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2026-01-23

【相撲編集部が選ぶ初場所13日目の一番】安青錦、今場所も豊昇龍を倒して単独トップをキープし、Vへまた一歩前進

この日も低い体勢で辛抱を続け、最後は上手投げで今場所も豊昇龍を破った安青錦。新大関優勝へ、一歩一歩前進している

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安青錦(上手投げ)豊昇龍

普通の状態の場所でも横綱が勝てないのだから、やはりまあ、今場所の両者の動きでは、大関のものか。
 
こと、この顔合わせに関しては、大関が横綱に勝っても驚きはゼロだ。安青錦が今場所も豊昇龍を破り、単独トップの2敗をキープした。
 
とはいえ、途中までは豊昇龍にもチャンスがないわけではなかった。立ち合い、豊昇龍は右差し左前ミツ狙いで立ち、踏み込みとしては一、二歩前に出た。ただ安青錦は、踏み込みはあまりないものの、やはり低い体勢をしっかり作り、左からのおっつけ、右のノド輪でこれをはね返す。ただその後、豊昇龍は上体を起こされながらも、右から左と、ごく浅くではあるが、一瞬モロ差しに入りかけた。ここが横綱にとって最大のチャンスだった。

「我慢ができてよかったです」と、取組後に安青錦は語ったが、それでも安青錦は辛抱して頭を相手のアゴの下につけ、再度左からのおっつけ。左に回って少し振りほどくと、右おっつけから突き放しと、低い体勢を保って動き続け、右差し、左上手の形を作った。寄りと右からのハズで攻めると、最後は左からの上手投げ。きれいに横綱を転がした。
 
これで対戦成績は安青錦の4連勝。豊昇龍には依然、「こうすれば安青錦を起こせる」という方法論が見つかっていない感じだ。場所前の横審稽古総見では安青錦に勝ち越したりもしており、まるで手も足も出ない、ということではないはずだが、早く何か対応策を見出さないと、今後も優勝への大きな足かせにはなり続けるだろう。
 
この日は安青錦が2敗を守る一方、3敗勢の人数は一気に絞られた。2番あった3敗同士の対決では、熱海富士が阿炎を突き落とし、霧島が獅司に貫録勝ちしてサバイバル。三役に当てられた朝乃山と欧勝海は敗れて後退した。この結果、2敗に大関安青錦、3敗は関脇霧島、平幕熱海富士という形に。ちなみに4敗は横綱大の里、平幕平戸海、阿炎、獅司、朝乃山、欧勝海だ。
 
あす、安青錦は過去の対戦成績3連敗と、まだ勝ったことがない大の里と対戦。大の里は13日目も勝って4敗につけており、もしあす勝てれば、1差に迫ることになる。一時はファンの間では休場するかという話までささやかれていながら、まだ優勝の可能性を残しているところはむしろ驚きだが、ここにきて内容が上がってきており、ちょっと面白い感じになってきた。ただ、今場所は安青錦にとって大の里を倒すチャンスの場所であることも確か。大の里がモロ手突きでくるにせよ、右差し狙いでくるにせよ、低く当たって、相手を起こすか、食いつくかができれば、いい流れが作れるだろう。
 
14日目に霧島と熱海富士の3敗同士の対戦が組まれたため、あすの優勝決定はなくなり、とりあえず、賜盃の行方の興味は千秋楽までつながることになった。

もしあす、大の里が勝てば、優勝争いはにわかに緊迫感の漂うものになるが、さて……。まあ、今の状態を見れば、安青錦が千秋楽まで連敗、ということはちょっと想像しづらいというのが正直なところだが。

文=藤本泰祐

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