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2026-01-21

【相撲編集部が選ぶ初場所11日目の一番】やっと勝った。大の里が霧島を降して連敗脱出。2敗は3人に絞られる

優勝争いのトップに並んでいた中の一人の霧島を一方的に寄り切り、連敗を脱出した大の里。ここから上昇カーブを描いていけるか

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大の里(寄り切り)霧島

横綱が勝ってニュースになるようではいけないが、この日の大の里の白星に、胸をなでおろした関係者は少なくなかっただろう。
 
3連敗していた大の里が、連敗を脱出した。それも、優勝争いの先頭を走っていた中の一人である霧島をしっかりと寄り切って降したのだから、手応えの残る白星と言っていいだろう。
 
まず、きょうは立ち合いが違った。連敗中は先手を取れる立ち合いができていなかった大の里だが、この日は右を固めて肩口から当たり、先手を取った。一度はじいて距離を作ったあと、左に回ろうとする霧島を追って右差し、そして肩を痛めていた左でおっつけを繰り出した。振りほどこうとする霧島を逃がさず、腰を寄せての右差し左おっつけでの寄り。一気に赤房下に寄り切った。
 
この一番だけ見れば、まったくどこが悪いのか分からないような相撲だったが、「よくない相撲がずっと続いていたんで、自分のよさを出せればいいかなと」と語った、そんな思いが、立ち合いからのいい流れを呼んだのかもしれない。

「長かったですね。(応援してくれるファンに)この3日間情けない姿を見せてしまった。土俵に上がった瞬間、気持ちが入った」と、ファンに感謝した横綱。「まだ勝ち越してない」と言いながらも、囲み取材の最後には「とりあえずホッとしました」の言葉も出た。
 
本人が言うとおり、まだ勝ち越したわけでもないので、この先も踏ん張りは必要だが、この日の相撲で、立ち合いしっかり当たれれば、やはり圧力はある、ということは見えた。自身は優勝うんぬんという立場ではないが、安青錦、豊昇龍との対戦を残しているので、せめてV戦線のキーマンの役割は担ってほしいもの。
 
敗れた霧島は、これで大きく後退。安青錦を倒したところでは、「V最有力か?」とも思われたが、ここにきて急に前半戦のキレがなくなってきた。何とかもうひと頑張りして、今後の大関復帰につながってくる二ケタ勝利は残したいところだ。
 
この日は、幕内前半の土俵で、まず阿炎が注文相撲で獅司を一蹴し、2敗サバイバル。3敗勢で欧勝海が幕内で初の勝ち越し、朝乃山も力強い相撲で幕内では2年ぶりの勝ち越しを決めた。幕内後半に入り、熱海富士が藤ノ川を圧倒する強い相撲で2敗をキープ。安青錦も伯乃富士を捻りつぶして2敗を守った。琴櫻は隆の勝に敗れて4敗目、豊昇龍は危なかったが何とか髙安をかわして3敗を守った。
 
この結果、2敗は大関安青錦、平幕の熱海富士、阿炎の3人、3敗で横綱豊昇龍、関脇霧島、平幕の獅司、朝乃山、欧勝海の5人が追う形となった。
 
安青錦のV本命は動かないが、きのう書いたことの裏返しで、大の里の復調気配は安青錦には嫌な条件になるかもしれない。
 
そしてここにきてグッと出てきたのが熱海富士だ。あすは安青錦との直接対決を迎えるが、もしパワーにものを言わせてこれに勝つようだと、すでに両横綱との対戦が終わっているので、大きなストッパーが見当たらなくなる。もちろん関脇陣や平幕の好調者、場合によっては割を崩して琴櫻が当たっていくことになるが、ここにきて自信満々の取り口を見せる熱海富士を止めるのはけっこう大変かもしれない。
 
阿炎は割崩しが必要なところまで勝ち続け、安青錦との直接対決を実現させて一発食えれば、というところ。豊昇龍は、まずは苦手の安青錦を倒すことが絶対条件となるか。
 
そう考えると、もちろんダンゴ状態なので、最終盤にクライマックスが来る可能性もあるが、あすの安青錦-熱海富士戦は、結構、今場所の行方を左右する大一番になるかもしれない。

文=藤本泰祐

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