剛が甲子園ボウル最優秀選手 写真:佐藤誠関学大の反撃は、立命館大の第4ダウンギャンブルを阻止して得た自陣41ヤードからの攻撃。クォータータイムを挟んで、2年生Q B星野太吾からW R五十嵐太郎のパスやR B井上誉之へのパス、井上のランなどでゴール前に迫り、井上がエンドゾーンを陥れて7―14と追い上げた。
【アメフト】甲子園ボウル 関学RB 井上誉之の1ヤードTDラン。井上は敢闘賞選手に選出された 写真:佐藤誠続く立命館大の攻撃で素晴らしいプレーが生まれる。W R木下亮介がスラント気味に右から内に切れ込むと、Q B竹田からのパスをジャンプしてキャッチ、そのまま相手ディフェンスバック陣を振り切ってタッチダウン。21―7とした。
流れは完全に立命館大かと思われたが、続く関学大の攻撃シリーズが進む。星野太吾の兄4年生の星野秀太がオフェンスのリズムを取り戻し、陣地を挽回していく。第4ダウンギャンブルを成功させて、最後は弟の太吾がディフェンスを振り切ってエンドゾーン右隅に腕を伸ばしてボールを運び、14―21と1ポゼッション差で追う展開が続いた。
【アメフト】甲子園ボウル 2Q関学QB2星野太吾2ヤードTDラン 写真:佐藤誠後半の関学大の最初の攻撃シリーズをパントに追い込むと、立命館大は自陣13ヤードからの攻撃を得点に結びつける。R B漆原の47ヤードのランやR B蓑部雄望へのパスやランで相手陣に攻め込むと、最後はQB竹田が右オープンを駆け上がってタッチダウンを奪い、28―14と2ポゼッション差とした。
その後は、キャッチアップ・オフェンスとなった関学大のロングパスをインターセプトで断ち切ると、第4Qには、Kの横井晃生が38ヤードのF Gを決めて、立命館大が31―14とリードを広げた。
【アメフト】甲子園ボウル 3Q立命館大の主将DB今田甚太郎がバスインターセプト 写真:佐藤誠さらに次の関学大の第4ダウンギャンプルを阻止して得た相手陣38ヤードからの攻撃をW R仙石のスペシャルプレーのT Dに繋げて、関学大を突き離した。
【アメフト】甲子園ボウル ミルズ杯の立命館大K横井晃生 写真:佐藤誠 年間最優秀選手(チャック・ミルズ杯)は立命館大のK横井晃生、甲子園ボウル最優秀選手は立命館大のQB竹田、敢闘選手には関学大のRB井上が選ばれた。
【アメフト】記念写真におさまる立命館大 写真:佐藤誠