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2026-01-20

【相撲編集部が選ぶ初場所10日目の一番】霧島、琴櫻に敗れ2敗目。V争い本命の座は安青錦に移る?

大関琴櫻にがっちり組み止められ、寄り切られた霧島は2敗目。霧島が大関安青錦らの2敗グループにのみ込まれたことで、優勝争いはますます混とんとしてきた

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琴櫻(寄り切り)霧島

優勝争いは、ますます「霧の中」ではあるが、ちょっと「霧島の中」という状況ではなくなってきた。
 
きのうまで1敗で単独トップに立っていた霧島が、大関琴櫻にはね返され2敗目。やはり、今場所好調と言えども、関脇にとって、番付上位の大関・横綱戦を、リードを保ったまま走り切るというのは、簡単なことではなかったようだ。
 
相撲内容については、「途中まではよかったけど、最後は完ぺきに大関の形になった。最後ですね。大関の流れになっちゃって。流れですね」という霧島の言葉どおりだろう。
 
霧島としては、大きな琴櫻に対しては、正面から攻め合うのでなく、いかに下、あるいは横から攻められるかがテーマだ。そして立ち合いからしばらくは、左四つで低く食いつく形になりかけ、霧島ペースだった。
 
しかし大関に振りほどかれ、突きで起こされてペースが変わった。突き放された後、霧島が左からイナして一瞬、琴櫻が横向きになりかけた場面があり、ここで相手の右腰につければ霧島にも勝機があったが、大関は素早く向き直ると、霧島の頭を叩いた。叩きは普通はあまりいい展開を生まないものだが、これで結果的にいったん二人の間に距離ができ、改めて差し手争いになったのが、大関には幸いした。今度は大関が差し勝ち右四つ。しかも食いつかれるのでなく、両力士同じ高さでの四つになった。
 
胸を合わせた四つになってしまえば、これは体格に勝る大関のもの。そのまま両廻しを引きつけて、相手を正面に置きながら寄り切った。
 
霧島が後退し、さらにこの日は平幕の2敗同士の対戦が2番あったので少しメンバーが絞られ、10日目を終わって、2敗には大関安青錦、関脇霧島、平幕熱海富士、阿炎、獅司の5人が並ぶことになった。
 
星が並んだことにより、優勝候補本命は、霧島から、この中で番付最上位の安青錦に移ったということができようか。この後はあすが伯乃富士、そのあとは熱海富士、そして横綱・大関との対戦が予想されるので楽ではないが、勝ち抜いていく力はある。もともと豊昇龍には強いし、苦手としている大の里は今場所精彩を欠く。大の里の不調は協会にとっては一大事だが、安青錦にとっては、優勝を後押しする好材料の一つになる。
 
そしてさらに言えば、トップが2敗となったことにより、にわかに3敗力士にも可能性が出てきた。この日、自力で霧島を倒した大関琴櫻や、きのうの時点ではほぼ脱落かと思われた横綱豊昇龍も、息を吹き返す形になった。中でも豊昇龍は、まだ安青錦とも霧島とも対戦を残しているので、自力ではい上がっていくことが可能。今場所の調子からすると、そう簡単な話ではないとは思うが、数字上は逆転優勝可能な条件が生まれてきた。ここから定評のある終盤の強さを発揮できるか。
 
この後の焦点としては、安青錦の気持ちに変化が出るかどうかか。もともと「考えすぎてしまうところがある」と本人も認めるタイプ。横綱の調子が今一つ上がらない今場所は、チャレンジャーというより、番付の権威を守らねばならない立場ともいえる。トップに立ったことにより、どう影響が出るか。メンタルのコントロール力が試されるところとなる。

文=藤本泰祐

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